Windows10(32bit)タブレットにTeX+emathをインストールした
新しいパソコンのTeX+emathのインストールが無事にできたので,そのうちインストールしようかと思ってそのままになってたタブレットPCにもTeXをインストールしました(ちなみに前回はデスクトップPCです)。前回1とは同じようにはいかなかったところもいろいろあったので,その備忘録です(予定では,Active Perlのダウンロードで64bitと32bitの違いに気を付けるだけなので楽勝!のはずだったのですが…)。
1. 概要
インストール日は2019年10月13日,インストールしたタブレットPCは昨年買ったFRONTIREの2in1パソコン(FRT1032)です。タブレットのOSは Windows10(Home),32bit。
全体的な流れは前回のWindows10 (64bit)のときと同じです。細かいところは前回の記事1を参考にしてください。同じようにすればいいと思っていたのですが,同じようにはできなかったこともいろいろ。前回と違った点をざっくりとまとめると,こんな感じです。
- TeX本体(w32tex)やPerl以外の関連ソフトをCドライブでなくmicroSDカードにインストールした。(→2. )
- ファイルのダウンロードに時間がかかった。(→3.,7.)
- TeXインストーラ3でのインストールに失敗した(w32texの一部のファイルの解凍に失敗。その後,失敗したファイルを別のところからダウンロードしてインストール)(→3.)
- Active PerlでなくStrawberry Perlをインストールした。(→5.)
2. インストール先のこと
最初は前回同様,Cドライブにインストールしようとしてダウンロードを途中まで進めていたのですが,ここ3とかここ4とかによると,TeXをフルインストールするなら10~12GBくらいの空き容量があったほうがよいらしく(実際,インストール後に関連フォルダのサイズを合計すると7GBくらいありました),Cドライブの空きが少なかったため中断。タブレット本体のカードスロットに装着したmicroSDカード(32GB,使用中だがほとんど空き)にインストールし直すことにしました。
※SDカードに入れているファイルなどのパスはD:\
で始まっているので,以下,SDカードのことをDドライブと書いたりもします。
(補足1)タブレットのストレージはもともと32GBしかなく,あまりに少ないので32GBのmicroSDを入れていました(カードリーダーが「最大32GB対応」ということだったので)。インストール開始前のCドライブの空きは6GB強といったところでした。
(補足2)この記事5によると,SDカードや他ドライブへのアプリのインストールには設定が必要のようですが,今回は特に何もしませんでした。
3. TeX(本体)のインストールのこと
前回と同じく,TeXインストーラ3でインストールします。ただし,ダウンロード先・インストール先は,w32tex,dviout,GhostScriptともmicroSD(Dドライブ)に(デフォルトの設定のC:\
のところがD:\
になっただけで同じようなところにインストール)。他の設定はそのままでインストール開始。前回と同じなら手間いらずのはずでしたが…。
3-1 TeXインストーラ3(→w32texのインストール失敗)
ダウンロード,インストールと進んでいくのですが,ダウンロードにものすごーく時間がかかりました…(4時間くらい)。なんとかダウンロードが終わり,インストール開始。…が,いきなりaleph-w32.tar.xzの解凍に失敗。そのまま放っておいたら残りの解凍は進んでいき,「成功」たまに「失敗」。w32texのインストールは「失敗」となりました。dviout,GhostScriptについてはすんなり成功。
abtexinst.exeと同じフォルダ(私の場合はabtexinst_0_91フォルダ)にある abtexinst_log.txt を確認したところ,解凍できなかったファイルは7つありました。abtexinst.exeをダブルクリックし,再度インストールを試みるもやはり失敗。
ダウンロードしたファイル(.tar.xz
ファイルなど)はw32tex\download
にあったので手動でも解凍を試みましたが,それも失敗。
【TeXインストーラ3で再インストールを試みたときのこと】
abtexinst.exeをダブルクリックすると,ダウンロードするファイルとインストールするファイルが違う設定になっていること,インストールするファイルを変更したい場合は「高度な設定」ボタンを押すことなどの注意がでてきました。
「高度な設定ボタン」を押して,出てきた画面でインストールしなおすファイルにチェックを入れて設定し,インストール開始。アンインストールしてからインストールしてました(このときは結局,また失敗したけど)。
3-2 解凍失敗の後どうしたか
解凍失敗したファイルだけW32TeXのページ6からダウンロードしました(ただし,失敗したファイルのうちlatex-dev.tar.xz
