スイッチの基本設定とVLANの設定と確認


CCNAの試験に向けて学習中。
復習に見返せるようにメモしていきます。
ほぼ自分の勉強メモです。
過度な期待はしないでください。

2.VLANの設定と確認

2-1.スイッチの基本設定

■2-1-1.IPアドレスの設定

スイッチは、MACアドレスを基にフレームの転送を行う為、IPアドレスを設定していなくても
通常通り動作します。しかし、IPアドレスが設定していないと、スイッチの状態を調べるのに、
コンソール接続しなければなりません。なので、IPアドレスを設定しておくと、
離れたネットワークからでもスイッチを管理出来りようになります。

管理の為に、スイッチにIPアドレスを設定する時は管理VLAN用のインターフェイスである
管理インターフェイスに設定します。

管理VLANとは、スイッチを管理する為の通信を流す為のVLANで、デフォルトではVLAN1が
管理VLAN
となっています。スイッチのFastEthernetなどの物理インターフェイスはスイッチポートと
呼ばれ、ルータのようにインターフェイスにIPアドレスを設定することが出来ません。
そこで管理VLAN用のインターフェイスである管理インターフェイスにIPアドレスを設定します。

管理VLAN用に用意された管理インターフェースにIPアドレスを割り当てることにより、
スイッチに対しtelnetアクセスしたりSNMPにより監視することができます。

管理インターフェイスにIPアドレスを設定するには、管理インターフェイスコンフィグレーションモード
移行します。
インターフェイスコンフィグレーションモードに移行するには、
グローバルコンフィグレーションモードで、次のinterface vlanコマンドを実行します。

(config)# interface vlan 1
(config-if)#

後は通常のIPアドレスの設定と同様で、
ip addressコマンドを実行して、no shutdownコマンド


■2-1-2.デフォルトゲートウェイの設定

スイッチはルータと異なりルーティング機能を備えていない為、ルーティングテーブルに
基づいた通信の転送行う事が出来ません。
異なるネットワークと通信を行う際は、PCなどと同様にデフォルトゲートウェイに通信を
転送します。

スイッチでデフォルトゲートウェイの設定を行うには、
グローバルコンフィグレーションモードで、次のip default-gatewayコマンドを実行します。

(config)# ip default-gateway <デフォルトゲートウェイのIPアドレス>


2-2.VLANの基本設定

■2-2-1.作成出来るVLANの範囲

スイッチで使用出来るVLAN番号は機種によって違いはありますが、多いものだと
1 ~ 4094の番号が使用可能となっています。
そのうち、 1 ~ 1005までは標準範囲のVLANで、1006 ~ 4094までのは拡張範囲のVLANと
なります。
また、標準範囲の「1」「1002~1005」は作成されています。

標準範囲の1002 ~ 1005 は、トークンリングおよびファイバ分散データ、インターフェイス(FDDI)の
VLANとなっている為、1 ~ 1001までを使用する事になります。

標準範囲のVLANを作成した場合、VLANデータベースに(vlan.datファイル)に保存されますが、
拡張範囲のVLANを作成した場合は、running-configに保存されます。


■2-2-2.VLANの作成

デフォルトでは、全てのポートがVLANに1に所属しており、どのポートに接続してもPC同士の
通信が出来る状態になっています。

VLANの作成は、VLANデータベースコンフィグレーションモードグローバル
コンフィグレーションモード
から行います。
 
▶︎ VLANデータベースコンフィグレーションモードでのVLANの作成
VLANデータベースコンフィグレーションモードに移行するには、特権EXECモードで、
次の vlan databaseコマンドを実行します。

# vlan database

続いて、VLANデータベースコンフィグレーションモードで次の vlanコマンドを実行して、
VLANを作成します。VLAN名は省略出来ます。

(vlan)# vlan <vlan番号> [name <vlan名>]

上記のコマンドでVLANを作成した後、設定を確定させるには、exitコマンドを入力して
特権EXECモードに戻るか、VLANデータベースコンフィグレーションモードで次の applyコマンド
実行します。

