Twilio Programmable Wireless を使ってみた。
Twilio Programmable Wireless とは
2018年のTwilio SIGNALで発表されたTwilio Programmable Wirelessは、いわゆるSIMのサービスになります。IoT向けでもあるのですが、SIMフリーのスマートフォンにいれて使うことも可能です。
発表当時の動画はこちらこちら
サービスの特徴について
- いわゆる「縛り」である、最低利用期間は存在しません。
- Twilio アカウントがあれば、誰でも使えます。
- データ通信、音声通話(米国)、SMS(米国)の利用が可能です。
- T-Mobileのネットワークを利用しており、米国内だけでなく世界各国のネットワークを用いたローミング利用できます。
Twilio Programmable Wirelessを使ってみる
以下に使うための流れを記載します。
Twilio Programmable Wirelessの入手する
使用するためには、SIMを発注する必要があります。SIMカードはTwilioのコンソールページから注文することができます。今回はSIMが3枚入っているStarterKitを購入します。
※今回はスマートフォンに入れて利用することが目的であるので、「Narrowband SIM Starter Pack」ではなく、「SIM Starter Pack」を購入しました。
発注後、数日には、国際便で手元に届きました。中を開けると、こんなかんじでした。箱の中身は、3枚のSIMとブランドブック的な本。Twilio大好きな私としては、このブランドブックは非常に嬉しいですね。
Twilio Programmable Wirelessを設定する
届いたSIMカードは自身のTwilioアカウントでアクティベートをします。
アクティベートするためには、まず料金プラン(RatePlan)を作成する必要があります。
料金プラン(RatePlan)を作成する
左メニューからProgrammableWirelessを選択し、そこから料金プラン(RatePlan)を選択します。
このRatePlanでは、
- SIMが利用する用途(2G/3G/LTEなのか、NARROWBANDなのか)
- SIMが利用するサービス(データ、音声、SMS)
- 米国内ローミングと国際ローミングを利用するか
- Quotaの設定
- データ上限の設定 が設定できます。 今回、私はスマートフォンにSIMカードを挿入して使う予定なので、以下の設定としました。
項目 | 設定値 |
---|---|
1. What type of SIM are you making a Rate Plan for? | 2G/3G/LTE |
2. Which services would you like to enable? | Dataのみにチェック※ |
3. Set roaming preferences | INTERNATIONAL ROAMINGをENABLED※ |
4. Set Data Metering plan | $10 QUOTA※ |
5. Set Data Limits | INTERNATIONAL ROAMING DATA LIMIT 250MB /Month |
※利用するサービスについては、VoiceとMessagingは基本的に米国 onlyなので、Dataだけにしました。
※このSIMは米国のSIMなので、日本で使う場合は国際ローミングとなる。
※ウィザードも用意してありますし、詳しくは料金を参照するとよいです。
SIMカードを登録する
左メニューからProgrammableWirelessを選択し、そこからSiMを選択します。左上のプラスマークをクリックし、「Register a SIM」を選択します。以下のような画面がでてきますので、SIMカードに記載されている10桁のREGISTRATION CODEを入力します。
その他、SIMのユニーク名や先程作成したデータプランを選択します。
「Register SIM Cord」をクリックすると、数分でアクティベートが完了します。
スマートフォンにSIMを挿入。
今回はiPhoneを利用しました。SIMを挿入します。
設定→モバイル通信を選択します。
項目 | 設定値 |
---|---|
モバイルデータ通信 | ON |
通信のオプション | ローミングオン |
モバイルデータ通信ネットワーク | APNを「wireless.twilio.com」 |
通信できるようになると、NTT DocomoかSoftbankのローミングとなります。ただし、日本では、データ通信のみとなります。
例えば、SIPレジストを使って、Twilio環境だけでSIPソフトフォンを使ってみたを使えば、実質電話もできるような状態となります。
ちなみに、このSIPレジストは、データ通信ができていれば、どこでも利用できるので、海外に行ったときも利用可能です。私が1週間米国に滞在したときは、ケータイ電話にかかってきた電話はSIPレジストしたTwilio番号に転送するようにしていました。いわゆるキャリアの国際ローミングよりも非常に安価です。
Twilio Programmable Wirelessを米国に持っていってみた。
さて、このTwilio Programmable Wirelessは、日本で使うときは国際ローミングをONにする必要がありました。これはSIMが米国のものだからです。(日本で使うのにローミングONというのは、ちょっとややこしいのですが)
