ElmerをUbuntu18.04にインストール


Elmerとは

有限要素法(FEM)をベースにしたオープンソースのシミュレーションソフトで、流体力学、構造力学、電磁気学、熱伝達、音響などを単独または連成で解くことができる優れたソフトです。

Windows向けにはバイナリが準備されていますが、Linux向けにはLaunchPadからインストールする方法とソースからインストールする方法の2つが準備されています。

今回はソースからインストールする方法について、公式の手順を基に紹介します。
なお、詳細なインストール方法は公式サイトよりもgithubのリポジトリの方に載っていますので、参照してください。

Elmer公式サイト:Elmer
github:ElmerCSC/elmerfem

必要なライブラリの導入

まずは依存関係のあるライブラリ類をインストールします。

$ sudo apt install git cmake build-essential gfortran libopenmpi-dev libblas-dev liblapack-dev

【補足】ElmerGUIを使う場合

Elmerはテキストベースで解析の設定を行いますが、ElmerGUIと呼ばれるGUIも存在しており、設定だけでなく計算の実行や残差の確認なども簡単に行う事ができます。

慣れないうちはGUIで操作したいので、ElmerGUIに必要なライブラリも導入しておきます。

$ sudo apt install libqt4-dev libqwt-dev

Elmerのダウンロード

まずはhome/にインストール用のディレクトリを作成します。

$ mkdir elmer
$ cd elmer    
$ mkdir build       

次に、ソースコードをgithubからダウンロードします。~/elmer/で、

~/elmer/
$ git clone git://www.github.com/ElmerCSC/elmerfem

と実行することで、elmerfemと名前のついたディレクトリが生成されます。

git cloneが上手くいかない場合は、リポジトリからzipファイル(elmerfem-devel.zip)をダウンロードして、~/elmer/の直下にelmerfemと名前を変更して展開して下さい。

現時点のディレクトリ構成はこんな感じ↓

~/elmer/
┣ build/    (空)
┗ elmerfem/ 
    ┣ ElmerGUI/
    ┣ ElmerGUIlogger/
    :

Elmerの構築

必要な準備が済んだら、Elmerを構築していきます。
まずはcmakeを使ってmakefileを生成します。

$ cd ~/elmer/build
$ cmake -DWITH_ELMERGUI:Bool=TRUE -DWITH_OpenMP:Bool=TRUE -DWITH_MPI:BOOL=TRUE -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=../install ../elmerfem

オプションでElmerGUI、OpenMP、MPIをTRUEとすることで使用することができるようになります。インストール先は~/elmer/install/になります。

エラーが生成されない場合、コンパイルしてインストールを行います。

$ make
$ make install 

インストールが上手くいったかのテストを行う事ができます。

$ ctest

起動テスト

インストールされたElmerGUIを起動してみます。

$ export PATH=$HOME/elmer/install/bin:$PATH
$ ElmerGUI 

以下のようなGUIが立ち上がれば成功です。お疲れさまでした。

いくつかチュートリアルが用意されているので、また別記事で紹介していきたいと思います。