MoveIt!の使い方


はじめに

 この記事は,ここ数年でかなり使われるようになってきた,ロボットの動作計画ライブラリMoveIt!について紹介していきます.基本的には,マニピュレータを使ったものについて解説して行く予定で,今からはMoveitの公式チュートリアルを和訳しつつ,今の環境に合わせられるように追加で解説をしていきます.ここでは,ROSの基本構造は理解していること,ROSの簡単なチュートリアルは終了していることを前提とします.まだインストールしてない方は,http://wiki.ros.org/ja から始めてみましょう.

MoveIt!を始めよう!

 ここでは,OSをUbuntu 16.04 LTS,ROSのバージョンはKineticとなっています.バージョンが違うとコードも若干変わってくるのでKineticを前提として話を進めていきます.Ubuntu18.04のROS Melodic は環境が整えば書きたいと思います.なお参考文献はROS Melodicを前提に解説してあります.

既存のROSパッケージを更新する

rosdep update
sudo apt-get update

MoveIt!のインストール

sudo apt install ros-kinetic-moveit

ワークスペースを作る

mkdir -p ~/ws_moveit/src

GitHubからパッケージをダウンロード

 GitHubにチュートリアル用のパッケージをダウンロードします.オプション-bの後にバージョンを指定します.

cd ~/ws_moveit/src
git clone https://github.com/ros-planning/moveit_tutorials.git -b kinetic-devel
git clone https://github.com/ros-planning/panda_moveit_config.git -b kinetic-devel

ワークスペースのビルド

 依存関係にあるパッケージをまとめてインストールします.オプション--rosdistroの後にバージョンを指定します.

cd ~/ws_moveit/src
rosdep install -y --from-paths . --ignore-src --rosdistro kinetic

 パッケージをビルドします.

cd ~/ws_moveit/
catkin_make

 環境設定ファイルを適用します.

source ~/ws_moveit/devel/setup.bash

 さあ,これでMoveIt!が使えるようになります.ビルドに失敗している場合は,足りないパッケージをインストールするなどのコードを実行する必要があります.

おわりに

今回はMoveIt!を使うためのパッケージのインストールを解説しました.MoveIt!を始めるためには,これを忘れないようにやっておきましょう.基本的にはインストールするバージョンを間違えなければ,エラーは出ないと思うので,注意してインストールしましょう.

参考文献

https://moveit.ros.org/
https://ros-planning.github.io/moveit_tutorials/doc/getting_started/getting_started.html