Juliaで3Dのgifアニメを作りたい!


Juliaで3Dのgifアニメを作るために格闘したのでメモ。
使用しているJuliaはv1.5.1で、エディタはAtomを使っています(筆者はWindowsユーザーです)。

・3Dのgifアニメを作りたい!

Juliaで出力された3D画像について色々と調べていると次のページに巡り合いました。

"Depth" - cormullion’s blog
https://cormullion.github.io/pages/2020-09-22-depth/index.html

このページの一番下には以下のようなgifムービーが掲載されていました。これは冥王星の5つの衛星の周回軌道を、カロン(Charon)が公転する分だけ3Dプロットした動画です。

なかなか綺麗なので自分の環境でも出力してみようと思い立ち、色々やってみました。

・準備

これを動かすには「Thebes」と「Luxor」という2つのパッケージが必要です。

パッケージのインストールは、JuliaのREPLを起動してパッケージモードで add Thebes などとすれば可能です。もしくは、コードの冒頭に import Pkg; Pkg.add("Thebes") などと書いておけばインストールできます(※一度インストールすればそれ以降は書かなくてOKです)。

「PyPlot」が無くても出力されるかどうかについては、試していないので分かりませんが、併せてインストールしておくのが良いと思います。

また、Juliaとは別に「FFmpeg」というフリーソフトウェアが必要です。これは動画・音声を記録・変換・再生するためのソフトウェアで、以下のページからzipファイルがダウンロード可能です。

FFmpeg Windows Builds(Windows環境の場合)
https://www.gyan.dev/ffmpeg/builds/ffmpeg-git-full.zip を選びます。

MacやLinuxをお使いの方は Download FFmpeg のページから適するものをダウンロードして下さい。

ダウンロードしたら展開し、C:\Program Files の下などに FFmpeg などと名前を変更しつつ移動します。その後、ユーザー環境変数のPathの中に C:\Program Files\FFmpeg\bin とパスを通してください。これでプログラムがFFmpegを使えるようになります。

この辺りの操作は「Plots.jlで動画出力するにはffmpegまたはimagemagickが必要」の記事などを参考にさせて頂きました。

・出力してみた

元コードをそのまま実行してもgifがうまく出力されないので、コードの最初の行に

using Thebes, Luxor

を付け加え、最後の pathname の部分を

pathname  = "C:/Users/user/AppData/Local/Temp/plutonian.gif"

などと書き替えます(場所は適当。user の部分は適宜書き換える)。これにより C:/Users/user/AppData/Local/Temp/ の中に plutonian.gif が作成されます。他人様のコードを丸ごと載せる訳にはいかないので、コード全体については元ページのソースコードを適宜参照して下さい。

実際に自分で作成したgifも載せておきます。オリジナルとは少し配色を変えてみました。

・他にも出力してみた

いかにもJuliaのロゴマークっぽい配色です。

コードは先ほどの cormullion’s blog のページを参考にアレンジしました。

・Pyplotパッケージを使う場合

Pyplotパッケージを使うとPythonのmatplotlibが呼び出せます。これによりmatplotlibを用いた3Dグラフが出力可能になります。Pythonと同じ書き方ができるので非常にラクです。(ただし、使う場合はPyCall、PyPlot、matplotlib本体をインストールしておいて下さい)


いずれも乱数により生成した点列をプロットしたものです。コードはこちらのページを参考にアレンジしました。

・あとがき

・・・という訳で、表題の通りJuliaで3Dのgifアニメを色々と作ってみました。
特にPythonユーザーからしてみると、using PyCall, PyPlot とすればPythonと同じ書き方ができるのは嬉しいですね。Plotsパッケージを使った2Dのgif画像については「JuliaでグラフのGIFアニメを作ってみた」や「Julia言語と Plots + GR で複素関数のgifアニメーションを作る」などのページに色々な例が紹介されているので、参考にしてみて下さい。

その他のJuliaの基本的な部分については「Julia初心者がJuliaをさわってみた」などのページを参考にしてみて下さい。