都道府県別の物価の違い(2019年)
同じ日本国内でも、地域によって物価が違うらしいです。可視化してみましょう。
統計データ
今回利用する統計データは下記です。
リンク先のページを辿ると、CSV形式でも統計データをダウンロードできます。e-Statは年々使いやすさが向上している印象があって良いですね。
10大費目別消費者物価地域差指数
10大費目というのは、1.食料、2.住居、3.光熱・水道、4.家具・家事用品、5.被服及び履物、6.保険医療、7.交通・通信、8.教育、9.教養娯楽、10.諸雑費の分類のことだそうです。また、それらの費目を足し合わせた「総合」と「家賃を除く総合」の項目があります。集計品目の一覧はここから確認できます。
データ準備
e-Statの統計表・グラフ表示のページからデータをダウンロードできます。その後、Excel等でデータ整形し、下記のようにCSV形式でエクスポートします。
都道府県,総合,食料,住居,光熱水道,家具家事用品,被服及び履物,保健医療,交通通信,教育,教養娯楽,諸雑費,家賃を除く総合
北海道,99.9,100.1,84.1,116.4,98.2,104.6,100.4,100.1,93.5,97.6,99.2,100.9
青森県,98.4,98,86,109.1,97.7,102.3,99.1,100.5,93.5,95.2,98.1,99.3
岩手県,99.1,97.4,93.1,110.1,101.1,97.4,100.1,99.2,90,100.5,98.6,99.4
宮城県,99.3,97.9,101.8,101.9,104.9,95.9,100.9,98,102.3,99.5,99.8,99.4
秋田県,98.4,97.6,86.2,107.8,101.7,100.2,99.2,98.6,88.9,98.6,100.4,98.9
山形県,100.2,101.4,90.7,111.4,94.6,98.4,97,99.9,104.7,98.5,97.6,100.7
福島県,99.6,99.5,96,108.8,102.3,104.2,99.7,98.5,91.8,94.8,101.4,100.1
茨城県,98.1,99,97.6,102.9,96.1,99.4,98.3,96.8,89.8,96.3,100.9,98.4
栃木県,98.2,98.6,85.7,98.7,101.6,112.5,100.1,97.7,99.8,96.1,99.5,98.7
群馬県,96.6,98.9,85.2,91.5,97.4,103.1,100.8,97.9,85.4,96.7,98.2,97.2
埼玉県,101,100.5,104.8,94.4,102.7,103.8,100.6,100.8,98.8,104.3,101.3,100.4
千葉県,100.7,101.2,104,101.8,100.9,96.1,100,99,97.8,102.7,99.6,100.6
東京都,104.7,103.4,132.3,95.5,103.8,100.1,101.5,104.8,106.7,104.1,100.2,103
神奈川県,104,101.7,125.1,98.4,100.2,102.1,101.5,103.2,111.9,105.2,102.6,103.2
新潟県,98.7,100,91.6,99.1,97.1,101,99.5,98.3,93.8,99.1,100.5,98.8
富山県,98.6,101.5,89.3,100.4,98.5,103.1,101.9,97.7,87.4,95.1,101.4,99.1
石川県,100.2,103.6,86.3,101.8,100.4,103.2,100.6,98.6,103.5,97.4,100.8,100.7
福井県,99.3,103.8,85.4,94.5,102.3,101,100.4,99,106.9,94,101.3,99.8
山梨県,98.7,100.6,93,96.4,99.3,102.4,99.3,99.1,89.9,98.3,99.1,99.2
長野県,97.7,95.2,90.4,102,101.3,104.4,98.2,100.1,88,98.5,101.5,98.2
岐阜県,97.3,98.1,85.2,93.7,94,104.2,99.3,100.2,92.5,98.2,100.2,97.9
静岡県,98.5,98.9,99.9,98,100.1,98.8,99.8,99,86,99.3,98.1,98.7
愛知県,97.6,97.2,95.2,95.9,96.6,95.5,99.9,97.7,98.2,99.8,99.1,97.7
三重県,98.7,100.6,92.9,99,98.5,98.5,99.2,99,99.8,95.5,99.6,99.3
滋賀県,99.5,99.8,89.5,99,98.4,103.1,100.6,100.4,109.1,97.4,102.3,100
京都府,100.6,100.8,94.5,97.7,100.9,98.9,97.9,102.5,115.6,100.5,100.5,100.8
大阪府,99.7,99.9,97.1,94.7,99.9,96.4,99,100.6,109.2,102.5,97.7,99.7
兵庫県,100.3,99.5,99.4,96.4,101.9,104,98.4,100.7,105.5,100.4,102.4,100.3
奈良県,97.5,96.7,87.1,98.4,99.3,100.1,99.1,99.7,94.2,99.1,100.1,97.8
