UbuntuにApache Directory Studioをセットアップする手順

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この記事では、Ubuntu 20.04 DesktopにApache Directory Studioをセットアップする手順を紹介します。

はじめに

LDAP(Lightweight Directory Access Protocol) はディレクトリサービスに接続するための通信プロトコルです。LDAPサーバの実装としては、例えば次のようなプロダクトがあります。

  • 389 Directory Server
  • Active Directory
  • ApacheDS

LDAPサーバを利用すると複数サービスの認証を一元化できるようになるので、とても便利です。

Apache Directory Studio

Apache Directory Studio はLDAPサーバのGUIクライアントです。これを使うと、ディレクトリサービスの登録内容を視覚的に確認したり編集したりできます。

Apache Directory Studioの画面
https://directory.apache.org/studio/screenshots.html より

それでは次からセットアップしてみます。

ダウンロード

はじめに Downloads for Linux からApache Directory Studioをダウンロードします。

これはページを開いてダウンロードリンクをクリックするだけです。

展開と動作確認

ダウンロードしたファイルを展開して動作確認します。コマンドとしては次のような感じです。

tar xzvf ApacheDirectoryStudio-2.0.0.v20210717-M17-linux.gtk.x86_64.tar.gz
cd ApacheDirectoryStudio/
./ApacheDirectoryStudio

このとき次のようなメッセージが表示されて起動できないことがあります。この場合はJREかJDKをインストールすればOKです。

JREもJDKも入っていないので起動できない

私は次のようにしてOpenJDK 17をインストールしました。

sudo apt install openjdk-17-jdk

JDKをインストールした後は問題なく起動します。

Apache Directory Studioを起動した様子
Apache Directory Studioを起動した様子

動作確認できたので、いったん終了しておきます。

配置とシンボリックリンクの作成

ところでアプリケーションを ~/Downloads に置きっぱなしでは使いにくいです。

このような場合、私は次のような感じでアプリケーションのディレクトリを ~/.local へ配置してから ~/.local/bin にシンボリックリンクを作り、Ubuntuを再起動します。[1]

mv ApacheDirectoryStudio ~/.local/
mkdir -p ~/.local/bin
cd ~/.local/bin/
ln -s ../ApacheDirectoryStudio/ApacheDirectoryStudio ads

これで ads コマンドでApache Directory Studioが起動できるようになりました。

LDAPサーバとの接続確認

セットアップできたので、続けてLDAPサーバとの接続確認もしておきます。

Apache Directory Studioを起動してメニュー【LDAP】から【New Connection...】を選ぶとウインドウが表示されるので、適当に入力して進めます。

ネットワークパラメータ
ネットワークパラメータ

認証
認証

最後に【Check Authentication】で認証に成功することを確認してから【Finish】すると良いと思います。

認証成功!
認証成功!

おわりに

Ubuntu 20.04 DesktopにApache Directory Studioをセットアップする手順を紹介しました。どなたかのお役に立てば幸いです。

脚注
  1. 再起動せずに source ~/.profile を実行する方法でも大丈夫だと思います。 ↩︎