【ハマったところまとめ】内線電話環境をAsterisk×AWSで構築する


AWS・EC2にAsteriskを載せて、内線電話環境を構築しました。
基本的な流れは他のサイトでも紹介されていますが、自分がハマったところに絞って記載します。

環境

【VPC】
インターネット接続が必要なのでデフォルトVPCを利用
【EC2】
AMI:Red Hat Enterprise Linux 8 (HVM・64bit)
インスタンスタイプ:t2.micro
【Asterisk】
オープンソースのIP-PBX※ミドルウェア。今回はAsterisk 13.38.2を利用。
※IP電話機で従来のPBX(電話交換機)と同じ機能を実現するもの。
電話番号と端末の紐づけ情報を保持して、通話開始までのやり取りを制御してくれる。
発信~着信~通話開始まではAsteriskを介して行い、通話開始後は電話機同士で通信する。

SIP: Wait for ACK packet on Callee site to start RTP session
【クライアント(電話機)】
端末:iPhone/iPad
PCでもスマホでもなんでもOK。
アプリ:Zoiper/AGEphone
試行錯誤していく中で2種類入れて試していたが、1種類でOK。最終的にはどちらのアプリでもうまく動いた。

手順

今回一番重要だったのが手順サイト。こちらのサイトを利用した。AWS特有のお作法とか、パッケージ導入時の手順が丁寧に書いてあって分りやすい。
余談だが、呼制御(SIP:5060)だけでなく通話用プロトコル(RTP:10000-20000とか)も使うらしく何も考えずにSIPだけセキュリティグループの穴あけしたら躓いたので注意。上記手順サイトのものを空ければうまくいくが、細かいところを見るならAsteriskが使用するポート一覧を参考に。

ハマったところ

基本は手順サイトを見れば大丈夫だが、個人的にハマったところを記載します。

①パッケージ導入

RHEL系はAsteriskパッケージがyumに入っておらず自身でコンパイル・インストールする必要があるが、コンパイルのためにも必要パッケージが複数あり、それが不足していたためにmakeでエラーが大量に出た。色々なサイトを見て試行錯誤した結果、2021/5/22時点では上記手順サイトで上手くいった。ちなみにDebian系ならaptにAsteriskが最初から入っているので楽。

②sip.conf設定

こちらのサイトを見て気づいたが、generalセクション設定を2重にしていたため、NAT跨ぎなどの設定が上手く入っていなかった。気付かず進めても発信~着信はうまくいってしまうので、クライアント側の設定なのか?など原因の切り分けに時間がかかった。

▶私の失敗② sip.confの設定
元々のsip.confの下に設定を追記したことで、sample記載としてあった[general]と追記した[general]セクションが2つできてしまった。asterisk起動後、NAT設定などが正しく読み込めなかった。→設定を修正

③CLIへのログイン

起動してもCLIにログインできなかった。
psやpstreeでプロセスを見てみても、Asteriskのプロセスが動いていないように見える。

[root@ip-xxx-xx-xx-xxx etc]# /etc/init.d/asterisk stop
Stopping asterisk (via systemctl):  Terminated
[root@ip-xxx-xx-xx-xxx etc]# /etc/init.d/asterisk start
Starting asterisk (via systemctl):                         [  OK  ]

[root@ip-xxx-xx-xx-xxx etc]# asterisk -vvvvr
Unable to connect to remote asterisk (does /var/run/asterisk/asterisk.ctl exist?)
[root@ip-xxx-xx-xx-xxx etc]# ps -ef | grep aster
root      150754       1  0 03:07 ?        00:00:00 /bin/sh /usr/sbin/safe_asterisk
root      151611   73188  0 03:14 pts/1    00:00:00 grep --color=auto aster

Linux asterisk 第1回なども見つつ類似トラブルでの対応方法を探ったが、結論Asteriskを明示的に上げれば動いた。
Asteriskの専用コマンドはAsteriskの起動と終了を参照。CLIに入るとPBXサーバの動きが見れて面白いので、ぜひ。

[root@ip-xxx-xx-xx-xxx etc]# asterisk
[root@ip-xxx-xx-xx-xxx etc]# asterisk -vvvr
Asterisk 13.38.2, Copyright (C) 1999 - 2014, Digium, Inc. and others.
Created by Mark Spencer <[email protected]>
Asterisk comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY; type 'core show warranty' for details.
This is free software, with components licensed under the GNU General Public
License version 2 and other licenses; you are welcome to redistribute it under
certain conditions. Type 'core show license' for details.
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Please note that this version of Asterisk no longer receives bug fixes.
Consult the following URL for Asterisk version support status information:
https://wiki.asterisk.org/wiki/display/AST/Asterisk+Versions
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Connected to Asterisk 13.38.2 currently running on ip-xxx-xx-xx-xxx (pid = 152062)