和歌山県,99.2,100.7,90.3,98.4,95.9,102.2,101.4,100.1,108.6,95.4,99.9,99.9
鳥取県,98.6,101.7,81.7,106.2,100.8,106.9,99.4,97.1,91.3,93.9,98.8,99.2
島根県,99.5,101.5,87,111,98.4,95.1,99.8,99.6,96.6,96.9,99.7,100
岡山県,97.6,98.7,87.1,106.2,99.6,99.6,100.6,96.5,84.4,96.7,99.9,98.1
広島県,99,100.4,90.4,105.7,96.6,96.5,99.8,99.4,99.6,95.6,100.4,99.3
山口県,98.7,100.8,87.9,108.5,96,102.8,101.6,97.4,86.5,95.7,100.4,99.5
徳島県,100.1,100.9,96.5,104.5,103,110,98.2,97.6,96.1,97.5,100.5,100.6
香川県,98.3,99.5,85.5,105.5,101.9,92.4,99.5,99.8,93.4,94.9,103.5,99.2
愛媛県,97.9,99.5,82.4,106.8,100.8,98.4,99.5,97.6,94.1,97.7,97.6,98.7
高知県,99.8,102.4,93.6,103.6,99.5,100.4,100.7,98.9,92.4,96.6,101.1,100.5
福岡県,96.8,95.8,84.6,104.2,98.7,94,98.8,98.8,96.2,97.6,100.7,97.7
佐賀県,97.5,98.1,83.6,109.2,97.4,104.6,100.2,98.6,94.5,92.6,98.1,98.5
長崎県,99.8,98.9,93.4,109.5,103.6,108.5,100,100.1,90.5,96.3,99.9,99.9
熊本県,98.8,100.5,89.7,101.2,97.3,100.9,101.4,99.5,93.2,96.1,100.3,99.6
大分県,97.7,98.8,84.8,103.7,99.3,94.7,96.9,98.4,105.4,96,98.1,98.8
宮崎県,96,96.5,85.1,100.5,102.1,94.7,99,98.4,90.7,91.9,97.3,97
鹿児島県,96.3,98.9,85.2,99.3,97.5,90.6,99.3,99.4,92.9,91.8,94.4,97
沖縄県,98.4,103.2,85.6,103.8,96.1,98.9,98.5,97.8,93.4,97.9,94.8,99.8
環境準備
可視化のため環境を準備します。
Jupyter Notebookの起動
今回は、Jupyter Notebookで可視化します。Windows環境では、下記コマンドでJupyter Notebookのインストールと起動ができます(公式ドキュメント)。
> pip install jupyter # Jupyterのインストール
> python -m notebook # Jupyter Notebookの起動
起動したら、Webブラウザでhttp://localhost:8888
にアクセスすると、Jupyter Notebook環境を利用できます。
スクリプト
今回はjapanmapのライブラリを利用して、都道府県別に色分け表示します。下記スクリプトは「総合」列のデータについて可視化する例です。
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
from japanmap import picture
df = pd.read_csv('price_index_by_prefecture_2019.csv') # データファイル読込
df = df.set_index('都道府県') # indexを指定
cmap = plt.get_cmap('Reds') # 色の設定
norm = plt.Normalize(vmin=df.総合.min(), vmax=df.総合.max()) # 色の範囲を設定
fcol = lambda x: '#' + bytes(cmap(norm(x), bytes=True)[:3]).hex() # カラーコードを設定
plt.title('2019年10大費目別消費者物価地域差指数(全国平均=100) - 総合',fontname="Yu Gothic") # タイトル
plt.rcParams['figure.figsize'] = 12, 12 # 図の大きさ
plt.colorbar(plt.cm.ScalarMappable(norm, cmap)) # カラースケール表示
plt.imshow(picture(df.総合.apply(fcol))); # グラフ表示
plt.savefig('pricemap2019_general.png') # 画像ファイルに書き出し
可視化結果
各項目についての可視化結果です。
総合
総合では、東京都と神奈川県の物価が全国平均よりも4-5%ほど高いようです。ただ、都会の物価が高いのかというと必ずしもそうでもなく、例えば大阪府の物価は99.7
と全国平均以下で、むしろ近隣の京都府100.6
や兵庫県100.3
の物価の方が高いようです。
家賃を除く総合
