デバイスの管理【CDP / LLDP】


CCNAの試験に向けて学習中。
復習に見返せるようにメモしていきます。
ほぼ自分の勉強メモです。
過度な期待はしないでください。

前回投稿記事

こちらのデバイスの管理【システムログとNPT】投稿記事の続きです。

3.隣接機器の検出

隣接機器の検出するプロトコルとして、CDPLLDPがあります。

3-1.CDP

■3-1-1. CDPとは?

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、Cisco社独自のプロトコルであり、データリンク層で動作します。
データリンク層で動作するプロトコルの為、インターフェイスが有効になっている状態で有れば、
IPアドレスが設定されていなくてもやり取りが可能となっています。CDPにより、ケーブル接続
している隣接するCisco機器の情報が得られるので、Cisco機器のどこのポートにどのような
Cisco機器が接続しているのかを検出し、その機器の情報を収集出来ます。

CDPでは、デフォルトで 60秒ごとに機器の情報を
マルチキャストアドレス(0100.CCCC.CCCC)宛に送信します。CDPのフレームは常に
VLAN1から送信されます。また、180秒間更新がなければデータを削除します。

■3-1-2. CDPにより収集できる情報

CDPにはバージョン1とバージョン2があり、IOS 12.0(3)T以降から、CDPバージョン2がサポート
しています。現在のCiscoの殆どでは基本的にバージョン2がデフォルトで有効になっています。

CDPで収集出来る詳細情報は以下の通りです。

VTP Domain Name(VTPのドメイン名)、Native VLAN(ネイティブVLAN情報)、
Full/Half Duplex(全二重・半二重の情報)は、CDPのバージョン2でなければ
確認する事が出来ません。

■3-1-3.CDPの設定

Cisco機器では、デフォルトでCDPが有効になっている為、機器の情報を知られたくない等の
理由でCDPを無効にするには、グローバルコンフィギュレーションモード
次の no cdp run コマンドを実行します。「no」を指定すると全てのインターフェイスで無効化
されます。

(config)# no cdp run

CDPを有効にするには、noを付けずに cdp run コマンドを実行します。

CDPは、インターフェイス単位で有効・無効を設定する事が出来ます。
インターフェイス単位で有効・無効を設定をするには、
インターフェイスコンフィギュレーションモードで次の cdp enable コマンドを実行します。

(config-if)# [no] cdp enable

「no」を付けると無効になります。

■3-1-4.CDPの有効化の確認

CDPが有効化どうかを確認するには、特権EXECモードで次の show cdp コマンドを実行します。

# show cdp

show cdp コマンドの実行結果を確認していきます。

1行目は、CDPパケットの送信間隔(60秒)を表しています。
2行目は、オールド時間(キャッシュから情報をクリアする迄の時間)を表しています。
3行目は、有効化されているCDPのバージョン(2)を表しています。
※無効になっている場合は、「% CDP is vot enable」とメッセージが表示されます。

■3-1-5.CDPが動作するインターフェイスの確認

CDPが動作するインターフェイスを確認するには、特権EXECモード
次の show cdp interface コマンドを実行します。

# show cdp interface

show cdp interfaceコマンドは、show cdpコマンドと同様に、CDPの送信間隔、
ホールド時間などが確認出来ます。

■3-1-6.隣接機器の要約情報の確認

CDPで隣接機器から受信した要約情報を確認するには、特権EXECモード
次の show cdp neighbors コマンドを実行します。

# show cdp neighbors

show cdp neighbors コマンドの実行結果を確認していきます。

項目  説明                             
Device ID 隣接機器のホスト名
Local Interface 自機器のインターフェイス
Holdtme キャッシュのCDP情報をクリアする迄の時間
Capability 隣接機器がサポートしている機能
Platform 隣接機器のプラットフォーム
Port ID 隣接機器のインターフェイス
■3-1-7.隣接機器の詳細情報の確認

CDPで隣接機器から受信した詳細情報を確認するには、特権EXECモード
次の show cdp neighbors detail コマンドを実行します。

# show cdp neighbors detail

隣接する機器が複数存在する場合、その全ての機器詳細情報が確認出来ます。

特定機器のみの詳細情報を確認するには、特権EXECモード
次の show cdp entry コマンドを実行します。

# show cdp entry < * | 機器名 >

「*」を指定すると全ての機器の詳細情報が表示されます(show cdp neighbors detailと同様)
<機器名>には、隣接機器のホスト名を指定します。

show cdp neighbors detail コマンドの実行結果を確認していきます。

要約情報では確認出来なかった項目は以下の通りです。

項目     説明                        
Entry address 隣接機器に設定されているIPアドレス
Version 隣接機器のIOSのバージョン
advertisement version 隣接機器のCDPのバージョン
VTP Management Domain VTPドメイン名
Duplex 通信モード

上記以外にも、「Management address」(管理者IPアドレス)も詳細情報で確認出来る
項目になります。

3-2.LLDP

■ 3-2-1.LLDPとは?

