Ubuntu Server 20.10 (Groovy Gorilla)をさくらのクラウドで使う方法


この投稿は、さくらインターネットアドベントカレンダー 2020 18日目の投稿(代打)です。17日目は pitan さんの「ひたすら楽してnetbox」、19日目は 0n1shi さんの「さくらのクラウドに構築したKuberentes上でCert managerを利用する」でした。

概要

Ubuntu Server 20.10 を、さくらのクラウド上でセットアップするには、ISO イメージを活用する方法が一番早いです。これは、ISO イメージを使ったインストール手順です。さくらのクラウドであれば、ISOイメージがパブリック ISO イメージとして利用できるため、ダウンロードする必要がありません。またブートする仮想サーバ(マシン)は DHCP に対応しているため、インターネット側への疎通も自動的に行えるため、とにかくすぐに使いたい時に便利です。

手順

1.パブリック ISO イメージで Ubuntu Server を起動

コントロールパネルの IaaS メニューの「サーバ」から、画面右上の「追加」をクリックします。

ISOイメージでインストールをするには、「シンプルモード」を解除する必要があります。もしシンプルモード(チェックが入った状態)であれば解除します。

サーバプランの仮想コアやメモリは好きなものを選びます。とりあえず動かす(起動してみる)のであれば、1コア 1GB でも問題ありませんが、必要に応じて変更します。

次に画面をスクロールし、「ディスク」の項目で「ブランク(空のディスク)」をクリックします。

それから「ISOイメージを使う」から「▼」をクリックし、「Ubuntu Server 20.10 64bit」をクリックします。

このように選択されていれば大丈夫です。

それから、画面をスクロールし、サーバの情報では「名前」に Ubuntu Server など入力します。これはサーバ一覧画面に表示するサーバの名前です(サーバの内のホスト名 hostname ではありません)。

あとは、そのままスクロールし、画面右下の「作成」をクリックします。

確認画面でも作成をクリックし、あとは作成完了まで待ちます。

これでサーバの準備は完了です。「閉じる」をクリックします。

2.コンソール機能を使ってインストールする手順

サーバ一覧画面から、対象サーバをダブルクリックします。

メニュー中の「コンソール」をクリックします。

そうすると、このように黒い画面が出ます。

画面をクリックして、ブートが完了してメニューが出るまで待ちましょう。

ここからは、コンソール機能のままセットアップ作業を行います。クラウド上のサーバではありますが、通常のサーバにセットアップするかのような感覚で作業を進められます。

まずはインストーラの言語選択です。インストーラは英語「English」が選択された状態でエンターキーを入力します。

次の画面ではキーボードのレイアウトと言語設定です。英語のままであれば、そのまま進みますが、日本語にしたいときは「タブ」キーで、選択項目を移動できます。何度かタブを押し「Layout」の列に移動し、「エンター」キーを押し、カーソルキーの上下で移動しながら「Japanese」に移動し「エンター」を押します。

再びタブで移動し、「Done」をクリックします。

次に、パブリックなネットワークにサーバを接続している場合は、DHCPで自動的に IP アドレスが割り振られます。そのまま Done が選ばれた状態で「エンター」をクリックします。

Proxy 設定は不要ですので、ここもそのまま「エンター」です。

アーカイブミラーも、通常そのまま「エンター」です。

インストール先のディスクについては、このまま通常問題なければ、タブキーを押して「Done」に移動して「エンター」です。

確認画面では「Done」でエンターです。

ストレージ(ディスク)を初期化してインストールするかどうかの最終確認です。新規のディスクであれば問題ありませんので、タブをクリックして「Continue」を選び、「エンター」を押します。

次にプロフィール情報の入力(アカウント設定)です。入力して「タブ」キーを押しながら移動します。

  • Your name: 自分の名前をアルファベットで入力(任意)
  • Your server's name: サーバ名を入力
  • Pick a username: サーバログイン時のユーザ名(アカウント名)を入力
  • Choose a password: パスワードを入力
  • Confirm a password: もう一度パスワードを入力

