[OCI]DBCSベアメタルインスタンスを作成してみた。


Oracle Cloud InfrastructureのOracle Databaseサービスには、以下の種類があります。

  • Database Cloud Service - BM/VM
  • Exadata Cloud Service /Exadata Cloud at Customer
  • Autonomous Database

今回は、Dataase Cloud Service ベアメタルインスタンスを作成してみました。

Database Cloud Service - ベアメタル

専有型のベアメタル環境で利用可能なデータベースのサービスです。
オンプレミスの自前サーバーと同様に、他の環境から影響を受けることなく利用可能です。
ストレージはLocal NVMeが提供されます。
データベース領域はOracle Automatic Storage Management(ASM)で管理されます。
ASMディスクグループは2重化/3重化の選択が可能です。(ストレージ容量を追加することはできません。)
データベースのエディションは4種類から選択可能で、Real Application Clustersの構成は取れません。
1環境で複数のデータベースを作成できることも大きな特徴です。複数のバージョンのデータベースを作成することもできます。
小さいデータベースの統合プラットフォームとして利用することができます。
データベースを作成するごとにORACLE_HOMEが作成されるので、ローカルディスク領域のサイズも作成できるデータベースの数に影響を与えます。

課金対象はInfrastructure費用(2OCPUが含まれる)と追加の利用OCPUです。
追加分のOCPUはオンラインで増減が可能で、データベースシステム全体としての指定となり、作成するデータベースの数とは関係がありません。

使用されるサーバスペック

2020年5月時点でDatabase Cloud Service - ベアメタルで使用されるシェイプは、BM.DenseIO2.52

  • CPU: Intel Xeon Platinum 8167M. (2.0 GHz) 26コア*2
  • Memory: 768 GB
  • Local Disk: 51.2 TB NVMe SSD (8 drives)
  • データベース領域サイズ: ASMディスクグループ容量 3重化: DATA9TB/RECO2.3TB or DATA4.6TB/RECO6.9TB 2重化: DATA16TB/RECO4TB or DATA8TB/RECO12TB
  • NIC: 2 x 25 Gbps

利用可能なデータベース

2020年5月時点で利用可能なデータベース

Oracle Dataaseバージョン

  • Oracle Database 19c
  • Oracle Database 18c
  • Oracle Database 12.2
  • Oracle Database 12.1 (12.1.0.2)
  • Oracle Database 11g R2 (11.2.0.4)

Oracle Database ソフトウェア・エディション

  • Standard Edition
  • Enterprise Edition
  • High Performance
  • Extreme Performance

料金体系

  • 利用期間中に発生するInfrastructure費用(2 COPU分のデータベース利用料込み)
  • 追加のOCPU費用
  • 1時間単位の課金

DBCS ベアメタルインスタンス

DBCS ベアメタルインスタンスの作成

「DBシステムの作成」をクリック

シェイプタイプを「ベアメタル」を選択

BM.DenseIO2.52を選択し、エディションを選択

データ・ストレージの割合としてDATAディスクグループの比率を選択

ライセンス・タイプを選択

ネットワーク情報として仮想クラウド・ネットワークとサブネットを選択

拡張オプションでディスクの冗長性の選択が可能

データベース情報

データベース情報としてデータベースのバージョンを選択

12.1以降の場合、PDB名を入力し、すべてのバージョンで管理者ユーザのパスワードを入力

ワークロード・タイプとバックアップ構成を選択

作成されたDBシステム

初期作成時に1つのデータベースが作成されます。

データベースの追加

「データベースの作成」ボタンからデータベースを追加することが可能です。

追加作成するデータベースのバージョンや管理者ユーザパスワードなどを入力してデータベースの追加が可能です。

複数データベース作成例

1つのデータベースシステム上に複数のデータベースを作成することができます。
19c のデータベースを2つ、18c/12.2/12.1/11/2 のデータベースを作成してみました。

ローカルディスクの使用状況

6つのデータベースを作成した後のディスク使用状況

$ ls /u01/app/oracle/product
11.2.0.4  12.1.0.2  12.2.0.1  18.0.0.0  19.0.0.0
$ ls /u01/app/oracle/product/19.0.0.0/
dbhome_1  dbhome_2
$ df -h
Filesystem                          Size  Used Avail Use% Mounted on
devtmpfs                            378G     0  378G   0% /dev
tmpfs                               378G  1.6G  376G   1% /dev/shm
tmpfs                               378G   36M  378G   1% /run
tmpfs                               378G     0  378G   0% /sys/fs/cgroup
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolRoot  148G   25G  116G  18% /
tmpfs                               378G   71M  378G   1% /tmp
/dev/sda2                           1.4G  101M  1.2G   8% /boot
/dev/sda1                           486M  9.8M  476M   3% /boot/efi
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolU01   128G   68G   54G  56% /u01
tmpfs                                76G     0   76G   0% /run/user/102
/dev/asm/commonstore-314            5.0G  319M  4.7G   7% /opt/oracle/dcs/commonstore
/dev/asm/datdb112-314               100G  1.9G   99G   2% /u02/app/oracle/oradata/db112_iad242
/dev/asm/reco-259                   583G   14G  570G   3% /u03/app/oracle
tmpfs                                76G     0   76G   0% /run/user/54322

OCPUのスケールアップ/ダウン

OCPUは2から52までの間でスケールアップ・ダウンが可能です。

2以下に設定するとエラーメッセージが表示されます。

おわりに

DBCS - ベアメタルは、複数データベースを1つのOS上で動作させることができる点でオンプレミスと近しい環境構築ができると感じました。
バージョン違いのデータベースの作成がウィザードで作成できるので、作業効率も高いです。
ストレージサイズの拡張ができない点とメモリ容量に留意しながら複数のデータベースの統合環境として活用できる印象です。