homebrewからインストールできるemacsの違い


はじめに

いつもはCotEditorとかIDE使ってるんですが、ターミナル上で少しだけ編集する場合はemacsかvimがいい。
でも、MacOS付属のemacsのバージョンは22.1.1で古すぎる!
ということで、homebrewでemacsをインストールしようとしたのですが、インストールできるemacsがいくつかあり、調べてもあまり情報が得られなくて困りました。
そこで、それぞれインストールしてみてわかった違いを紹介。
(細かい違いはわかりません。)

2019/01/03 TL;DRの追加とcaskに関する部分を修正
2022/03/26 cask版emacsのインストールコマンドを修正

TL;DR

# インストール方法と違い
brew install emacs              # ターミナルで使える普通のemacs
brew install emacs --with-cocoa # OSXウィンドウで開けるemacs
brew install --cask emacs         # OSXウィンドウで開ける、Launchpadにアイコンが追加される(/Applicationに追加されているので)

いろいろなemacs

普通のemacs

brew install emacs

でインストールする普通のemacs。
この記事の更新時点でのバージョンは26.1。
ターミナルからemacsと打てばおなじみのemacsが起動します。
ターミナルでしかemacsを使わない方は他のemacsは不要。

cocoa emacs

まずは、brew info emacsでemacsの情報を見ると、

--with-cocoa
	Build a Cocoa version of emacs

というインストールオプションが表示されます。
このオプションを使って、

brew install emacs --with-cocoa

でインストールすると、cocoa版emacsがインストールされます。
ターミナルからemacsで起動させると、以下のように別ウィンドウでemacsが開きます。

Cocoaとは、macOS用のアプリケーションを構築するためのフレームワークであり、それを使って作られているcocoa版emacsはのmacOSのウィンドウ環境でも動作します。
ターミナル上のemacsでは、マウスで入力カーソルを動かすことはできないけれど、これだと可能。
ウィンドウ上部のアイコンからファイルを開いたり、保存したりすることが可能。

このように別ウィンドウで起動できるのが強みですが、-nwオプションを使えば、普通のemacsと同じようにターミナル上で起動することもできます。

cask emacs

brew install --cask emacs

でインストールできるcask12版emacs。
caskとは、Google ChromeやAtomなど、今までインストーラを公式ページからダウンロードしてきてインストールしていたようなアプリケーションを、ターミナル上からインストールできるようになる、homebrewの拡張です。
したがって、cask版emacsとは、インストーラを使ってインストールされるものと同一のものです。

このcask版emacsは、cocoa emacsと同様に、ターミナルでemacsと打ったときには別ウィンドウでemacsが開きます。
そして、cask版の大きな違いはLaunchpadの一覧にemacsのアイコンが追加されること。
ターミナルからでなくても実行できるので、emacsを普段使いのテキストエディタにしたい場合にはcask版emacsをインストールしましょう。

おわりに

macでインストールできるemacsはいろいろあります。
それぞれの目的に合わせてインストールすればいいと思います。
ちなみに私はターミナルでしかemacsを使わないので、普通のemacsを使っています。

  1. 以前はcaskを使うときにbrew tap caskroom/caskでcaskをインストールする必要がありましたが、現在はcask自体がbrewに同梱されているので、特にtapする必要はありません。

  2. 以前はbrew cask installでcaskのパッケージをインストールしていましたが、現在はcaskコマンドが廃止され、brew install --caskでインストールするようになりました。