【AWS】ストレージ特性とユースケース


最新情報のキャッチアップも兼ねてAWSのストレージサービスの特性、
ユースケースを整理してみました。

ストレージの種類

ストレージの種類は大きく以下の3つに分けられます。
・ブロックストレージ
・オブジェクトストレージ
・ファイルストレージ

それぞれの特徴と対応するAWSサービスは以下のとおりです。
正確にはそれぞれのサービス内で選択したなタイプによって若干異なる点もありますので
およその特徴として見てください。

- ブロック
ストレージ
オブジェクト
ストレージ
ファイル
ストレージ
対応するサービス EBS S3/S3 Glacier EFS/Amazon FSX
プロトコル - HTTPS NFS/CIFS
構造 ボリュームブロック フラット 階層
アクセス単位 ブロック オブジェクト ファイル
メタデータ 無し 豊富・カスタマイズ可能 固定・限定的
耐久性 AZ内に複製 3つ以上のAZに複製 複数AZに複製
ユースケース データベース
アプリデータ
オブジェクト ファイル共有

EBSの種類

それぞれのサービスをもう少し細かく見ていきます。
まずはEBS(Amazon Elastic Block Store)です。
大きくはSSDベース/HDDベースのもので分類され、さらに性能や耐久性の異なるいくつかの種類が提供されます。

■SSDベース
プロビジョンドIOPS SSDと呼ばれるハイパフォーマンスのio2とio1。
汎用SSDと呼ばれるgp3とgp2があります。

io2はio1の次世代にあたるもので細かな違いはあるのですが、費用はほぼ同じで
io1に比べて100倍の耐久性と10倍IOPSを提供します。

gp3はgp2の次世代版になりますが、こちらは単純に高性能になるものではありません。
基本的にはgp3はgp2よりコスト面では有利になります。
gp2が基本的にはボリュームサイズに比例してIOPSが増加しますが、
gp3は3,000IOPSのベースラインがあり、最大で16,000までさせることが可能です。
最大スループットもgp3はgp2の4倍まで拡張出来ます。
gp2では性能を上げるために不要にボリュームサイズを上げる必要があったのが
gp3で改善された形になります。

- io2 io1 gp3 gp2
耐久性 99.999% 99.8%~99.9% 99.8%~99.9% 99.8%~99.9%
最大IOPS
/ボリューム
64,000 64,000 16,000 16,000
最大スループット
/ボリューム MB/秒
1,000 1,000 1000 250
最大IOPS
/インスタンス
160,000 260,000 260,000 260,000
最大IOPS/GB 500 50
最大スループット
/インスタンスMB/秒
4,750 7,500 7,500 7,500

■HDDベース
こちらはシンプルで高性能だが高価なst1と安価なsc1があります。

- st1 sc1
耐久性 99.8%~99.9% 99.8%~99.9%
最大IOPS/ボリューム 500 250
最大スループット/ボリューム 500MB/秒 250 MB/秒
最大IOPS/インスタンス 260,000 260,000
最大スループット/インスタンス 7,500MB/秒 7,500MB/秒
料金/月 0.045 USD/GB 0.015 USD/GB

S3の種類

種類 特徴
S3 標準 ・一般的な用途
・データの取り出し料金は不要
S3
標準 – IA
・保存料金はS3標準より安価
・パフォーマンスもS3標準と同じだが取り出しに課金される
・アクセス頻度が低くパフォーマンスが必要なデータに利用
S3
1 ゾーン – IA
・1つのAZのみに保存するため耐久性は低いが低コスト
・データの取り出しに課金される
S3 Glacier ・低コストだが取り出しに時間がかかる(数分〜数時間)
・最低保存期間は90日
・データの取り出しに課金される
・データのアーカイブなどに利用
S3 Glacier
Deep Archive
・低コストだが取り出しに時間がかかる(12時間以内)
・S3 Glacierより低コストだが最低保存期間が180日
・データの取り出しに課金される
S3
Intelligent-Tiering
・頻繁、低頻度、アーカイブ、およびディープアーカイブの4つの階層に自動で階層移動する
・データの取り出し料金は不要

基本はS3標準をベースとして、以下のような選択指針になると思います。

パフォーマンスは必要だがアクセス頻度が低いものは「S3標準 – IA」。
同じ条件で可用性が低くても良いのであれば「S31 ゾーン – IA」

アーカイブ目的には取り出しにかかる許容時間に応じて「S3 Glacier」or「S3 GlacierDeep Archive」を選択。

データレイクのような特性のデータには「S3Intelligent-Tiering」

以上