RaspberryPiの初回セットアップ手順


RaspberryPiを最初からセットアップする機会がありましたので、自分の初回セットアップ手順をまとめます。
本記事にはOSを入れて、ネットワークに接続して、日本環境用の設定をして、などの"最初に1回だけ実施する設定"だけを記載します。

セットアップのポイント

  • RaspberryPiに電源以外のケーブルを1度も挿さずにセットアップ
  • CUIのみ
  • SSH接続で操作

環境

  • 端末: Raspberry Pi 3 Model B
  • OS: Raspbian Buster Lite 4.19 (Release: 2019-07-10)

手順

Raspbian(OS)のダウンロード

公式のダウンロードページからRaspbianをダウンロードします。
今回はCUIでいいので「Raspbian Buster Lite」を選択します(執筆時点の場合)。

なお、公式は海外で重いため日本のミラーサーバからダウンロードするのがおすすめです。
ダウンロード先については以下の記事がとても参考になりました。

Raspbianのダウンロードが遅いとき、または古いバージョンを使いたい時はミラーサイト

RaspbianをMicroSDに書き込む

環境や好みによって手順が異なってくる部分のため割愛します。
ちなみに自分はWindows環境で「Win32 Disk Imager」というソフトを使って書き込みました。

無線LAN設定

まだMicroSDをRaspberryPiに挿しません。
RaspberryPiが初回起動時から無線LANに接続されるように設定を行います。

無線LANのSSIDとパスワードを用意し、Unix系端末でwpa_passphraseコマンドを実行します。
ssidpasswordは各自のアクセスポイントの情報に書き換えて実行してください。

$ wpa_passphrase ssid password
network={
        ssid="ssid"
        #psk="password"
        psk=44116ea881531996d8a23af58b376d70f196057429c258f529577a26e727ec1b
}

wpa_passphraseコマンドが未インストールの場合はapt install wpasupplicantみたいにしてインストールしてください

そして、MicroSDのルートディレクトリにwpa_supplicant.confを追加します。
networkの中はwpa_passphraseコマンドで取得した値に書き換えてください。

# wpa_supplicant.conf
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP

network={
  ssid="ssid"
  psk=44116ea881531996d8a23af58b376d70f196057429c258f529577a26e727ec1b
}

ちなみに、pskには平文(暗号化されていないパスワード)を設定することも可能ですが、
なんとなく抵抗があるので、一応きちんとwpa_passphraseによって暗号化した方がいいと思っています。

SSHの有効化

初期設定ではSSHが無効になっているため、有効化します。
MicroSDのルートディレクトリにssh(空のファイル)を配置します。

このように2ファイルが配置されていればOKです。
ここまできたらMicroSDをRaspberryPiに挿し込み、電源を入れます。

RaspberryPiにSSH接続

起動後2~3分くらい経ったらSSH接続してみます。
RaspberryPiの初期の接続情報は以下です。

  • 接続先: raspberrypi.local
  • アカウント名: pi
  • パスワード: raspberry
# SSHコマンドで接続する場合
$ ssh [email protected]
raspberrypi

うまく接続できない場合、とりあえずpingを飛ばして原因の切り分けを行いましょう。

ping raspberrypi.local
  • 応答あり: SSHが有効になっていない、SSH接続のやり方が悪い、etc
  • 応答なし: 無線LANに接続できていない、RaspberryPiが正常起動していない、etc

ロケール情報の変更

以降の設定はSSH接続したRaspberryPiで実施します。
まずはロケールを日本語に変更します。

$ sudo localedef -f UTF-8 -i ja_JP ja_JP

Timezoneを変更

タイムゾーンを日本時間に変更します。

$ date
Sat 17 Aug 11:53:50 BST 2019
$ sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
$ date
Sat 17 Aug 19:54:52 JST 2019

ホスト名の変更

以下のファイルに記載のraspberrypiを任意のホスト名に書き換えます。

  • /etc/hosts
  • /etc/hostname

固定IP化

固定IPを設定します。
以下に記載のIPなどは環境に合わせて変更してください。
なお、設定は再起動後に有効になります。

# /etc/dhcpcd.conf
# 末尾に追記(既存は変更しない)
interface wlan0
static ip_address=192.168.1.80/24
static routers=192.168.1.1
static domain_name_servers=192.168.1.1

エディターをvimに変更

この項目の実行は任意です。
RaspberryPiの初期エディタはnanoですが、個人的に好きでないためvimに変更します。


sudo update-alternatives --set editor /usr/bin/vim.tiny

設定完了。そして

これで自分がやりたいことが開始できる環境が整ったと思います。
この先はセンサーを繋いだり、自宅サーバにしてみたり、etc。