NetBackup CloudCatalyst for AWS入門 その2


NetBackup 8.1からの新機能であるCloudCatalystについて、3回に分けて解説を行います。
今回は2回目となり、CloudCatalystの構築手順についてお伝えします。

★2020/1/8、3/9に一部内容の加筆・修正を行いました。

環境例

今回は以下の環境を用いて説明を行います。
使用するNetBackupのバージョンは8.2になります。

構築手順

以下の順番でCloudCatalystの構築を行います。
 ①NetBackup 8.2のインストール
 ②MSDPストレージサーバー(ソース)を構成
 ③AWSアカウントおよびAmazon S3バケットの確認
 ④ホスト名ベースの証明書の配備(※該当する場合のみ)
 ⑤CloudCatalystストレージサーバー(ターゲット)の構成
 ⑥共通のメディアサーバー設定
 ⑦MSDPカタログバックアップポリシーの作成
 ⑧ストレージライフサイクルポリシーおよびバックアップポリシーの構成
 ⑨最新のMSDPカタログの取得(2020/1/8 追記)

また、CloudCatalystの構築については、マニュアルも併せて参照するようにして下さい。
 Veritas NetBackup™ Deduplicationガイド UNIX、WindowsおよびLinux リリース 8.2
  P.248~「第6章 NetBackup CloudCatalystを使用したクラウドに対する重複排除の構成」

①NetBackup 8.2のインストール

まず、各サーバーにNetBackup 8.2をインストールします。
今回の環境ですと、nbumasterに対してマスターサーバー、nbumedia1/2に対してメディアサーバーとしてインストールを行います。

②MSDPストレージサーバー(ソース)を構成

ソース側のMSDPストレージサーバーの構築を行います。
NetBackup管理コンソールの「Storage Server Configuration Wizard」を使って、nbumedia1でMSDPストレージサーバーを構成します。

<ストレージサーバー作成画面>

③AWSアカウントおよびAmazon S3バケットの確認

Amazon S3へアクセス可能なユーザーを作成し、アクセスキーおよびシークレットアクセスキーを事前に準備しておきます。
また、Amazon S3バケットが作成されていることを確認します。(CloudCatalystのセットアップ時にも構成可能です)

④ホスト名ベースの証明書の配備(※該当する場合のみ)

この手順は、メディアサーバーのバージョンが 8.1 から 8.1.2 の場合に実行する必要があります。
バージョンが 8.2 の場合、本手順は不要です。

【実行例】
CloudCatalystストレージサーバーにホスト名ベースのセキュリティ証明書を配備します。

C:\>"\Program Files\Veritas\NetBackup\bin\admincmd\bpnbaz.exe" -ProvisionCert nbumedia2
You will have to restart NetBackup services on configured NetBackup hosts after the command completes successfully.
Do you want to continue(y/n)y
Setting up security on target host: nbumedia2 - Certificate deployed successfully
The file: DeploySecurityCerts.progress has been updated in the current directory with results of this operation
Operation completed successfully.

証明書を配備した後は、メディアサーバーのサービスを再起動して下さい。

⑤CloudCatalystストレージサーバー(ターゲット)の構成

ターゲット側のCloudCatalystストレージサーバーの構築を行います。
NetBackup管理コンソールの「Cloud Storage Server Configuration Wizard」を使って、nbumedia2でCloudCatalystストレージサーバーを構成します。

<CloudCatalystストレージサーバー作成画面>

<S3バケット選択画面>

⑥共通のメディアサーバー設定

最適化複製では、ソースストレージサーバーとターゲットストレージサーバーに少なくとも1台の共通のメディアサーバーが存在している必要があります。

今回の環境では以下のように設定します。
 ■ストレージサーバー
  MSDPストレージサーバー側:nbumedia1、nbumedia2
  CloudCatalystストレージサーバー側:nbumedia2

 ■ストレージユニット
  MSDPストレージサーバー側: nbumedia1
  CloudCatalystストレージサーバー側:nbumedia2

(2020/3/9 追記)
共通のメディアサーバー設定について、手順書に詳細を記載しております。
「項番2-7. 共通のメディアサーバー設定」のP.49~54も併せて参照するようにして下さい。

 NetBackup 8.2 CloudCatalyst構築および復旧ガイド(Amazon S3利用)

⑦MSDPカタログバックアップポリシーの作成

環境内の全てのMSDPストレージサーバーおよびCloudCatalystストレージサーバーにて、MSDPカタログバックアップポリシーを作成します。

MSDPカタログは全損復旧時などで利用しますので、必ず取得するようにして下さい。
また、MSDPカタログの保存先にメディアサーバー重複排除プールは指定せず、ベーシックディスクなどを指定するようにして下さい。

また、このタイミングでMSDPカタログバックアップポリシーを実行し、正常に取得出来ることを確認して下さい。(2020/1/8 追記)

【実行例】
<nbumedia1側:MSDPストレージサーバー>

[root@nbumedia1 /]# /usr/openv/pdde/pdcr/bin/drcontrol --new_policy --residence nbumedia1-stu --policy MSDPCatalog --client nbumedia1 --hardware "Linux" --OS "RedHat2.6.32"
The policy MSDPCatalog for host nbumedia1 has been successfully created.
The log file may be found at: /msdp/log/drcontrol/policy_admin/new_policy_1571981988.log

<nbumedia2側:CloudCatalystストレージサーバー>

[root@nbumedia2 /]# /usr/openv/pdde/pdcr/bin/drcontrol --new_policy --residence nbumedia2-stu --policy MSDPCatalog-Catalyst --client nbumedia2 --hardware "Linux" --OS "RedHat2.6.32"
The policy MSDPCatalog-Catalyst for host nbumedia2 has been successfully created.
The log file may be found at: /var/log/puredisk/drcontrol/policy_admin/new_policy_1571982215.log

⑧ストレージライフサイクルポリシーおよびバックアップポリシーの構成

あと、もう一息です!

NetBackup管理コンソールを使って、SLPを作成します。

SLP作成後、バックアップポリシーを作成します。
先ほど作成したSLPを指定し、アクセラレータを有効化したバックアップポリシーにしています。

バックアップポリシー作成完了後、手動バックアップを行い、正常にバックアップおよび複製が正常に完了することを確認します。

⑨最新のMSDPカタログの取得(2020/1/8 追記)

バックアップおよび複製が正常に完了した後、MSDPカタログバックアップポリシーを手動実行し、最新のMSDPカタログを取得するようにして下さい。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回はダイジェスト版でしたが、別途、CloudCatalyst構築手順書を公開する予定です!

次回は、オンプレ環境が全損し、S3にのみバックアップデータが残っている状態での復旧手順をお伝えする予定です。
お楽しみに!

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