(vlan)# apply

 
▶︎ グローバルコンフィグレーションモードでのVLANの作成
VLANの作成するには、グローバルコンフィグレーションモードで次のvlanコマンドを実行します。

(config)# vlan <vlan番号>

<vlan番号>には作成したいVLAN番号を指定します。機種によって違いはありますが、
1 ~ 4094の番号が使用可能です。

vlanコマンドを入力すると、VLANコンフィグレーションモードに変わり、
プロンプトも「(config-vlan)#」に変わります。
そこで次の nameコマンドを実行します。

(config-vlan)# name <vlan名>

指定しなかった場合、自動でVLAN番号に合わせた名前が付きます。

上記のコマンドでVLANを作成した後、設定を確定させるには、exitコマンドendコマンド
入力してVLANコンフィグレーションモードを終了します。

(config-vlan)# exit


■ 2-2-3.VLANの削除

VLANを削除するには、VLANコンフィグレーションモードまたは、
グローバルコンフィグレーションモードで次の no vlanコマンドを実行します。

# vlan database
(vlan)# no vlan < vlan番号 >
(config)# no vlan < vlan番号 >

なお、デフォルトで作成しているVLANは削除出来ません。
要は、vlan1は削除出来ません


■ 2-2-4.アクセスポートの設定

VLANを作成しただけでは、スイッチ内を仮想的に分けるグループを作成しただけとなり、
各インターフェイスはVLAN1に所属したままです。
各インターフェイスに所属するVLANを指定し、アクセスポートにするには以下の手順です。

① インターフェイスコンフィグレーションモードに移行する
② モードをアクセスに設定する
③ VLANを指定する
④ 物理インターフェースを使えるようにする(必要が有れば)

① インターフェイスコンフィグレーションモードに移行する
グローバルコンフィグレーションモードで interfaceコマンドを実行する

(config)# interface < インターフェイス >

<インターフェイス>には、fastEthernet 0/0のように設定したいインターフェイスを
指定してください。

② モードをアクセスに設定する
モードをアクセスに設定するには、インターフェイスコンフィグレーションモードで、
次の switchport modeコマンドを実行します。

(config-if)# switchport mode access

③ VLANを指定する
VLANを指定するには、次のswitchport accessコマンドを実行します。

(config-if)# switchport access vlan < VLAN番号 >

<VLAN番号>には、割り当てたいVLAN番号を指定します。

④ 物理インターフェースを使えるようにする(必要が有れば)

(config-if)# no shutdown

物理インターフェースを使えるようにするコマンドです。デフォルトで使えるようになっている
Catalystが殆どだと思いますが、既に導入されているCatalystは使わないインターフェースを
セキュリティの為、shutdownしている事も多いです。
その場合はno shutdownでUPするようにします。


■2-2-5.トランクポートの設定

VLANが複数のスイッチにまたがる場合、トランクポートの設定が必要になります。
インターフェイスをトランクポートに設定するには以下の手順です。

① インターフェイスコンフィグレーションモードに移行する
② トランキングプロトコルの種類を設定する
③ モードをトランクに設定する
④ ネイティブVLANを設定する(任意)
⑤ 許可VLANを設定する(任意)



① インターフェイスコンフィグレーションモードに移行する
グローバルコンフィグレーションモードで interfaceコマンドを実行する

(config)# interface < インターフェイス >

② トランキングプロトコルの種類を設定する
トランキングプロトコルの指定は、次のswitchport trunk encapsulationを実行します。

(config-if)# switchport trunk encapsulation < dot1q | isl >

Cisco独自のISLを使用する場合には「isl」、
標準化されたIEEE802.1Qを使用する場合には「dot1q」指定します。

③ モードをトランクに設定する
モードをトランクに設定するには、インターフェイスコンフィグレーションモードで、
次のswitchport modeコマンドを実行します。

