初めてGrace Periodを導入する日に読む話


はじめに🔥

Grace Periodを導入するうえで色々と行き詰まる部分があったので備忘録としてまとめたいと思います。
これからGrace Periodを導入される方のお役に立てればと!

Grace Periodとは🔥

Grace Periodとは、サブスクリプション購読者に請求に関する問題(クレジットカードの有効期限切れなど)が発生した場合に、その時点では解約とせず、請求に関する問題を解消するための猶予期間を設ける仕組み、もしくは猶予期間そのものを指します。

これによりサブスクリプション購読者の非自発的解約を防ぐことができます。

※ちなみに、Grace Periodの設定をONにしていなくても即解約とはならず、有料サービスは利用できませんが、Appleは60日間、毎日請求を試みます。

猶予期間の日数🔥

猶予期間はサブスクリプションの登録期間が週単位の場合は6日、月単位以上の場合は16日が適用されます。猶予期間の設定はApp Store Connectから可能です。

有料サービス提供の義務🔥

猶予期間中は、請求に関する問題が生じた人もこれまでと同様に有料サービスにアクセスすることができます。正確には、デベロッパーは猶予期間中は有料サービスを提供することがAppleから求められています。つまり単純にGrace Periodの設定をONにすればいいわけでなく、アプリやサーバーサイドの開発も必要になります。

猶予期間中に請求に関する問題を解消した場合🔥

これだけでは無料で有料サービスを提供しているように思えるかもしれません。

大丈夫です!そんなことはありません!

もし請求に関する問題が生じた人が猶予期間中に問題を解消した場合、Appleによって請求に関する問題が生じた日まで遡って請求されます
つまり有料サービスの継続日数や収益の中断がなかったことになります。

これは収益の観点でもデベロッパーにとっては恩恵があります。
サブスクリプション購読者の有料サービスの継続日数が1年未満の場合は料金の30%、1年以上経過している場合は料金の15%がAppleに摂取されます。
つまり有料サービスの日数が中断されないほうが収益に繋がるのです。

猶予期間中に請求に関する問題を解消しなかった場合🔥

Grace Periodの設定をONにしていなくてもAppleは請求に関する問題が生じた日から60日間、毎日請求を試みます。
Grace Periodの設定をONにすると、この60日間の最初の6日間もしくは16日間は猶予期間としてデベロッパーが有料サービスの提供を続けます。

なので、猶予期間中に請求に関する問題を解消しなかった場合は有料サービスが利用できなくなります。また、有料サービスの継続日数も請求に関する問題が生じた日で中断され、請求に関する問題を解消したタイミングで再開となります。

そして、請求に関する問題が生じた日から60日が過ぎても問題が解消されなかった場合は、サブスクリプション自体が自動解約となります
再度サービスを利用したい場合は新規でサブスクリプションを登録する必要があります。

Grace Periodを導入するメリット🔥

上記の説明を踏まえて導入のメリットをおさらいしましょう。

  • サブスクリプション購読者の非自発的解約を防ぐことができる
  • 有料サービスの継続日数や収益の中断を防ぐことができる

参考資料🔥