家賃を除いても、東京都と神奈川県の物価がランキング1位と2位を占めるのは変わりませんでした。ただ、家賃を除かない総合指数よりもスケールの差はやや縮小しています。
1.食料
食料価格が最も安いのは長野県95.2
、次いで福岡県95.8
でした。最も高いのは順に福井県の103.8
、石川県103.6
、東京都103.4
、沖縄県103.2
で、北陸や東京、沖縄の食料品価格が高いようです。
2.住居
住居価格は、東京都で132.3
、神奈川県で125.1
と他県と圧倒的な差をつけて高い値でした。住居価格が最も安いのは鳥取県81.7
、次点で愛媛県82.4
でした。福岡県も84.6
と安いので、都会だからといって必ずしも住居価格が高いわけではなさそうです。
3.家具・家事用品
家具・家事用品の指数は94-104の範囲に収まっているので、全国でそれほど大きな差はなさそうです。宮城県が104.9
と最も高く、岐阜県が94.0
と最も安い値でした。
4.交通・通信
交通・通信価格の指数は96-105の範囲に収まっているので、地域差はそれほど大きくはなさそうです。最も高いのは東京都で104.8
,次に高いのは神奈川県で103.2
でした。最も安いのは岡山県で96.5
でした。
5.光熱・水道
光熱・水道価格の指数が最も高いのが北海道の116.4
で、東北地方や中国・四国地方で高い傾向が伺えます。水道光熱費は住居費とは反対に、人口が少ないほど一人当たりの負担が高くなると言われていて、その傾向が出ているように思います。
6.被服及び履物
被服価格の差はそこそこ大きいように思えますが、なぜこのような地域差が出ているのかは不明です。最も被服価格が高いのは栃木県112.5
で、最も安いのは鹿児島県90.6
でした。
7.保険医療
保険医療価格の指数は96-102の範囲内に収まっているので、地域差はあまりなさそうです。
8.教育
教育価格は京都府が115.6
とトップでした。全体的に、近畿地方が高そうに見えます。
9.教養娯楽
教育娯楽の価格は神奈川県の105.2
がトップでした。東京都近辺や大阪府近辺で高くなっているように見えます。
10.諸雑費
諸雑費の価格の指数は94-104の範囲に収まっているので、地域差はそれほど大きくなさそうです。
ランキング一覧
10大費目それぞれのランキングです。
順位 | 総合 | 食料 | 住居 | 光熱・水道 | 家具・家事用品 | 被服及び履物 | 保険医療 | 交通・通信 | 教育 | 教養娯楽 | 諸雑費 | 家賃を除く総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 東京都(104.7) | 福井県(103.8) | 東京都(132.3) | 北海道(116.4) | 宮城県(104.9) | 栃木県(112.5) | 富山県(101.9) | 東京都(104.8) | 京都府(115.6) | 神奈川県(105.2) | 香川県(103.5) | 東京都(103.2) |
2 | 神奈川県(104.0) | 石川県(103.6) | 神奈川県(125.1) | 山形県(111.4) | 東京都(103.8) | 徳島県(110.0) | 山口県(101.6) | 神奈川県(103.2) | 神奈川県(111.9) | 埼玉県(104.3) | 神奈川県(102.6) | 神奈川県(103.0) |
3 | 埼玉県(101.0) | 東京都(103.4) | 埼玉県(104.8) | 島根県(111.0) | 長崎県(103.6) | 長崎県(108.5) | 神奈川県(101.5) | 京都府(102.5) | 大阪府(109.2) | 東京都(104.1) | 兵庫県(102.4) | 北海道(100.9) |
45 | 群馬県(96.6) | 宮崎県(96.5) | 佐賀県(83.6) | 埼玉県(94.4) | 和歌山県(95.9) | 福岡県(94.0) | 京都府(97.9) | 鳥取県(97.1) | 静岡県(86.0) | 佐賀県(92.6) | 宮崎県(97.3) | 群馬県(97.2) |
46 | 鹿児島県(96.3) | 福岡県(95.8) | 愛媛県(82.4) | 岐阜県(93.7) | 山形県(94.6) | 香川県(92.4) | 山形県(97.0) | 茨城県(96.8) | 群馬県(85.4) | 宮崎県(91.9) | 沖縄県(94.8) | 鹿児島県(97.0) |
47 | 宮崎県(96.0) | 長野県(95.2) | 鳥取県(81.7) | 群馬県(91.5) | 岐阜県(94.0) | 鹿児島県(90.6) | 大分県(96.9) | 岡山県(96.5) | 岡山県(84.4) | 鹿児島県(91.8) | 鹿児島県(97.3) | 宮崎県(97.0) |
最後に
東京都・神奈川県以外の都市圏(大阪府、愛知県、福岡県、宮城県など)はそれほど物価が高くないようですので、住むなら狙い目かも。
参考サイト
参考にさせていただきました。
Author And Source
この問題について(都道府県別の物価の違い(2019年)), 我々は、より多くの情報をここで見つけました https://qiita.com/RyoOkaya/items/18225114e6adca4da0e7著者帰属:元の著者の情報は、元のURLに含まれています。著作権は原作者に属する。
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