(config-if)# switchport mode trunk

④ ネイティブVLANを設定する(任意)
ここからは任意の設定になります。
ネイティブVLANを、デフォルトのVLAN1から変更するには、
次のswitchport trunk native vlanコマンドを実行します。

(config-if)# switchport trunk native vlan < VLAN番号 >

<VLAN番号>に指定したVLANにネイティブVLANを変更します。

⑤ 許可VLANを設定する(任意)
デフォルトの設定では、トランクポートは全てのVLANの通信が通信可能です。
しかし、余計なVLANのトラフィックを出したくない場合、トランクポートで許可するVLANを
限定する事が出来ます。
トランクポートで許可するVLANを指定するには、次のswitchport trunk allowed vlanコマンド
実行します。

(config-if)# switchport trunk allowed vlan < VLAN番号 >

<VLAN番号>で指定したVLANの通信だけが許可され、通信可能になります。
VLANは「.」や「-」を用いて複数指定する事が可能です。


■ 2-2-6.DTPによるポートのネゴシエーションの設定

スイッチのポートを手動で設定するのではなく、DTPのネゴシエーションによって
自動でアクセスポートかトランクポートに決定させるには、
インターフェイスコンフィグレーションモードで、次のswitchport modeコマンドを実行します。

(config-if)# switchport mode dynamic < desirable | auto >

<dynamic desirable>を指定した場合、DTPを送信し、対向ポートとのネゴシエーションの結果、
対向ポートがtrunk、dynamic desirable、dynamic autoの場合、トランクポートになる。
<dynamic auto>を指定した場合、DTPを受信し、対向ポートとのネゴシエーションの結果、
対向ポートがtrunk、dynamic desirable の場合、トランクポートになる。

※ スイッチ間での接続では、アクセスポートになるかトランクポートになるかは、
自身と相手のモードの組み合わせによります。

access以外のモードでは、DTPの動作によって定期的にDTPのネゴシエーションフレームの
送受信が行われます。しかし、管理者がスイッチ間をトランクリンクにする事を決めており、
手動でポートをtrunkモードにした場合、ネゴシエーション用のDTPのフレームを、送信する事事態が
無題になってしまう為、DTP送信停止を設定しています。

DTPのフレームの送信を停止するには、インターフェイスコンフィグレーションモードで、
次の switchport nonegotiateコマンドを実行します。

(config-if)# switchport nonegotiate


■2-2-7.音声VLANの設定

音声VLANは、VLANタグを使用しますが、設定はトランクポートではなくアクセスポート
して行います。スイッチのIP電話が繋がるポートをアクセスポートとしてVLANを割り当て、さらに
そのポートで音声用のVLANを指定します。手順は以下の通りです。

① インターフェイスコンフィグレーションモードに移行する
② モードをアクセスに設定する
③ 音声用のVLANを指定する


①と②は、上記のアクセスポートの設定と同様のコマンドです。

③ 音声用のVLANを指定する
音声用のVLANを指定するには、インターフェイスコンフィグレーションモードで、
次のswitchport voice vlanコマンドを実行します。

(config-if)# switchport voice vlan < VLAN番号 >

<VLAN番号>で音声VLANのVLAN番号を指定する事で、IP電話は指定したVLAN番号の
タグをフレームに付加して送信するようになります。


■2-2-8.スイッチを初期化する手順

作成した標準範囲内のVLAN情報は、フラッシュメモリ内の vlan.datファイル内に保存されます。
フラッシュメモリは電源のオフにしても内容が消えない事から、startup-configを削除しても
vlan.datファイルは残ってしまいます。
その為、スイッチを初期化するには次の手順を行う必要があります。

① NVRAM上の startup-configを消去する
② フラッシュメモリ上の vlan.datを消去する
③ 再起動する

① NVRAM上の startup-configを消去する
startup-configファイルを削除するには、特権EXECモードerase startup-configコマンドを実行します。