入力が終われば「Done」をクリックします。

次にリモートで SSH 接続して操作するため、「Install OpenSSH Server」で「スペース」をクリックし、選択された状態にします。

ちなみに、ここで「Import SSH identiy」を選択しますと、GitHubやLaunchpadに登録している公開鍵を自動設定することもできます。

確認後「Done」をクリックします。

あとは、必要に応じて追加のパッケージを選択(スペースキーを押します)した後、タブを教して「Done」を押します。

あとは、セットアップやパッケージの更新作業が自動的に始まります。終わりまで画面を眺めるか、コーヒーを飲んでいましょう。

画面下の「security updates」の右でクルクル回転←↖↑↗→↘↓↙←↖↑↗しているのが終われば、「Reboot」に画面が切り替わりますので、エンターを押して仮想マシンを再起動します。

それから、画面上ではこのような警告が出ます。

CD-ROMを自動マウントできない、というメッセージです。コントロールパネルから、このサーバに接続しているISOイメージを外します。

「Ubuntu」と見えているタブをクリックし、「取り出す」をクリックします。確認画面でも「取り出す」をクリックします。

これで取り外しが終わりました。

あとは、再び「コンソール」画面に戻り「エンター」を押します。

以上でセットアップ完了です。

その後、コンソールを再び開いていると、cloud-init による初期化のログが確認できます。

このままコンソール機能を通してサーバにログインするには「エンター」キーを押して、ログインプロンプトを表示します。

3.起動して SSH 接続

先ほどの手順で OpenSSH サーバをセットアップしていれば、リモートから SSH ログインできます。
サーバにログインするには、まず IP アドレスを確認します。サーバ一覧で「NIC」と表示される列を確認するか、サーバ詳細の「NIC」タブで確認できます。以下の例では、 163.43.133.25 です。

この IP アドレスの横のアイコンをクリックしますと、クリップボードにコピーできるので便利です。

あとは、セットアップ時に作成したユーザ名でログインしましょう。

$ ssh -l lain 163.43.133.25
The authenticity of host '163.43.133.25 (163.43.133.25)' can't be established.
ECDSA key fingerprint is SHA256:FwlPbLNVqZ78kSWQ+mShy2X6jraopVnbXx5SiZuUw/s.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes
Warning: Permanently added '163.43.133.25' (ECDSA) to the list of known hosts.
[email protected]'s password:
Welcome to Ubuntu 20.10 (GNU/Linux 5.8.0-33-generic x86_64)

 * Documentation:  https://help.ubuntu.com
 * Management:     https://landscape.canonical.com
 * Support:        https://ubuntu.com/advantage

  System information as of Tue Dec 22 11:49:06 PM UTC 2020

  System load:  0.0                Processes:             99
  Usage of /:   21.7% of 18.57GB   Users logged in:       0
  Memory usage: 18%                IPv4 address for ens3: 163.43.133.25
  Swap usage:   0%

20 updates can be installed immediately.
0 of these updates are security updates.
To see these additional updates run: apt list --upgradable



The programs included with the Ubuntu system are free software;
the exact distribution terms for each program are described in the
individual files in /usr/share/doc/*/copyright.

Ubuntu comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent permitted by
applicable law.

To run a command as administrator (user "root"), use "sudo <command>".
See "man sudo_root" for details.

lain@tachibana-lab:~$

これでログインできました!

root としての作業が必要な場合は sudo コマンドを使います。ここでは、自分のログインパスワードを入れます。以下は実行例です。

lain@tachibana-lab:~$ sudo apt update
[sudo] password for lain: ←画面に表示がない(エコーバックしない)ですが、入力します
Hit:1 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu groovy InRelease
Get:2 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu groovy-updates InRelease [110 kB]
Get:3 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu groovy-backports InRelease [101 kB]
Get:4 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu groovy-security InRelease [110 kB]
Fetched 321 kB in 0s (915 kB/s)
Reading package lists... Done
Building dependency tree
Reading state information... Done
20 packages can be upgraded. Run 'apt list --upgradable' to see them.
lain@tachibana-lab:~$

最後に必要に応じて、さくらのクラウド パケットフィルタ 機能や TCP Wrapper なりセキュリティの設定をしておきましょう。

Enjoy!

参考にした文章やサイト