Automation Anywhere で日本語OCRエンジンが動作しないときに確認する項目


概要

Automation Anywhere Enterprise 11.3.2 では、ABBYYの最新の日本語OCR機能を利用することができますが、動作しない場合にチェックすべき項目を紹介します。

現象としては、たとえば以下のようなレシートをOCRで認識したときに日本語が認識されない場合です。

OCR機能は以下のコマンドを使っています。

※ Community Edition は2019年8月現在、日本語OCR機能には未対応のようです。

初期設定の確認

OCRエンジンは動くけれども、日本語がおかしな文字で表示される場合は、おそらく英数字のみ認識できるエンジンが動作している可能性があります。ABBYYの日本語OCRエンジンは、設定ファイルを手で書き換えないと起動しないようになっているようです。C:\Program Files (x86)\Automation Anywhere\Enterprise\Client\plugins\commands\ocr\ABBYY をエクスプローラーで開いて、ABBYY_Paramaters.iniというファイルを見つけてメモ帳で開いてください。

INIファイルの中の以下のセクションに注目してください。デフォルトではすべてコメントアウトされています。

変更前
;[RecognizerParams]
;lowResolutionMode=False
;TextLanguage=JapaneseModern,English
;Above Parameter is supported with ABBYY Fine Reader Engine v12

このファイルで[RecognizerParams]というセクションタイトルと、TextLanguage=JapaneseModern,Englishという行の冒頭のセミコロンを削除して保存します。(保存には管理者権限が必要になるので強制的にファイルを置き換えてください)

変更後
[RecognizerParams]
;lowResolutionMode=False
TextLanguage=JapaneseModern,English
;Above Parameter is supported with ABBYY Fine Reader Engine v12

このようにINIファイルを書き換えた状態で再びOCR機能を動作させると、日本語文字を認識するはずです。

(おまけ) ABBYY エンジン利用時にエラーメッセージが出る場合の対処法

OCRダイアログボックスで画像認識が始まった瞬間に以下のエラーメッセージが出ることがあります。

"Access to C:\Program Files (x86)\Automation Anywhere\Enterprise\Client\plugins\commands\ocr\ABBYY\Data\FontCache\ was denied."

その場合は、Program Filesフォルダーの下にあるデータフォルダーのアクセス権が正しく設定されていない可能性があります。
(本来はProgram Filesフォルダーの下はデータ書き込みの目的で使ってはいけないお作法になっているのですが、ABBYY OCRエンジンの仕様上の問題ですね。。。)

以下の手順で、データフォルダーにアクセス権を与えます。
まず、C:\Program Files (x86)\Automation Anywhere\Enterprise\Client\plugins\commands\ocr\ABBYY をエクスプローラーで開いてDataフォルダーのプロパティを表示します。
「セキュリティ」タブに切り替えて、現在実行中のユーザーのアクセス許可を見てみます。「フルコントロール」「変更」「書き込み」のチェックが外れているはずです。
現在実行中のユーザーを選択して「編集」ボタンをクリックします。

現在実行中のユーザーのアクセス許可の「フルコントロール」にチェックを入れます。(他の項目にも自動的にチェックが入ります) その後、「OK」ボタンをクリックします。

これで正しく動作するようになるかご確認ください。