このSIM、米国に持ち込んで使えるかどうか、確認してきました。
2019/12/02〜06に開催された、AWS re:Inventへ、Twilio Programmable Wireless SIMを導入したスマートフォンを持っていきました。
作業としては、料金プランの変更と、Voice・Messagingの設定追加が必要となります。
料金プランを作成する
日本では、VoiceやSMSは対応しないプランとしましたが、米国ではそれも利用可能となるため、別途米国用のプランを作成しました。
項目 | 設定値 |
---|---|
1. What type of SIM are you making a Rate Plan for? | 2G/3G/LTE |
2. Which services would you like to enable? | Data、Voice、Messagingにチェック |
3. Set roaming preferences | 両方ともDISABLED※ |
4. Set Data Metering plan | $10 QUOTA |
5. Set Data Limits | INTERNATIONAL ROAMING DATA LIMIT 250MB /Month |
※米国なのでroamingはOFFとする。
音声発信の設定
SIMから音声が発信できるように設定をします。
左メニューからProgrammable Wireless→SIMを選択し、Programmable Voice & SMSタブを開きます。Programmable Voice欄のプラスマークをクリックし、TwiML Binを作成します。
内容は以下のとおりです。※デフォルトでこの内容が入っています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Response>
<Dial callerId="自分のTwilio番号を記載する">
<Number>{{To}}</Number>
</Dial>
</Response>
メッセージ送信の設定
上記の音声発信設定画面の下部にProgrammable SMS があります。
プラスマークをクリックし、TwiML Bin作成します。
内容は以下のとおりです。※デフォルトでこの内容が入っています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Response>
<Message from="自分のTwilio番号を記載する" to="{{To}}">{{Body}}</Message>
</Response>
音声着信の設定
Programmable Voiceの着信設定で、SIMに転送する設定を行います。
まずTwiML Binsで以下の内容を作成します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Response>
<Dial>
<Sim>自分のSIMのSIDを記載する</Sim>
</Dial>
</Response>
これを、該当の電話番号のA CALL COMES INに設定しておきます。
メッセージ受信の設定
まずTwiML Binsで以下の内容を作成します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Response>
<Message to="sim:自分のSIMのSIDを記載する" from="{{From}}">
{{Body}}
</Message>
</Response>
これを、該当の電話番号のA MESSAGE COMES INに設定しておきます。
iPhone側の設定
国際ローミングではなくなるので、ローミングをOFFにします。以下のような感じになります。
ネットワーク選択や画面左上のキャリア表示が、「Twilio」になるのが感慨深いですね。
検証してみた。
米国番号で電話をかけたり、受けたりすることができるか、実験しました。
米国TwilioSIM → 日本Twilio番号 (動画)
日本Twilio番号 → 米国TwilioSIM (動画)
SMSの受信も確認できました。※Uberを登録する際のSMS認証で確認しました。
これにより、米国の番号が必要なサービス(例えばUberやlyftなど)への登録や、現地でなにか電話が必要な場合でも、気軽に使うことができます。Twilio Programmable Wireless SIMを持っておくと安心ですね。
おまけ
AWS re:InventにてTwilio社がEXPOブースに出店されていたので、訪問してきました。
いきなり拙い英語で話しかけてきた日本人に、優しくご対応いただき、感謝しています。
来年のTwilio SIGNALは参加しますよ!
Author And Source
この問題について(Twilio Programmable Wireless を使ってみた。), 我々は、より多くの情報をここで見つけました https://qiita.com/takeshifurusato/items/4bd973d4ee7deae370f9著者帰属:元の著者の情報は、元のURLに含まれています。著作権は原作者に属する。
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