だけは最初,見つからなかったのでダウンロードせず)。ファイルを1つ手動で解凍してみると,解凍できました。
いちいち解凍して,さらに解凍したファイルを自分で配置するのは面倒なので,できればTeXインストーラ3にやってもらいたい。…ということで,新しくダウンロードしたファイルをw32tex\download
にある同名のファイル(TeXインストーラ3でダウンロードしたファイル)と入れ替えてみました。再度abtexinst.exeをダブルクリックし,3-1のときと同様に「高度な設定」で新しいのに入れ替えたファイルにチェックを入れてインストールを開始。今度は無事に全部解凍成功。w32texのインストールが完了しました。emathを使ったファイルも無事コンパイルできてひと安心。
(補足1)最初の解凍で失敗したファイルは aleph-w32.tar.xz
,cbfonts.tar.xz
,context.tar.xz
,latex-dev.tar.xz
,ltxpkgdocs.tar.xz
,ltxpkgs.tar.xz
,luatexja.tar.xz
の7つ。
(補足2).tar.xz
ファイルの手動での解凍には,7-Zip7という解凍ソフトを使いました(2段階での解凍。.tar.xz
ファイルを解凍すると.tar
ファイルになるので,できた.tar
ファイルを解凍して完了)。
(補足3)latex-dev.tar.xz
は,後からよく見たらフルインストールのところにちゃんとあったのですが,最小インストールにも標準インストールにも含まれないので,まあいいかとそのままです。latex-dev.tar.xz
は “Package for tests of the pre-release version of latex”(W32TeX より)だそうです。
4. emath関連(Perlとの連携以外)
次はemathのダウンロードとインストール(ファイルの配置)。これは前回と同様にできました。調べたemathの置き場所も前回と同様だったで,今回もc:\Users\ユーザー名\texmf\tex\platex\misc\emath
に置きました。TeX本体(w32tex)はmicroSD(Dドライブ)の中ですが,emathはCドライブに置くことになりました。
(補足)emathもmicroSD(D:\)に置きたかったのですが,わからなかったです。ためしにD:\w32tex\share\texmf-local
に置いてみましたが,ダメでした。
5. Perl関連(インストール&Perlとemathの連携)
次はPerlのインストールとemathとの連携ファイルの配置です。
5-1 Strawberry Perlのインストール
Active Perlは32bit用をインストールして…と考えてたのに,どうも32bit用はないようです。代わりにStrawberry Perl[^5_0]の32bit用をダウンロードしました。ダウンロードしたstrawberry-perl-5.30.0.1-32bit.msi
をデフォルトの設定のままクリックしていって完了。再起動してコマンドプロンプトで perl -v
とするとバージョン情報がでてきてインストールできていることを確認。
(補足)Strawberry PerlはCドライブにインストールしました。最初はmicroSDに入れようとしたのですが,うまくいきませんでした。もともとPerlはCでもいいかなと思っていたのでCに入れてしまいましたが,ちゃんとやればmicroSDにインストールできるのかもしれません。
5-2 連携ファイルの配置とTeXworksの設定
コマンドプロンプトで perl -V
(Vは大文字)とすると
@INC:
C:/Strawberry/perl/site/lib
C:/Strawberry/perl/vendor/lib
C:/Strawberry/perl/lib
と出てきたので,enathとperlの連携ファイルはこのうちのC:/Strawberry/perl/libに置きました。
(前回4-3の動作確認(1)のperllib.texをコンパイルしてできたperllib.txtの@INC:
の後の部分も上記と同じだった)
perlと連携するためのTeXworksの設定(-shell-escapeオプション)は前回と同じ。
6. GSViewとTeXworks関連
GSView5.0のインストールは,インストール先をDドライブ(microSD)にした以外は前回と同じ。
GSView,TeXworksの設定は前回と同じです。
GSViewはOptionメニューのところで
- Safer のチェックをはずす
- Advanced Configure...を選択して Ghostscript Optionsの枠の最後に「-dWINKANJI」と「-dSAFER」を加える
- Show Bounding Box にチェックを入れる(好みで)
TeXWroksは,[編集]→[設定]→タイプセットのタブをクリックし,「タイプセットの方法」のところで
