フォロワーにバレずにTwitter転職を始められるサービス「ツイッ転」をリリースしたのでロードマップを晒す


はじめに

 どうもお久しぶりです。皆さんはTwitter転職ってご存じでしょうか?自分のツイートに簡単なプロフィールと#Twitter転職のハッシュタグをつけて投稿し、企業からの連絡を待つって感じです。現在の#Twitter転職の様子

 約1年半前の僕が転職活動を終えた後くらいに某ひよこさんがTwitter転職に成功し、そこから一気に広まったイメージがあります。僕としてもこの流れに便乗したかったのですが、ちょうど転職活動が終わったタイミングで結構残念だった記憶があります。ただ僕のTwitterアカウントは仲のいい会社の同僚が結構フォローしていて、その時実際にTwitter転職したかと言われると微妙でした。こう思ってる人って結構多いんじゃないのってことと、そもそもHR業界ってあまりいい印象がなく(理由は最後に書きます)もっと手軽に会社とコンタクト取れたらいいんじゃないかという動機から今回このサービスを作りました。

ツイッ転 ~もっと手軽に気軽に会社と繋がろう~
https://www.tweetten.com/

大体企画からリリースまで2ヶ月ちょいって感じで、とにかくモチベーションとの闘いでした。

企画

リーンキャンパスを大筋埋めることからスタートしたのですが、下記の検討を最も大事にしました。

  • ターゲットとなる顧客と解決したい課題を明確にする
  • 課題を解決するための価値提供を考える
  • 価値を実現する最小限のプロダクトを考える(MVP)

リーンキャンバスに関してはこちらの記事が詳しいです。

 割とエンジニアあるあるだと思ってるのですが、この辺をしっかり検討せずにいきなり作り始めちゃうと、誰のためのプロダクトなのかよくわからないものが出来上がったり、モチベーション続かなかったり、いつまで経ってもリリースできないかったりします。

  • ターゲット・・・Twitter転職をしてみたい、同僚にフォローされているTwitterユーザー
  • 課題・・・同僚にフォローされていて、気軽にTwitter転職できない
  • 価値提供・・・自分のTwitterアカウントを使うことなくTwitter転職を始められる
  • MVP・・・投稿すると代理アカウントが自分の代わりにツイートしてくれるサービス

 ターゲットとなるセグメントがどれだけいるのか不明かつ、「同僚にフォローされている」ということが歯止めになっている人がどれだけいるのか分からなかったのですが、明確に自分が次の機会があったら使いたいなって思っていたのと、たまにTwitter転職のために別アカウント取ろうかな・・・って言っている人もいたのでそれなりにいるんじゃないかという仮説の元進めました。

設計・開発・リリース

設計開発は以下のような形で進めました。

  1. 技術的な課題をクリア
  2. ユーザーストーリーの決定とタスク化
  3. アーキテクチャの選定
  4. モック作成
  5. 開発・リリース

全体的なタスク管理はJootoを使いました。Jootoはきれいでいいなーと思います。

こんな感じでプロダクトの実装ベースのタスクじゃなくて技術的な調査や、ユーザーストーリーの決定というタスクレベルでもJooto上で管理しました。特に気を付けたのはInProgress(今やってるタスク)は極力一つだけになるように努めました。

また、作ってるタイミングでこういう機能があったらいいなとか便利だなって色々思いつくんですけど、MVPに関係ないものはとにかくIceBoxに入れておくだけということをとにかく意識しました。

技術的な課題をクリア

 いくらいいアイディアであってもそれが実現不可だったら作っているものがとん挫してしまいます。なので技術的な課題点は早いタイミングでクリアするのがベターだと思っています。今回のプロダクトとしては代理でツイートするので、そのツイートにレスがあった場合即座に投稿者本人にメッセージを送りたく、TwitterからWebhookを受けられるかが非常に重要でした。

 TwitterのAccount Activity Apiを使用すると上記のWebhookを受けられることが分かったので、早い段階でPoCを作りクリアしています。Account Activity Apiに関してはこちらの記事を参考にさせていただきました。

ユーザーストーリーの決定とタスク化

 次の段階でユーザーストーリーマッピングを行いました。ユーザーストーリーマッピングはこちらの記事が参考になるかと思います。1stフェーズのユーザーストーリーを固めておかないと最小限のプロダクトからどんどん脇道に逸れていき、結局リリースしきらないということが過去にありました(自戒)。
 ある程度ユーザーストーリーが見えたらどんどんJootoに実装ベースのタスクを作りました。

アーキテクチャの選定

 アーキテクチャを選ぶときに重要視したのは下記3点です。

  • とにかく慣れている技術を使う
  • インフラはとにかくお金がかからず最悪クローズしてもいい
  • インフラの面倒は今の段階では極力見なくてもいいようにする
    • →ある程度スケーラビリティ考える必要が出てから考える

 経験談なんですが、サービス開発と並行で新しい技術を勉強しようとするとリリースまでの期間が長くなり、その間にモチベーションが落ちてしまうことがありました。今回はとにかくリリースしきることを意識し、慣れている技術のみ使うことにしました。最終的に以下のような形になっています。