LLDP(Link Layer Discovery Protocol)は、CDPと同様に隣接している機器を
検出することの出来るデータリンク層で動作するプロトコルです。
CDPとは異なり IEEE802.1ABで標準化されている為、異なるベンダーでも使用する事が
可能です。

LLDPでは、Ciscos製の機器の場合、デフォルトで 30秒ごとに情報をマルチキャスト
(0180.C200.000E)で送信します。120秒間更新がなければデータを削除します。

■ 3-2-2.LLDPの有効化

LLDPは、デフォルトで有効になっていません。その為、LLDPを有効化する必要があります。
LLDPを有効化するには、グローバルコンフィギュレーションモードで次の lldp run コマンド
実行します。

(config)# lldp run



また、インターフェイス単位で有効・無効にする事も出来ます。
インターフェイス単位でLLDPを有効にするには、インターフェイスコンフィギュレーションモード
で次の lldp コマンドを実行します。

(config-if)# lldp < transmit | receive >

<transmit>を指定する事で、LLDPパケットを送信をインターフェース上で有効化します。
<receive>を指定すると、LLDPパケットを受信をインターフェースでで有効化します。
[ no ]を指定すると、コマンドを実行すると無効化されます。

■ 3-2-3.LLDPのパケットの送信間隔、ホールド時間の変更

LLDPでは 30秒ごとに情報を送信します。
送信時間を変更するには、グローバルコンフィギュレーションモード
次の lldp timer コマンドを実行します。

(config)# lldp timer < 秒数 >

<秒数>には、指定したい間隔の秒数を指定します。



また、デフォルトでホールド時間が、120秒間に設定されている為、120秒間情報の更新が
なければ取得した情報を破棄します。ホールド時間を変更するには、
グローバルコンフィギュレーションモードで次の lldp holdtime コマンドを実行します。

(config)# lldp holdtime < 秒数 >

<秒数>には、指定したいホールドの値を指定します。

■ 3-2-4.再初期化時の遅延時間変更

LLDPの有効化と無効化を繰り返すと、頻繁にLLDPの初期化処理が実行されてしまいます。
これを防ぐ為に、デフォルトでは再初期化の遅延時間を 2秒と設定されています。
再初期化までの遅延時間を変更するには、グローバルコンフィギュレーションモード
次の lldp reinit コマンドを実行します。

(config)# lldp reinit < 秒数 >

<秒間>に指定した値に再初期化の遅延時間を設定する事が出来ます。

■ 3-2-5.送信する情報の変更

LLDPでは自身の情報をTLV(Tpye、Lenght、Value)形式で形式的に隣接機器の送信しています。
送信情報の変更をするに為には、グローバルコンフィギュレーションモード
次の lldp tlv-select コマンドを実行します。

(config)# lldp tlv-select < TLV名 >

<TLV名>には、VLAN情報を表す「port-vlan」や機械システム名(ホスト名)を表す
「system-name」などのTLVを指定する事が出来ます。他にも指定可能なものを下記に示します。
デフォルトでは全てのTLVがを送信する設定となっている為、「no」コマンドで削除する事で
不要なTLV情報の送信を停止する事が出来ます。

TLV   内容                              
management-address 管理IPアドレス
port-description ポートの説明
port-vlan VLAN情報
system-capabilities システム機能
system-description システムの説明
system-name システム名(ホスト名)
■ 3-2-6.LLDPの設定確認

CDPが有効化どうか動作を確認するには、特権EXECモードで次の show lldp コマンドを実行します。

# show lldp

LLDPの設定を確認するには、特権EXECモード
次の show lldp neighbors コマンドを実行します。

# show cdp neighbors

詳細に情報を確認するには、show cdp neighbors detail コマンドを実行します。

特定機器のみの詳細情報を確認するには、特権EXECモードで
次の show lldp entry コマンドを実行します。

# show lldp entry < * | 機器名 >

「*」を指定すると全ての機器の詳細情報が表示されます。
<機器名>には、隣接機器のホスト名を指定します。