# erase startup-config

② フラッシュメモリ上の vlan.datを消去する
特権EXECモードで次の deleteコマンドを実行します。

# delete <ファイル名>

<ファイル名>には、削除したいファイルを指定します。
スイッチの初期化を実行する際は、vlan.datを指定します。

③ 再起動する

# reload


2-3.VLANの基本設定の確認

■2-3-1.VLANの確認

現在スイッチで作成されているVLANの確認をするには、特権EXECモード
次の show vlanコマンドを実行します。

# show vlan [brief]

[brief]を付ける事で、表示される情報が限定される

show vlanコマンドの実行結果を確認していきます。

項目 説明
作成されているVLAN番号を表す
VLAN番号に対応する名前を表す
VLANの状態を表す。activeであれば使用可能
VLANに割り当てられているアクセスポートの番号を表す。トランクポートの場合は表示されない


■2-3-2.特定のVLANの情報を表示

特定のVLANに割り当てられているポートを確認したい場合、特権EXECモード
次の show vlan idコマンドを実行します。

# show vlan id <vlan番号>


■2-3-3.トランクポートの確認

トランクポートの確認をするには、特権EXECモード
次の show interfaces trunkコマンドを実行します。

# show interfaces [<インターフェイス名>] trunk

<インターフェイス名>を省略すると、トランクポートとなっているインターフェイスが
全て表示される

show interfaces trunkコマンドの実行結果を確認していきます。

項目 説明
トランクポートのポート番号
現在設定されているポートのモード。on ならトランクポート、off ならアクセスポート
使用しているトランキングプロトコル
トランクキング状況を表示。トランクできていない場合は non-trunking と表示
トランクポート上のネイティブVLAN
トランクリンク上で転送が許可されたVLAN番号
許可されていてアクティブになっているVLAN
STPでフォワーティングとなっているVLANを表す


■2-3-4.スイッチポートの確認

スイッチポートの確認するには、特権EXECモード
次の show interfaces switchportコマンドを実行します。

# show interfaces [<インターフェイス名>] switchport

<インターフェイス名>を省略すると、全てのインターフェイスが表示される

show interfaces switchportコマンドの実行結果を確認していきます。

項目 説明                        
Administrative Mode 設定したモード表示
Operational Mode 実際に動作しているモードを表示
Administrative Trunking Encapsulation 設定したトランキングプロトコトル
Operational Trunking Encapsulation 実際に使用されているトランキングプロトコトルを表示
Access Mode VLAN:1(default) アクセスポートの場合、所属するVLANを表示
Trunking Native VLAN ネイティブVLANの番号を表示
Voice VLAN 音声VLANの番号を表示


■2-3-5.インターフェイスの確認

インターフェイスの状態を確認するには、特権EXECモード
次の show interfaces statusコマンドを実行します。

# show interfaces status

show interfaces statusコマンドの実行結果を確認していきます。

項目 説明                                   
物理ポート番号
物理ポートに対して、descriptionコマンドで定義した場合にその内容が表示される
物理ポートの状態。・ connected(正常にリンクアップしている)・notconnect(リンクアップしていない。ケーブルが接続されていない)・disabled(ポートがシャットダウン状態)・errdisable(ポートが強制シャットダウンされた状態)
VLAN番号
ポートの通信モード。・a-full(オートネゴシエーションにより全二重通信)・full(固定設定で全二重通信)・a-half(オートネゴシエーションにより半二重通信・half(固定設定により半二重通信)
ポートの速度。autoはオートネゴシエーション、a-100は、オートネゴシエーションより設定された速度
物理ポートの規格


■2-3-6.MACアドレステーブルの確認

スイッチの現在のMACアドレスを確認するには、、特権EXECモード
次の show mac-address-tableコマンドを実行します。

# show mac-address-table

関連投稿記事

スイッチの基本設定とVLAN【VTPの設定とVLAN間のルーティングの設定】


参考記事

VLAN - Access Port Configurationという記事参照
VLAN - show commandという記事参照