意外と知らない?マネジメントの歴史とエンジニアの関係性


自己紹介

🎄メリークリスマス🎄
昨年9月に転職でアドベンチャーに入社した竹﨑と申します。
現在はサーバーサイドエンジニアとして業務を行っております。
ホテル予約もスカイチケット

初めてのQiita投稿ということで、何を書くか迷ったのですが、
クリスマスということで、ポエムかきます!サンタさん、お許しください・・・。

背景

私自身は、転職を3回しておりまして、Slerで8年→(実質)SESで1年→遊技機メーカーで5年→現職という流れで今に至ります。
Slerにいた頃、様々な規模のシステム開発をいくつか経験して技術力が高い人もそれなりにいたと思いますが、大規模なシステム開発においては優秀なプログラマーが数人いたところで仕事は終わらないという現実を知りました。

結局、会社や組織・チームとしてのマネジメントをどのようにおこなっているか?というのも自身の望むエンジニアとしてのキャリアを実現できるかという点で重要なファクターになるのではないでしょうか。

そんな思いもあって、Slerにいた頃、経営にまつわる勉強をしてみようと私は社会人大学生として某大学の経営工学科に編入学したことがあります。

そこで今回は、社会人大学生をしながら学んだ、学問としてのマネジメントと自分自身が経験した会社やIT業界においてマネジメントについて感じたことを書きたいと思います。

あなたの会社はどのような経営・マネジメントをしていますか?

目分量方式・成り行き経営

経営学が発生した頃、問題となっていた状態が下記のような状態だったらしいのですが・・・

経営者は生産現場にタッチせず、熟練労働者に管理を任せる内部請負制度で成り立っていた。現場では1日の生産量を目分量で決めたり、カンや経験を優先したりする成り行き経営が一般的。また報酬は出来高払いだったにもかかわらず、その計算に用いる賃率の基準がなかった。

仕事の成果が上がると経営者が賃率を一方的に引き下げたため、労働者は「仕事を効率的にするほど損になる」と考え、わざと怠けるようになった。雇用主はそんな労働態度に不信感を抱き、労使関係はぎすぎすしたものになっていた。

引用元:「科学的管理法」https://bizhint.jp/keyword/59663

考えてみると・・・システム開発の現場ってこれに近い部分がある会社も少なくないのでは?

テイラーの科学的管理法

先に述べた問題を解決するべく立ち上がったのがテイラーさん。

ざっくり言えば

  • 課業管理
  • 作業研究
  • 作業の標準化
  • 作業管理のために最適な組織形態

上記の考え方を取り入れ、経営者と労働者がお互いに納得のいく作業量と報酬をあたえることで生産性の向上を目指す管理法らしいです。

システム開発の現場でいうところの

  • 課業管理≒WBS等を使ったタスク定義
  • 作業研究≒見積もり精度の向上のための取り組み
  • 作業の標準化≒PMBOK等の標準化のためのフレームワーク導入
  • 作業管理のために最適な組織形態≒プロジェクト制

など、システム開発(とくにSIer)におけるプロジェクト管理でよく言われる内容と通じる部分があると感じます。
ただ、納得のいく作業量と報酬・・・orz って人もいるかもしれないですね

フォードシステム

一方その頃・・・

大辞林第三版によれば

フォード自動車会社が採用した生産合理化方式。製品の単純化、部品の規格化、生産手段や工場の専門化、コンベヤー-システムの導入などにより、合理的経営を確立しようとするもの。

とあります。

簡単に言うと、作業をできるだけ機械化することで大量生産できるようになりましたということでしょうか。ある意味わかりやすいというか単純な話ですよね。キーワードとしては標準化と工程の細分化・部品化、作業の並列化があります。
システム開発業界でいうと、共通部品(API等)をたくさん作ってクラウドで共有して・・・という流れがこれにあたるのかもしれません。システム全体で比較すると違うんですが

