量子ゲート・量子回路のLaTeXメモ[足し算の処理]


本記事の目的

本記事は、使われることが多い量子ゲート及び量子回路をLaTeXで描画することを目的とします。今回は量子コンピュータの加算において使われるCNOTゲートとToffoliゲートを描画するLaTeXのコードを記載するとともに、加算を行う量子回路(文献[1]を参照)を記述するLeTeXのコードを記載しました。ご自由に使用&改変して使っていただいて構いません。

環境

・MacOS Mojave
・TeX Shop
の環境下において確認のもと、本記事を書いています。

回路を書く方法について

量子回路をLaTeXで描く方法は、@squary 様のLaTeXで量子回路を描くというページを参考にしました。qcircuitというパッケージを使います。

CNOTゲート

CNOTゲートではコントロールビットが1のときだけ、ターゲットビットの値が反転になります。出力されるCNOTゲートの図は以下のようになります。

main.tex
¥documentclass{jsarticle}
¥usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

¥usepackage[T1]{fontenc}
¥usepackage{lmodern}
¥usepackage[cmex10]{amsmath}

¥usepackage{qcircuit}
¥usepackage{braket}

¥begin{document}

¥section{CNOTゲート}
¥Qcircuit @C=1em @R=2em {
  ¥lstick{} & ¥qw & ¥ctrl{1} & ¥qw    & ¥qw       ¥¥
  ¥lstick{} & ¥qw & ¥targ    & ¥qw    & ¥qw   
}

¥end{document}

Toffoliゲート

Toffoliゲートでは、2つのコントロールビットが両方とも1のときのみ、ターゲットビットの値を反転させるものです。出力されるToffoliゲートの図は以下のようになります。

main.tex
¥documentclass{jsarticle}
¥usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

¥usepackage[T1]{fontenc}
¥usepackage{lmodern}
¥usepackage[cmex10]{amsmath}

¥usepackage{qcircuit}
¥usepackage{braket}

¥begin{document}

¥section{Toffoliゲート}
¥Qcircuit @C=1em @R=2em {
  ¥lstick{} & ¥qw & ¥ctrl{1} & ¥qw    & ¥qw       ¥¥
  ¥lstick{} & ¥qw & ¥ctrl{1} & ¥qw    & ¥qw       ¥¥
  ¥lstick{} & ¥qw & ¥targ    & ¥qw    & ¥qw   
}

¥end{document}

加算の実現

2つの量子ゲートを組み合わせることで加算の回路が実現できます。加算の回路では桁上がり(2番目のビットの扱い)と最下位のビットの加算の2つのプロセスが存在します。量子ビットのAとBが足す値で、SとCは答えの値が入るものとします。
量子回路は以下のようになります。

main.tex
¥documentclass{jsarticle}
¥usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

¥usepackage[T1]{fontenc}
¥usepackage{lmodern}
¥usepackage[cmex10]{amsmath}

¥usepackage{qcircuit}
¥usepackage{braket}

¥begin{document}

¥section{加算の回路}
¥Qcircuit @C=2em @R=2em {
  A ¥quad & ¥ctrl{2} ¥qw  & ¥qw      & ¥ctrl{1}   & ¥qw    & ¥qw ¥¥
  B ¥quad & ¥qw           & ¥ctrl{1} & ¥ctrl{2}   & ¥qw    & ¥qw ¥¥
  S ¥quad & ¥targ   ¥qw   & ¥targ    & ¥qw        & ¥meter & ¥qw ¥¥
  C ¥quad & ¥qw           & ¥qw      & ¥targ      & ¥meter & ¥qw 
}

¥end{document}

参考文献

[1]湊 雄一郎, いちばんやさしい量子コンピューターの教本 人気講師が教える世界が注目する最新テクノロジー, インプレス(2019).

今回は以上です。