HighSierra Server.appのWikiコンテンツを別のHighSierraマシンに移行する手順


本当のタイトル:運用中のHighSierra ServerAppのWikiコンテンツをVitualBoxでビルドしたHighSierra仮想マシン上でWikiサービスを再開するまで、その2

Appleにより提供されていたServerAppは、バージョンアップを重ねるごとに、その機能の多くを捨てていきました。Wikiサービスもその一つです。https://developer.apple.com/support/downloads/macOS-Server-Service-Migration-Guide.pdf にて、静的HTMLファイルやWordPress形式に変換する方法が提示されました。しかし試しにやってみたところ、その見た目は、運用に耐えません。
そこで、社内への仮想HighSierraマシンによるWikiサービス継続提供を試みました。

前提

  • 手順その1を参照:VirtualBoxにて旧サーバと同じOSバージョンのHighSierra仮想マシンが稼働している
  • コンテンツの移行だけであれば、実機のHighSierraマシンでも同じ手順でいけます。

仮想マシンのネットワーク設定

  • システム環境設定のネットーワ設定でIPアドレスを適切に設定してある(ユーザー端末が同じセグメントまたはルーティングされている)
  • ルーターアドレス、プロクシーサーバなども適切に設定してある
  • ユーザー端末よりpingが通る

仮想マシン上に古いServer.app 5.6.3をインストールする

  • HighSierra仮想マシンにて、AppStoreを起動する
  • 購入済みタブからmacOS Serverが見えます
  • このピクチャーだとアップデートになっていますが、実際にはインストールボタンとなっています。
  • インストールすると、「HighSierraでインストールできる最新のサーバをインストールするか?」という類のダイアログがでます。インストールする。
  • めでたく5.6.3がインストールされます

Wikiサービスを開始する

  • アプリケーションよりServerを初めて起動する
  • サーバー管理者の名前(ログインしているログイン名がデフォルトで入力されています)とパスワードを設定する。
  • 初期設定プロセスに少し時間がかかります
  • メニューバー:表示:Wikiを選択します→左タブサービスにWikiが追加され→Wiki設定画面が表示されます。
  • 設定画面右上のスイッチをオンにする
  • ほかの端末のサファリからURLにIPアドレス(例:192.168.84.176)を入力するとwikiが表示されることが確認できます。
  • この時点でコンテンツは空っぽです

旧サーバから新サーバ にWiki を移動する

条件

  • OS、Server.appともに全くバージョンナンバーが同じである

旧サーバのWikiコンテンツをファイルにエキスポートする

  • ターミナルを開く
  $ sudo wikiadmin export -all -path /Library/Server/Wiki/Save
  • これで、Saveディレクトリにコンテンツがエキスポートされます
  • コンテンツ量によっては時間がかかります。
  • 外付けハードディスクにSaveをコピーしておく

新サーバへデータをインポートする

  • HighSierra仮想マシンに外付けハードディスク(名称例:ExternalHD)を接続、認識されるはずです。
  • ターミナルより以下のコマンドを実行する
  $ sudo chown -R _teamsserver /Volumes/ExternalHD/Save
  $ sudo wikiadmin import -all -path /Volumes/ExternalHD/Save
  • かなり時間がかかります。昼寝でもしましょう。

Wikiコンテンツのアクセス権を設定

  • 仮装マシン上のServerアプリには、管理者しかユーザーおよびグループが登録されていません
  • これまでの運用にそって、必要なアカウントおよびグループを作成しましょう。
  • wikiドキュメント個々にアクセス権データを再設定しましょう。

以上で、仮想マシン上で過去のコンテンツのWikiサービスを提供できるようになりました。
AppleのServer.appで提供してたWikiコンテンツの行く末に絶望を感じていた方々に希望の光を灯せれば幸いです。
これでプロフェッショナルでない私でも、オンプレミスのサーバー機のOSアップデートがあろうと、経年劣化に対応するために新しいMacを購入しようとも、VirtualBoxとこの仮想マシンのイメージファイルさえあれば、サービスを継続できる(はずです)。感謝。

余談

アクセス権設定と検索可能な文書情報蓄積システムに、どのプラットホームを採用するかは、非常に難しい問題です。どれもサービス提供終了の可能性があるからです。10年前は社内機密文書をクラウドで保存することにためらいを感じオンプレミスでサービスを構築しました。
Qiita Team ,NotePM、Confluence、Fleekdrive、ASTRUX SaaS、Documal SaaS、楽々Document Plus、Dropbox Business、box、Knowledge、WordPress、Github、自作Railsシステム、原始的にファイル保存、みなさんはどうしていますか?