Nimで再入可能ロックを提供する rlocks


はじめに

こんにちは。高校3年の樅山です。
今回は、Nimで再入可能ロックを提供する標準ライブラリ、rlocksを解説します。

この記事は、Nim Advent Calendar 2020 その2 の16日目です。

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rlocks

rlocksは、再入可能なロックを提供するNimの標準ライブラリです。
ロックについては、前回の『Nimでロックと条件変数を提供する locks』を参照してください。

再入可能ロックとは

そもそも再入可能であるとは、複数の呼び出し元から同時に呼び出されてもデッドロックやデータ競合などの問題が発生しないという性質のことです。
再入可能である場合、スレッドセーフであると言えます。

再入可能ロックとは、複数のスレッドから取得・解放が行われてもそれらを処理できるロックです。

再入可能ロックを用いることで、以下のようなケースに対応できます。

  • 割り込みを実装したいとき
  • ロック待機時間が最も長い呼び出し元に取得を認めるような公平なロックを実装したいとき

再入可能ロックを初期化する

initRLockプロシージャを用います。

initRLock
proc initRLock(lock: var RLock) {.inline, raises: [], tags: [].}

再入可能ロックを取得する

acquireプロシージャを用います。

acquire
proc acquire(lock: var RLock) {.raises: [], tags: [].}

再入可能ロックを解放する

releaseプロシージャを用います。

release
proc release(lock: var RLock) {.raises: [], tags: [].}

再入可能ロックを取得・解放する

withRLockテンプレート内のプログラムが実行される前に取得され、実行後に開放されます。

withRLock
template withRLock(lock: var RLock; code: untyped): untyped

参考文献