WindowsServer2016 Networking その①


IPV4アドレスの構成

  1. IPV4アドレスの概要

IPV4アドレスはTCP/IPネットワーク上で1つのホストを一意に識別する32ビットの数値
2進数表記:11000000.10101000.00000001.11001000
10進数表記:192.168.1.200

ネットワークアダプタごと一意なIPアドレスを割り当てる必要がある。
1台のホストに対し、複数のネットワークアダプタが装備されている場合は、
各ネットワークアダプタごとにIPを割り当てる必要がある

IPアドレスは以下の2つで構成されている
      XXX.XXX.XXX.XXX
ネットワークアドレス+ホストアドレス

・ネットワークアドレス
 ネットワークを識別するアドレス
 同一ネットワークに接続されているホストは同じネットワークアドレスを割り当てる必要がある

・ホストアドレス
 ネットワーク内のホストを識別するためのアドレス
 同一ネットワークに接続されているホストは、一意のホストアドレスを割り当てる必要がある

ネットワークアドレスとホストアドレスの区分けはサブネットマスクの値で決まる

同じネットワークアドレスを持つホスト同士は直接通信可能
別のネットワークアドレスを持つホストに接続する場合は、データ中継用のネットワーク機器が必要

〇アドレス指定のルール
・予約されているアドレスがある
 第1オクテット127
 ネットワークアドレス・ホストアドレスにすべてのビットが1
 ※すべてのビットが1の場合は、ブロードキャストアドレス
 ネットワークアドレス・ホストアドレスにすべてのビットが0
 ※すべてのビットが1の場合は、ネットワークアドレス

ブロードキャストアドレスは、ネットワーク内のすべての機器に対して
一斉にデータを配信するために利用される特殊なアドレス

〇ネットワーククラス
クラスA~Eまで利用可能
クラスA~Cまでが一般ユーザー利用可能
クラスDはマルチキャスト用
クラスEは実験用

クラスによって第1オクテットの先頭の値が決定されている
クラスA 0
 1~126まで利用可能
 第2~4オクテットまでがホストアドレス
クラスB 10
 128~191まで利用可能
 第3~4オクテットまでがホストアドレス
クラスC 110
 192~223まで利用可能
 第4オクテットまでがホストアドレス

〇サブネットマスク
ネットワーククラスは管理体系の話であり、実際にネットワーク部とホスト部を識別するには
サブネットマスクを利用します

2進数表記:11111111.111111111.111111111.00000000
10進数表記:255.255.255.0
プレフィックス表記:/24
1ビットの部分がネットワークアドレス

〇サブネット化
サブネットマスクを利用し、ネットワークを分割し、ニーズに合ったネットワークの構築を行う
オクテット単位での分割:クラスフルサブネット化
ビット単位でのサブネット化:クラスレスサブネット化

〇スーパーネット化
ルーティングの効率を上げるために開発された技術
連続するネットワークアドレスを持ついくつかのサブネットをまとめ、
より大きなネットワークにすることでルーティング情報を集約することができる

〇ルーティングの構成
TCP/IPでは基本的には同一ネットワークアドレスでないと通信がとれない
ただし、ネットワーク上にルータが配置されている場合は、ルータのルーティングによって、
異なるネットワーク間でも通信を行うことが可能

すべての通信パケットには、送信元アドレス、あて先アドレスが含まれる
ルータはこの情報を利用し、送信先を判断し、送信することができる
パスや経路に関するメトリック情報を利用して、適切な経路選択を行う
ルータがパケットを送付する際は、近隣ルータの情報も必要でこの情報はルーティングテーブルに格納される
ルーティングテーブルの情報は手動・自動で設定される

〇静的ルーティング
経路情報がルーティングテーブルから自動削除されることはない
ルーター間の経路情報交換のトラフィックやCPU処理が発生しない
ただし、あて先ネットワークがなくなった場合は、古い情報に基づくトラフィック転送が行われる
管理が大変

〇動的ルーティング
柔軟なネットワーク構築が容易
直接ルーティングテーブルの変更は実施しない
ルーター間でネットワーク情報を伝搬することで適切なルーティングテーブルを自動更新
経路途中で障害があった場合は、自動でう回路を再構成可能
ルーティングテーブル用のパケットがネットワークに流れてしまう

〇ルーティングプロトコル
RIP
ホップ数を使用し、最小メトリック経路を最適経路とする
経路情報を30秒周期で近隣ルータにアナウンスし、情報更新

〇OSPF
大規模環境で利用される
回線の帯域などをコスト値の考え方とする
WindowsServer2008以降のルータ機能からは削除された

〇ルーティングテーブルの管理
ルータだけでなくコンピュータもテーブルを利用し通信を行う
route printでテーブルを確認
DGWを設定するとあて先が登録されていない場合は、DGWにパケット送信するようにエントリが追加される
0.0.0.0

ルーティングを直接設定する場合は、route -p add コマンドを利用する