ちょっと一呼吸

ここまでは、技術的な側面と関連性の高い項目が多いという印象でした。
ここからは、対象範囲が広くなり、技術的な側面との関連性が低くなっていきますのでざっくりと紹介します。

ファヨールの管理過程論

会社を経営するうえで企業が行うべき管理活動についての理論

  • 管理活動(予測、組織化、命令、調整、統制)と業務活動(技術活動、商業活動、財務活動、保全活動、会計活動)を分離
  • 管理要素(予測、組織化、指令、調整、統制)の定義→PDCAサイクルの元になっている

詳細は割愛しますが、よくある会社の組織という感じですね。重要と思われるのはPCDAサイクルについて。会社としてどのようなPDCAサイクルをまわしているか。というのが可視化されれば会社のことが理解できてちょっと面白い気がします。

人間関係論

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典によると

E.メイヨーや F.J.レスリスバーガーによって提唱された、生産性を高めるためには従業員のモラールを高めることが必要なことと、モラールを高めるためには職場の人間関係の改善が必要であることを主旨とする理論

人は経済的な環境だけではなく一緒に働く仲間や人間関係で生産性が大きく変わる。ということなのですが、企業がどの程度まじめに考えているのかは謎ですね。しかし、職場の人間関係が良ければ生産性も向上しやすいというのはわかります。

コンティンジェンシー理論

大辞林 第三版によると

伝統的組織論が一義的に最善の組織を追究したのに対し、可変的条件に照らして最適な組織編成を探求する組織理論

もう、よくわからなくなってきました(汗)ここへきて丸投げ的な印象。
ただ、前いた会社でやけに組織図だけ変わってたのはこの理論取り入れてたのでしょうか?(笑)

経営戦略論

ここまでくると、ちょっと近代的な気がします。なのでここまでにします。

ASCII.jpデジタル用語辞典によると

経営戦略論とは、企業の経営戦略に関する研究を行なう学問分野

ということなのですが、詳細は割愛します。内容で気になったポイントは以下。

  • 経営戦略を実現するうえで、経営理念、ミッション、目標、ヴィジョンあるいはドメインと呼ばれるものが必要
  • 3C分析やSWOT分析などもここから

ヴィジョンという言葉はこの頃からのようです。なかなか大きい会社になるとここら辺が伝わっている会社は少なそうですね。少なくとも、中堅?SIerにいた頃はまったく響いてきませんでした。会社が大きくてもここら辺の共有ができている会社は強そうですよね。
また、SWOT分析などは個人(自分自身)を売りたいものに見立てて分析を使うことで目標設定などに使えそうです。

まとめ

  • 近代においても、経営学が始まった頃と同じような問題がいまだに存在し、その解決方法論が使われている。しかし、解決できていないことも多い?
  • 所属する会社が大きいほど、科学的管理法を大事にする傾向がありそうです。よく言われます。見積もりぃー数値ぃー根拠ぉーと。人間関係論なんて知ったことではありません(笑)
  • 所属する会社がどのようなマネジメントをしているか知ることで自分にとって良い会社かどうか判断できるのでは。

あたりまえそうな内容も多いですが、このような流れで今に至っているようです。
今後、どのような環境に身を置けば、どのような行動をしていけばプログラミングの能力が上がるのか(こじつけ)のヒントになるかもしれないですね。

参考

「科学的管理法」https://bizhint.jp/keyword/5966,
「科学的管理法」https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=41
「ファヨールの管理過程論(マネジメント・サイクル)」http://yamauchi283.com/glossary/administration/functions-of-management/
「人間関係論」https://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E9%96%93%E9%96%A2%E4%BF%82%E8%AB%96-169225
「大辞林 第三版」https://kotobank.jp/dictionary/daijirin/
「ASCII.jpデジタル用語辞典」https://kotobank.jp/dictionary/ascii/45/
「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」https://kotobank.jp/dictionary/britannica/
「テキスト経営学[補強版]」井原久光,ミネルヴァ書房,2006年
「Wikipedia」https://ja.wikipedia.org/wiki/