- perlと連携するための設定(5-2の-shell-escapeオプションの設定)
- dviファイルを残すための設定
- dviファイルからpsファイルを作るための設定
のタイプセットを追加。
コンパイルやepsファイルも作成も問題なし。タブレットPCでもTeXが使えるようになりました。めでたしめでたし。
7. メモ
- タブレットのCPUのスペックが低かったせいか,ダウンロードにものすごく時間がかかった(4時間くらい。最初,62時間(?)とか出てきてびっくりしたが,この程度で済んでやれやれ。)。インストールも前回のようにサクッと終わる感じではなかった(ダウンロードほどではないが)。時間がないときは要注意。microSDの性能もあるかもしれないけど,当初のCドライブにインストールしてたときも似たような感じだった。ネット回線は前回と同じだが,前回のデスクトップパソコンは有線,今回は無線なのでそれも少し影響しているかも。
※タブレットのCPUはインテル® Atom™ x5-Z8350 プロセッサー1.44 GHz(最大1.92GHz),4コア / 4スレッド,メモリ2GB
- 空き容量に注意。10GBくらいの空きを用意しておく。タブレットパソコンは特に容量が少ないものが多いので特に注意が必要。
Cドライブの空きが少ない場合は,「ディスクのクリーンアップ」が有効らしい。
※Windows Update のたびに不要ファイルがどんどんたまってくらしいです。空きが少なくてWindows Update に困ったらしく,更新の最中に「不要ファイルを削除しますか?」「Update前のファイルを削除しますか(元に戻せなくなるけど)」みたいな表示が出て,OKしたら,空きが12GBに増えました。
- mktexlsrは今回もしなかった。
- Windows Updateにも要注意(勝手に再起動されたらかなわん)。
※タブレットのCPUはインテル® Atom™ x5-Z8350 プロセッサー1.44 GHz(最大1.92GHz),4コア / 4スレッド,メモリ2GB
※Windows Update のたびに不要ファイルがどんどんたまってくらしいです。空きが少なくてWindows Update に困ったらしく,更新の最中に「不要ファイルを削除しますか?」「Update前のファイルを削除しますか(元に戻せなくなるけど)」みたいな表示が出て,OKしたら,空きが12GBに増えました。
(投稿日:2019年10月16日)
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「Windows10(64bit)にTeXとemathをインストールした」(https://qiita.com/piyo23/items/59556db103947f83d334 ) ↩
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https://www.frontier-direct.jp/direct/c/cFRT103/ (ノートPC/タブレット・スマートフォン/FRT103 - BTOパソコン通販のFRONTIER) ↩
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WindowsユーザのためのpLaTeX環境 (TeX Live 2017)(https://titechcomp.github.io/y18-il2j/2-wintex.html) ↩
-
「LATEX インストールの様子。」(高知大学土基善文先生のページ内)(http://www.math.kochi-u.ac.jp/docky/kogi/kogi2015_1/keisankisuugaku/install1.pdf) ↩
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「Windows 10アプリケーションをSDカードまたは他のドライブにインストールする」((https://www.remosoftware.com/info/jp/install-windows-10-apps-on-sd-card-and-other-drives/) ↩
-
http://w32tex.org/index-ja.html (W32TeX)角藤さんのW32TeXのページ ↩
-
https://sevenzip.osdn.jp/ (圧縮・解凍ソフト 7-Zip) ↩
Author And Source
この問題について(Windows10(32bit)タブレットにTeX+emathをインストールした), 我々は、より多くの情報をここで見つけました https://qiita.com/piyo23/items/a5980e01a954180cfb60著者帰属:元の著者の情報は、元のURLに含まれています。著作権は原作者に属する。
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