GCE環境上のWordPressの丸ごとお引越し手順


TL;DR

  • Google Compute Engine(GCE)上で構築済みのWordPressサイトを別GCE環境に引越し(コピー)する
  • テーマ・記事・写真・プラグインなど、全ての設定・コンテンツをコピーする
  • 無料で引越しできる容量には上限がある(100 MB)
  • 手元の作業環境はMac(macOS Big Sur)
  • FTPクライアントソフトにCyberduckを利用する

余談

GCEでのWordPressサイトの構築にはGoogle Cloud Platformの「WordPress click to deploy」が簡単でおすすめ!

大まかな手順

  1. 既存WordPressサイトにプラグイン「All-in-One WP Migration」をインストール
  2. サイトデータをエクスポート
  3. GCE環境にFTP接続するための認証鍵を生成
  4. GCEインスタンスに認証鍵を登録
  5. GCE環境にFTP接続して2.でエクスポートしたデータを取得する
  6. 引越し先WordPressサイトにデータをインポート

詳細手順

1. 既存WordPressサイトにプラグイン「All-in-One WP Migration」をインストール

  • 管理画面 → プラグイン → 新規追加 → 「All-in-One WP Migration」で検索
  • 今すぐインストール → 有効化

2. サイトデータをエクスポート

  • 左メニューのAll-in-One WP Migration → エクスポート
  • エクスポート先でファイルを選択
  • この時点では何も起こらない(もしくはダウンロードに失敗する)

3. GCE環境にFTP接続するための認証鍵を生成

  • ターミナルで以下を実行して認証鍵を生成
  • 鍵の名前(KEY_NAME)およびユーザーネーム(USER_NAME、FTP接続時に使用)は適宜変更すること
  • パスフレーズを聞かれるがブランクのままエンターを押して良い
ssh-keygen -t rsa -f ~/.ssh/KEY_NAME -C USER_NAME

4. GCEインスタンスに認証鍵を登録

  • Google Cloud Platform → Compute Engine → メタデータ → SSH認証鍵 →(編集)→ 項目を追加
  • 以下のコマンドをターミナルで実行して認証鍵情報をコピー
cat ~/.ssh/KEY_NAME.pub | pbcopy # 3.で指定した認証鍵名の最後に.pubをつける
  • コピーした認証鍵情報をペーストして保存

5. GCE環境にFTP接続して2.でエクスポートしたデータを取得する

  • FTPクライアントソフト「Cyberduck」をインストール
  • 「+」マークで新規接続先を追加し、以下の項目を入力する
    • 最上部の接続方式:「SFTP(SSHによる暗号化FTP)」を選択
    • ニックネーム:任意の識別しやすい名前
    • サーバー:接続先サーバーのIPアドレス
    • ユーザー名:3. で決めたユーザー名(USER_NAME)
    • SSH Private Key:3. で作成した認証鍵のパス(.pubなし)

  • 上記画面を閉じ、作成した接続先をダブルクリックしてFTP接続
  • 「そのホストは現在システムに認識されていません」と出てきた場合は「許可」を選択
  • /var/www/html/wp-content/ai1wm-backupsにある*.wpressが2. でエクスポートしたファイル
  • *.wpressをダブルクリックするとファイルダウンロードが始まる

6. 引越し先WordPressサイトにデータをインポート

  • プラグイン「All-in-One WP Migration」をインストール
  • 左メニューのAll-in-One WP Migration → インポート
  • 「インポート元」→「ファイル」を選択 → 5. でダウンロードした*.wpressファイルをインポート
  • インポート開始の確認ウィンドウが出る →「開始」を選択
  • インポートが完了したらブラウザを更新 → ログイン画面に戻るので、元サイトの管理者ID&パスワードでログイン
  • データが正しくインポートされていることを確認する