M5StickCを使ってTeamsのミュートボタンをつくろう!
はじめに
在宅勤務が普通となった今、ビデオチャットは欠かせません。
みなさんは、ビデオチャット中にこんな経験はないでしょうか?
- ビデオチャット中に家族から突然話しかけられる。
- 家族(子供)が急に膝の上に登ってきてカメラの視界に入ってしまう。
筆者は上記の様な事がしばしばあります。
ミュートボタンやカメラのOn/Offボタンを押して事なきを得ていますが、焦っている状況だとマウスからの入力や、キーボードのショートカットでは押しそびれてしまう場合もあるかもしれません。物理ボタンに置き換えられれば、咄嗟の状況でもすぐにミュートのOn/Offを切り替えられそうです。
そこで、M5StickCの入門を兼ねて、筆者が現在使用しているMicrosoft Teamsの、物理ミュートボタンを作りたいと思います。
M5StickCとは?
ESP32を搭載した小型のM5Stackです。ポータブルで使いやすいオープンソースのIoT開発基板で、プロトタイプを素早く作ることができます。
https://www.switch-science.com/catalog/5517/ より引用
引用元のページを見ると、小さい筐体に沢山の機能が搭載されていることがわかります。ディスプレイやバッテリーも搭載されており、アイディア次第でいろいろなことができそうです。
今回はM5StickCをBLE接続のキーボードとして、ボタン(正面のM5と書いてある部分)を押した際に特定のキーを送信させます。
環境
- Windows10
- M5StickC
環境構築
各種インストール
各種インストール
M5Stackのチュートリアルより
https://docs.m5stack.com/#/ja/quick_start/m5stickc/m5stickc_quick_start_with_arduino_Windows
1. Arduino IDE
2. ESP32ボードマネージャ
3. M5StickCライブラリをインストールします。
※M5StickCの開発には統合開発環境のArduino IDEを使用します。Arduino IDEを使用すると、プログラムの開発、転送などが一元管理できます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Arduino#Arduino_IDE
インストール後、M5StickCをPCに接続します。
サンプルプログラム実行
Arduino IDEからサンプルプログラム(Arduinoでは「スケッチ」と呼ばれています)を実行してみましょう。
ツールバー > ファイル > スケッチ例 > M5StickC > Game > Dices を選択してください。
新規ウィンドウが立ち上がるので、ツールバー > スケッチ > マイコンボードに書き込む をクリックすると、M5StickCに書き込まれます。(5分ほどかかります)
書き込みが完了すると、画像の様にさいころゲームが起動します。他にもサンプルスケッチは沢山あるので、実行してみると楽しいです。
実装
ライブラリの追加
ツールバー > ファイル > 新規ファイル で、プログラムを作成していきます。
M5StackCをBLEキーボードとして振舞えるよう、簡単に実装できるライブラリが公開されているので、今回はこちらを使用します。ZIP形式でダウンロードします。
https://github.com/T-vK/ESP32-BLE-Keyboard
ツールバー > スケッチ > ライブラリのインクルード > .ZIP形式のライブラリをインストール で、ライブラリを取り込みます。
プログラム
ライブラリのサンプルを参照しながら実装していきます。今回はミュートボタンに加え、ビデオ切り替えも追加してみました。btnAが正面にあるボタン、btnBが側面のボタンです。
それぞれのボタン押下時に、ショートカットキーを送信しています。
#include <M5StickC.h>
#include <BleKeyboard.h>
BleKeyboard bleKeyboard;
void showstate(char *txt) {
M5.Lcd.setCursor(0, 120);
M5.Lcd.fillRect(0, 120, 320, 20, BLACK);
M5.Lcd.printf(txt);
}
void setup() {
M5.begin();
bleKeyboard.begin();
}
void loop() {
M5.update();
if (bleKeyboard.isConnected()) {
// ミュートの切り替え
if (M5.BtnA.wasPressed() ) {
showstate("Sending Mute key...");
bleKeyboard.press(KEY_LEFT_CTRL);
bleKeyboard.press(KEY_LEFT_SHIFT);
bleKeyboard.print("m");
delay(100);
bleKeyboard.releaseAll();
}
// ビデオの切り替え
if (M5.BtnB.wasPressed() ) {
showstate("Sending Video key...");
bleKeyboard.press(KEY_LEFT_CTRL);
bleKeyboard.press(KEY_LEFT_SHIFT);
bleKeyboard.print("o");
delay(100);
bleKeyboard.releaseAll();
}
}
// ボタンのチャタリング(物理ノイズ)防止の為、Waitする
delay(100);
showstate("");
}
実行
ツールバー > スケッチ > マイコンボードに書き込む をクリックすると、M5StickCに書き込みます。
書き込み後、PCとBLE接続します。
Windowsの設定 > デバイス > Bluetoothとその他デバイスより「ESP32 BLE Keyboard」を追加します。
実行の様子
M5StickCでMicrosoft Teamsのミュート切り替えをやってみた pic.twitter.com/oxThl1BfBj
— ykawai_r112 (@ykawai40355103) December 3, 2020
以上でM5StickCを使ってMicrosoft Teamsのミュートボタンを作成できました!
M5StickCは内蔵の機能だけでなく、拡張キットも豊富なので、もっともっと遊んでみようと思います。
Author And Source
この問題について(M5StickCを使ってTeamsのミュートボタンをつくろう!), 我々は、より多くの情報をここで見つけました https://qiita.com/kawaichan/items/5dbfab039b93dd3a9560著者帰属:元の著者の情報は、元のURLに含まれています。著作権は原作者に属する。
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