【デザインの基礎を学ぶ①】良いサービス開発のために「誰のためのデザイン」を読む


はじめに

今回、自らのプロダクトを作るにあたって、ユーザーに最大限の価値を届けるデザインってなんだろう?ということで名著「誰のためのデザイン」を熟読することにしました。

もともと所属するコミュニティの朝活で発表するためにまとめたものですが、自らの思考の整理も兼ねてこちらにまとめていきたいと思います。

誰のためのデザインとは?

アメリカの認知科学者で人間中心設計を世の中に提唱したD.A.ノーマン氏が書いたデザインの原理を記した名著。

誰のためのデザイン

なぜこの本を選んだのか?

見た目を整えたり、人間心理を応用したデザインの方法論的な本はたくさんあるが、「そもそも人間とはどんな生き物か」という原理的な説明がわかりやすく書かれた本だと思ったからです。

第1章のポイント

ここから実際に本を読んで心に残った点を簡単にまとめていきます。

良いデザインの特徴は2つ

それは、発見可能性理解である。

つまり、どれだけ見た目が美しく機能に優れたものであっても、そのものが持つ本来の目的に対して人がその用途を発見して理解できなければ何の意味もないということです。

著書ではこれを装飾の美しい開け方がわからないドアで説明しています。

誰もが間違えるという前提のもとデザインせよ

ものがどう動くか、どう制御されるか、さらには人とテクノロジーがどういう関係を持つかに着目することが重要。「きっとこう使ってくれるはず」という思い込みで作ったデザインは失敗する。

ユーザーを観察せよ

人間中心設計はプロダクトやサービスが満足させようとする人々とそのニーズに対する理解からスタートする。この理解は観察することで得られる。

アフォーダンスとシグニファイヤ

この本では、アフォーダンス、シグニファイヤ、制約、対応づけ、フィードバックの5つのキーワードと概念モデルという重要ワードが頻出する。

この章ではアフォーダンスとシグニファイヤに注目している。

アフォーダンス
そのモノやサービスの属性とそれをどのように使うことができるかを決定する主体の能力。アフォーダンスは不変のものではなく可変する(詳細は下記例で)。

シグニファイヤ
アフォーダンス(そのモノやサービスがもつ能力)を示す特性のこと。

脳で考えなくて良い設計をせよ

「わかりやすい」ではなく五感を通して直感的にわかるのが良い設計。

たとえ内部が複雑で理解不能な作りでもユーザーが一発で理解できるなら良い。ユーザーが容易にアウトプットを起こせるかどうかが体験設計では重要。

フィードバックに気を配る

フィードバックがないと人は不安になる。適切なタイミングと0.1秒でも遅れると人は違和感を感じる。

概念モデルを意識した設計をする

メンタルモデルに近い。ある人がパッと見たときに持つイメージのこと。人は良い概念モデルがあると自分の行為の結果を予測できる。馴染みのレイアウト、ゲームの最初で操作方法を反復練習させられる、など。

ユーザーとデザイナーの概念モデルは大概ずれている

デザイナーの概念モデルで作られたイメージはユーザーのそれとずれていることが多い。だからユーザーに触ってもらって率直なフィードバックを得るほうがよい。

良いデザインに必要なのはマネジメントスキル

サービスやプロダクトデザインとは、様々な要素が掛け合わさってできる。良いデザインを実現するには関係者全体で方針をあわせることが重要。

他人のものの見方を理解すること、自分の専門的な考えをときに捨て去ること、ユーザー視点から設計することを全体に理解させることなくして良いものは作れない。