スタティックルーティング


ルーティング

ルーティングとは

パケットのアドレス情報を読み取り、そのアドレスを基に、どこに転送すべきか最適な経路を決定することです。
ルータはルーティングテーブルというデータベースを作成します。

ルーティングの基本

同じルータに接続されている異なるネットワーク間の通信はルータ側でデフォルトで実行されるので、何もしなくて大丈夫です。
下のような場合ですね。

ルーティングテーブルとは

認識している 宛先ネットワーク情報が記載されています。
ルーティングテーブルの内容を確認するためには以下のコマンドを叩きます。
直接接続の場合、connectedと表示されます。

RouterA#show ip route
--省略--
C 10.1.0.0/16 is directly connected, FastEthernet0
C 10.2.0.0/16 is directly connected, FastEthernet1

ルーティングには二種類ある

スタティックルーティング

今回の記事で書くのはスタティックルーティングについてです。
これは一つずつ手動でルーティングテーブルにルーティング情報を書き込んでいくというものです。
意図しない挙動がなく、安全ですが、機器やネットワークが増えた時に自動でルーティング情報を更新するといったことはありません。

ダイナミックルーティング

これはスタティック、静的と言う意味に対して動的であるという意味です。
機器やネットワークが増えた時に自動でルーティング情報を更新することができ、大規模ネットワークの場合、管理負荷を大幅に軽減することができます。

ルーティングを書いてみる

直接接続されていないネットワークにデータを転送

直接接続されているネットワークはルーティングテーブルに記載されているので、データの転送が可能ですが、直接接続されていないネットワークについてはデータの転送ができません。
例えば以下のような場合で、一番左のPCから一番右のPCへデータを送りたいとき、RouterAは緑色のネットワーク(10.3.0.0/16)を知らないためデータを送ることができません。

この時にはこのように、ルーティングテーブルにルーティングを書いてあげます。
意味は 緑色のネットワーク(10.3.0.0/16)は、10.2.0.2の先にいるよです。

RouterA(config)# ip route 10.3.0.0 255.255.0.0 10.2.0.2

帰りのルーティングも忘れずに!!

これで一方通行の通信はできるようになります。
次に一番右のPCから一番左のPCへデータを送るために同じようにRouterBに設定をしてあげる必要があります。
意味は 赤色のネットワーク(10.1.0.0/16)は、10.2.0.1の先にいるよです。

RouterB(config)# ip route 10.1.0.0 255.255.0.0 10.2.0.1

デフォルトルート

送信元から宛先への経路が不明の場合や、ルータがルーティングテーブルの管理が溢れてしまって、難しい場合はデフォルトルートを用います。
意味はどこへの宛先でもとりあえずこの先(この場合10.2.0.2)にいるよ です

RouterA(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 10.2.0.2

ネクストホップ

ちなみにip routeで使っていた この先にいるよ と指定するIPアドレスのことをネクストホップと言います。
またネクストホップの部分は出力インターフェイスを指定して代替することもできます。
どこどこ宛はここのインターフェイスから出力すること といった感じですね。