IPv6アドレスの設定と確認


CCNAの試験に向けて学習中。
復習に見返せるようにメモしていきます。
ほぼ自分の勉強メモです。
過度な期待はしないでください。

1.IPv6アドレスの設定

1-1.IPv6のルーティングの有効化

IPv4は、デフォルトで有効になっていますが、IPv6はルーティングは有効になっていません。
ルータでIPv6ルーティングを有効ににするには、
グローバルコンフィグレーションモードで次のipv6 unicast-routing コマンドを実行します。

(config)# ipv6 unicast-routing


1-2.IPv6アドレスの設定

IPv6では、1つインターフェイスに複数の種類のアドレスを設定することが可能です。
どれか1つでもIPv6を設定するれば、インターフェイスでIPv6が有効になります。

■1-2-1.グローバルユニキャストアドレスの設定

グローバルユニキャストアドレスの設定するには、
インターフェイスコンフィグレーションモードで次のipv6 address コマンドを実行します。

▶︎ 手動で設定する方法

(config-if)# ipv6 address < アドレス > / < プレフィックス長 >

<アドレス>には、IPv6アドレスを指定します。
グローバルユニキャストアドレスの場合、最初の3ビットが「001」で始まるように設定

▶︎ EUI-64形式でMACアドレスから自動で設定される方法

(config-if)# ipv6 address <アドレス>/<プレフィックス長> [ eui-64 ] [ anycast ]

[ eui-64 ]オプションを指定すると、インターフェイスIDをEUI-64形式のアドレスで設定します。
その場合、<アドレス>にプレフィックスの部分だけを指定すればMACアドレスから自動生成されます。
[ anycast ]オプションを指定すると、エニーキャストアドレス※1として設定出来ます。
※1 ネットワーク的に最も近いところと通信する際に使用されるアドレスです


■1-2-2.リンクローカルユニキャストアドレスの設定

リンクローカルアドレスの場合、グローバルユニキャストアドレスをインターフェース上で設定する事で、
自動的にEUI-64アドレス形式を使用して、MACアドレスからIPv6アドレスを生成する
ことになる事から、
明示的に設定する必要がありません。
ただし、自動生成されたアドレスは管理しづらい為、サーバやネットワーク機器では手動で設定する方が、
各機器のIPv6アドレスが分かりやすくなります。

▶︎ 手動で設定する方法
任意のリンクローカルユニキャストアドレスを手動で設定するには、
インターフェイスコンフィグレーションモードで次のipv6 address コマンドを実行します。

(config-if)# ipv6 address < アドレス > link-local

<アドレス>には、IPv6アドレスを指定します。
リンクローカルユニキャストアドレスの場合、最初の10ビットが「1111111010」で始まるように設定

▶︎ 自動で設定する方法
グローバルユニキャストアドレスが設定されていない場合においても、
インターフェイスコンフィグレーションモードで次のipv6 enable コマンドを設定する事で、
リンクローカルユニキャストアドレスが、EUI-64形式で自動的に生成されます。

(config-if)# ipv6 enable


■ 1-2-3.マルチキャストグループ

Cisco製ルータにIPv6アドレスを設定すると、そのインターフェイスは
下記のいくつかのマルチキャストグループに参加します。

アドレス 説明                                   
FF02::1 リンクローカル内の全ノード宛のマルチキャストグループ
FF02::2 リンクローカル内の全ルータ宛のマルチキャストグループ
FF02::1:FFxx:xxxx 要請ノードマルチキャストアドレスのマルチキャストグループ。xx:xxxxにはインターフェイスのIPv6アドレスの下から24ビットが入る


■ 1-2-4.ステートレスアドレス自動設定(SLAAC)による設定

IPv6アドレスをステートレスアドレス自動設定によって割り当てるには、
インターフェイスコンフィグレーションモードで次のipv6 address autoconfig コマンド
実行する。

(config-if)# ipv6 address autoconfig


2.IPv6アドレスの設定確認

2-1.ルータ設定の確認

インターフェイスのIPv6アドレスを確認するには、特権EXECモード
次のshow ipv6 interface コマンドを実行する。

# show ipv6 interface < インターフェイス >



show ipv6 interface コマンドの実行結果を確認していきます。

項目 説明                            
FF80::218:19FF:FE1F:C52E※1 リンクローカルユニキャストアドレス
2001: 1234 :ABCD:321::1 グローバルユニキャストアドレス
2001: 1234 :ABCD:321::/64 プレフィックス情報
FF02::1、FF02::2 等 所属しているマルチキャストグループ

※1 EUI-64により生成されたIPv6アドレス
  218:191F:C52Eを、24ビットずつに分割し、間に「FFFE」を挿入して
  先頭の7ビット目を反転させるとEUI-64により生成されたアドレスになる


2-2.疎通の確認

IPv6でPINGを実行する場合、先ずはそのローカルセグメント上で疎通できるか確認する為に、
隣接ルータのリンクローカルアドレス宛てにPING コマンドを実行します。
また、リンクローカルアドレスでPING コマンドを実行する場合には、どのインターフェースから
IPv6パケットを送出するのか指定する必要があります。

IPv6で疎通の確認を行うには、特権EXCEモードで次のping ipv6 コマンドを実行します。

# ping ipv6 < IPv6アドレス >

ping ipv6 コマンドの実行結果です。

2行目を見ると、リンクローカルユニキャストアドレスを宛先に指定した場合、
ルータ自身がどのインターフェイスから送信すればいいのか判断する事が出来ないので、
送信するインターフェイスの指定が必要になります。


3.IPv6のルーティング

異なるネットワークの端末とIPv6を通信する為には、ルータにIPv6のルーティングテーブルを
作成する必要があります。ルーティングテーブルのエントリを登録する方法にはスタティックルートを
設定します(割愛しますが、勿論ダイナミックルーティングでの設定方法もあります。)

3-1.スタティックルートの設定

スタティックルートを設定するには、グローバルコンフィグレーションモード
次のipv6 route コマンドを実行します。

(config)# ipv6 route < プレフィックス >/< プレフィックス長 > < 転送先 > [< アドミニストレーティブディスタンス値 >]

<プレフィックス>/<プレフィックス長>には、宛先ネットワークの情報を指定します。
<転送先>には、宛先のネットワークに向かう時のネクトホップまたは、
自身の出力インターフェイスを指定します。また、ネクストホップにリンクローカルアドレスを
指定する場合、自身の発信するインターフェイスを指定する必要があります。
例:gigabitethernet0/0 fe80::2
<アドミニストレーティブディスタンス値>は、フローティングタティックルートを設定する際に
指定します。

3-2.デフォルトルートの設定

宛先が不明なパケットを送出するルートをデフォルトルートとして
ルーティングテーブルに登録します。

デフォルトルートの設定を行うには、グローバルコンフィグレーションモード
次のipv6 route コマンドを実行します。

(config)# ipv6 route ::/0 < 転送先 > [< アドミニストレーティブディスタンス値 >]

宛先全てのネットワークプレフィックスを::/0と指定してデフォルトルートを設定します。

3-3.ルーティングテーブルの確認

ルーティングを行った際には、想定通りの状態になっているかを確認する必要があります。
ルーティングテーブルを確認するには、特権EXCEモードで次のshow ipv6 route コマンドを実行します。

# show ipv6 route

show ipv6 route コマンドの実行結果です。

デフォルトルートの場合は、

s  ::/0 [1/0]
  visa 2001:1:::2

のように表示される。IPv6のデフォルトルートは、IPv4のデフォルトルート異なり、
「*」は表示されません。