酒田でRKBが聞けるわけ


中学生時代に両親に買ってもらったソニーのBCLラジオICF-6700が久しぶりに見つかりました。BCLとは70年代前後には流行した遠距離の放送局の短波や中波を聴く趣味でした。ICF-6700はちゃんと電源が入り中波を聞いてみました。

ICF-6700はSONYが作った大型のBCLラジオの最後の頃の製品で、ICF-6800と兄弟機のように思っていました。今ネットで調べて見るとICF-6800は高級機からの路線で、ICF-6700は普及機からの路線との情報がありました。

いろいろ試していたところ夜になると福岡のRKB(1278KHz)が受信できる事が分かりました。

最新の周波数の一覧はBCL INformation NETからpdfをダウンロードしました。

RKBは50Kwの出力ですが結構距離があります。深夜帯は同じ50Kwで比較的近いラジオ日本(送信所は川崎市)と同等に聞けます。

送信所の住所はでんぱでーたどっと混むさんで知る事ができRKBの送信所の住所は以下になるようです。

福岡市東区塩浜2丁目1573-2

これをジオコーディングにかけて緯度経度を確認してみます。

地図中心座標: 33.686845, 130.427223

後から気がついたのですが、この座標は送信設備になり実際のアンテナは海の中の浅瀬にあるようです。

酒田市役所の緯度経度も確認して見ます。

地図中心座標: 38.914818, 139.836663

国土地理院の測量計算プログラム APIで距離を調べてみます。

{"OutputData":{"geoLength":"1024072.073","azimuth1":"52.8107111111111","azimuth2":"238.395330555556"}}

余談ですが、このAPIのヘッダーには"Access-Control-Allow-Origin: *"がありあせん。このためローカルのファイルからgetJSON()をするとエラーになります。問い合わせしたところ、追加する予定はないとの事でした。ざっくりした距離はJavaScriptだけでも計算できるので、それでよい気もします。

1024Kmもの距離があります。なぜこれほど遠い放送局が聞けるのでしょうか。

AM放送の電波伝送についてのページが非常に参考になります。

海上を経路とする場合は陸地に比べ有利なようです。

地理院タイルで線を引いて見ました。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <title>RKB2Sakata</title>
    <link rel="stylesheet" href="https://unpkg.com/[email protected]/dist/leaflet.css" />
    <script src="https://unpkg.com/[email protected]/dist/leaflet.js"></script>
    <script>
        function init() {
            var map = L.map('mapcontainer', { zoomControl: false });
            var mpoint = [35.8627,139.6072];
            map.setView(mpoint, 6);
            L.tileLayer('https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/std/{z}/{x}/{y}.png', {
                attribution: "<a href='https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html' target='_blank'>地理院タイル</a>"
            }).addTo(map);
            var roadlatlons = [[33.686845, 130.427223], [38.914818, 139.836663]];
            L.polyline(roadlatlons, { color: 'blue', weight: 5 }).addTo(map);
        }
    </script>
</head>
<body onload="init()">
    <div id="mapcontainer" style="position:absolute;top:0;left:0;right:0;bottom:0;"></div>
</body>
</html>

ざっくり$\frac{2}{3}$くらいは海上を通っているように見えます。これが効いていると思われます。

また1278KHzは国内ではRKBしか使っていないのも要因と思われます。

自分がラジオを聞きはめた頃はAMは10KHz間隔でしたが、ちょっとしてから9KHz間隔になりました。

簡単に確認できるサイト作れないかな。

SONYの小型BCLラジオのICF-SW1も所有していますが、こちらは一度まったく受信できなくなり修理に出してかろうじて使えています。表面実装の電解コンデンサーが劣化するようです。それに比べICF-6700まったく問題なく使えています。小型化するのは利便性の向上になりますが、壊れやすくなるのは考え物です。

測量計算のサイトで方位角もでるので、到着点→出発点の方位にループアンテナは向けてバーアンテナは直行するように置くといい。スマホなどで方角を確認する方法もあるが、自宅などであればあらかじめ南中を確認しておけばすぐに向ける事ができる。

自分の小さい頃の電子工作の王道はラジオの次にはハム(アマチュア無線)でした。しかし試験が行われていた仙台まで遠かったので、ハムはあきらめてマイコンをさわりだしたのが自分のコンピュータとの出会いでした。

中波DXはとっても楽しいですよ。