  • PHP7.2
  • Laravel6
  • MySQL5.6
  • jQuery
  • レンタルサーバー(XServerの一番安いプラン)

 インフラを何にするかはめちゃくちゃ迷ったんですけど、AWS系のクラウドは万が一のことがあると料金が青天井になるのが怖く、VPSも初期設定が正直めんどくさいなと思ってしまい、その時ドメインが無料でついてきて、SSLもタダなXServerを割と安易に選びました。(これが後の開発で悲劇を招きます)大体月1000円ちょいで運用できるので、そんなにお財布も傷まず済むかなって感じの選び方だったと思います。

 ちなみにテスト環境はHerokuの無料プランオンリーで乗り切りました。

モック作成

 正直これが一番捗らなかったです・・・というのもやっぱりデザイン系は自分の門外漢だからです。ここの部分は友人のデザイナーにも意見聞いたりしながら進めていきました。Bootstrap色が全面的に出てるのって個人的に若干ダサい気もしてるのですが、今回はTwitterに関連したサービスであるので、あえて全面的に押し出すようにしました。機能を実装しながら都度UI考えるでもいいとは思うのですが先にデザイン完了させてそこに機能を乗せていくというのが、自分のモチベーション維持のためにこのタイミングで行った理由です。これは人それぞれかなと思います。
 

開発・リリース

 後は作るだけなのですが、実はかなり早い段階(1機能実装したタイミングくらい?)で本番サーバの構築のとりかかりました。というのも早めにリリースできる先があるとモチベーションの維持に繋がるのと、お金を払ってしまったのでなんとなくやらざるを得ない感を出すためです。

 ちなみに先述したレンタルサーバーを選んだ悲劇というのは、BIGINT型のカラムに数字を入れるとINT32の範囲以外はオーバーフローを起こすというものでした。PHPのMySQLドライバがmysqlndでもlibmysqlでもなく全然聞いたことないドライバがインストールされていたことが原因だったのですが、これが分かるまでかなり苦戦しました・・・というわけでレンタルサーバはどうにもならない部分が出るのでVPSにしときゃよかったと思っています。(なお、この問題はすべてVARCHAR型にして解決しました)

おわりに

 そもそもTwitter転職自体に結構賛否両論あるようですが、個人的にはすごくいい風潮だと思っています。HR業界、特に成果報酬型のビジネスモデルって本来であれば求職者にあった活躍できそうな会社を紹介するべきだと思っているんですけど、お金の流れ的にとにかく内定出やすいところを優先的に紹介しがちだったり、入社後はそこで活躍することよりも辞めた後はまた頼ってねってなってしまうようなモデルになってる気がしてならないんですよね。(当然そういう会社ばかりではないと思いますが、売上を考え出すとこういう構図になりがちなんじゃないかと思っています)

 ただ求職者からするととにかく選択肢が少なく、かつ現職で働きながら面談するのもかなり大変、企業からすると特にスタートアップで人数が少ないところの採用はどうしても片手間にならざるを得ず、今の会社でもやっぱり色々勝手に紹介してくれる成果報酬型の企業に頼らざるを得ない状況になってます。

 じゃあどうすればいいのってところは全く見えてはいないんですけど、少なくとも求職者の人に多くの選択肢を、企業を知る機会がこのプロダクトを通じて生まれてくれればいいなと思っています。特に副業も最近では結構トレンドだと思っているので、転職を実際にせずともこのサービスを通じて企業側に気軽にコンタクト取って、個人の選択肢が増える流れができればいいなーと漠然と思っています。

是非登録してみたレベルでもいいので使ってみてください!!
フィードバック頂けると泣いて喜びます!

ツイッ転 ~もっと手軽に気軽に会社と繋がろう~
https://www.tweetten.com/

ある程度運用したらまた運用に関する記事投稿しようと思います。

追記

リリースしてから少し認知されるようになったので今後についてメモ

■現在立証したい仮説
・Twitter転職してみたいけどアカウントばれが怖いユーザーは一定数いるんじゃないか

■KPI
・会員登録数

■Good
・ユーザーの反応
> これは面白いサービス。
> Twitter転職の最大にして唯一のデメリットって垢バレだと思っててそこが改善されるのはかなりでかい。

■改善点
・サービスを使う上での安心感が足りない
> 中の人の情報がなくて怖いと思ったら
> ツイッターに飛べたけど運営者が匿名アカウントで余計に怖くなった。
> Qiita垢や個人のTwitter垢も結局は匿名で個人情報何にも出してないなと思って…

・コンタクト取りたい側の使い方が分からない
> こんにちは、SE探している側です。
> コンタクト取るにはどうすれば良いのでしょうか?web拝見したのですがイマイチ分からず…

・ツイッ転くん側の友達が少なすぎてリツイート、ファボがもらえず埋もれる
 自分が普通にTwitter転職つけて投稿してもスルーされてしまった感w

■今後優先してやること
・自分の個人情報を晒す(→どこまで?どうやって?運営者情報?)
・ユーザーの認知を広げる(→どうやって?メディア?チャネルはハッシュタグしか検討してなかった・・・)
・企業側(というか連絡取りたい側)の説明ページを用意する(サービス全体のフローがあってもいいかも)