Mint60 ビルドログ(困ったこと中心に)


自作(自組み立て?)キーボードのMint60を作ったので記録に残します。だいぶてこずったのでその辺中心に。同じようなとこではまった人の助けになればいいなー的なビルドログです。

(わぁい! キーボードがい~っぱい!)

組み立て中困ったこと

キースイッチが基板から浮いた

キースイッチを土台に取り付けた後、基板を上から押さえつけてしっかりはまったことが確認できたのでエイヤで進んでしまったのですが、スイッチ~基盤をはさむクランプか何かがあったほうがいいです。私の場合目視で1㎜くらい浮いてしまいました。性能的には影響ないと思いますが気にはなります。

大き目の洗濯ばさみ(タオル用のやつとか)か、小型のプラスチック製の無段階調整できるクランプ(こういうの 高儀 クランプ TAKAGI ホビークイックバークランプ 100mm 2個組 HQB-100-2P https://www.amazon.co.jp/dp/B00G8PR80G )がいいと思います。ホムセンで現物見て買うといいと思います。

横幅の長いキーが斜めになる問題

ほかの方も書かれていましたが、Shiftキーなどはスイッチとケースのガタのせいで微妙にずれてしまうことがあります。はんだ付けする前に手でひねってみるとわかると思いますが結構動きます。事前にキーキャップを付けて角度を調整し、キーを付けたままはんだ付けするといいと思います。

私は1回ずれたまま取り付けてしまい、はんだを除去してからもう一度上記の工程をやり直しました。2個くらい取り付けた早い段階で気づけたのでリカバーは簡単でしたが。

ちなみにやり直しのときにはんだ吸い取り線を使うのはお勧めしません。俗に言うシュッポン(白光(HAKKO) 簡易はんだ吸取器 ハッコースッポン 20G 白光(HAKKO) https://www.amazon.co.jp/dp/B001D7IGX2 とか)を使いましょう。作業性が段違いです。うまく吸えなかったときは、もう一度はんだを盛ってから一気に吸い取るとうまくいきます。

TRSコネクタがしぶい

組み上げた後にTRSケーブルを挿してから初めて気づいたのですが、コネクタがきつくてケーブルが入りにくかったです。原因はわかりませんが、はんだ盛りすぎてばね性能に影響した可能性もあります。ケーブル側のオスコネをぐりぐり回して入れるとすんなり入りましたが、はんだ付けする前に挿してみて確認すると良いと思います。

QMK使用中に困ったこと

qmk_firmwareにはだいぶてこずりました……。

avr-gccが入らない(2020-01-12追記)

Windows10 + MSYS2でファームをビルド&ライトしたのですが、avr-gccが無いと怒られました。redditのフォーラムで同じようなエラーメッセージが出た場合の対処を発見したのですが、そもそも/usr/local/opt/avr-gcc@7もexeも存在しておらず、通すパスがありませんでした。

何度か試した後、util/msys2_install.shの中を読んでみたところ、avrtoolchainはソースからビルドしたりしているわけではなく、http://ww1.microchip.com/downloads/en/DeviceDoc/avr8-gnu-toolchain-3.6.1.1752-win32.any.x86.zip をダウンロードして展開しているだけだとわかったので、手動でダウンロードして解凍、適当なフォルダに突っ込んで .bash_profileに

.bash_profile
export PATH="/usr/local/avr8-gnu-toolchain-win32_x86/bin:$PATH"

を追加するとめでたくavr-gccへのパスが通りました。この問題に3~4時間はかかったんじゃないでしょうか……。なんで入らなかったかは謎です。

[以下追記]

インストールが正常に終わると、homeディレクトリに.bashrcが自動生成されます。ここに追加のパス設定が記述されています。.bashrcを.bash_profileにリネームすると起動時読み込まれるようになるのでパスが通るようになります。

Win10+Mingw-w64 64bit環境では自動ロードされるのは.bashrcではなく.bash_profileなので設定が迷子になっていた、というオチのようです。(というのは、PC新調した際に気づいて旧環境を確認していないから)

実際キーボード使うときに困ったこと

ファームを焼くところまではうまくいったのですが、まだまだ困ったことは続きます。

日本語JISキーボードとして認識される

Mint60は英語配列キーボードだと思うのですが(?)、日本語キーボードとして認識されてしまいました。ノートPC備え付けのキーボードが日本語配列だからでしょうか?

問題の解決法としては

  1. ハードウェアキーボードの設定を英語配列にする
  2. レジストリをいじってMint60を英語配列キーボードとして認識させる
  3. 言語設定を追加して英語配列キーボードを登録する

があります。

ノートPCにつないだ時に、ノートPCのKBは日本語配列のまま、Mint60は英語配列で使いたかったので3を選択しました(1はいちいちサインインしなおさないといけないからだるいし、2は可搬性が低いし一回試したらノートPC側も英語配列になってしまったので諦めが発生しました)。

Win10なら「すべての設定」→「時刻と言語」→「地域と言語」→「言語を追加する」→「適当な言語設定を入れる(English(United States)とか)」→「オプション」→「キーボードの追加」→「US QWERTY」で設定できます。

(各位わかりやすいサイトなど調べてください)

こうすると日本語IMEと追加した英語設定がWin+Spaceで切り替えることができるようになるので、ノートPC側で使いたいときと日本語入力をしたいときには日本語IMEを、Mint60を英語配列で使いたいときはWin+Spaceで英語配列キーボードへスイッチして使います。

だいぶラクです。

傾斜が足りない

ずっとステップスカルプチュア構造のキーボードを使っていたのですが、指を持ち上げる腱が疲れてくるので、XDAプロファイルのキーキャップを購入(https://talpkeyboard.stores.jp/items/5c2efbc77cd3613ff745516b) しました。しました、のは良いんですが今度は付属のゴム足では傾斜が足りず打ちづらくなってしまいました。

なので、大き目のゴム足をホムセンで買って取り付けました。本当はゴム足じゃなくて扉と壁が当たるところに貼る緩衝材のようですが……。

ひとまず快適なのですが若干高さが足りないような気もしてきたので、この辺は今後改善していく予定です。

クリア軸軽すぎ問題

以前に別の静音赤軸キーボードを改造して、小指キーをすべてGateronクリア軸に交換して使っているのですが、Mint60は全キークリア軸にしてみました。その結果軽すぎてどのキーもちょっと腕が触れるだけで入力されてしまい使い始めた当初はひやひやしました。「何か入力してるかも!?」と疑心暗鬼になりCtrl+Zを連打して確認するなど。

ただこれは慣れで、この記事を書いている間にだいぶ慣れてきました。軽いとタイプ速度が速くなりますね。如実に。腱鞘炎にもなりにくそうです。

余談

余談です。

あったほうがいいもの

前述のとおり、シュッポンあったほうがいいです。

あとは他の人のビルドログにも書いてありますが、2液混合式の接着剤はちゃんと用意したほうがいいです。当初「USBコネクタの固定くらいホットボンド(グルーガンのやつ)でいけるんじゃね?」と思いましたが、かなり力がかかるのでホットボンドだと不安です。

基板面を掃除する刷毛なんかあると便利です。とびちったフラックスとかシュッポンで吸い出したはんだの粉をサッサと除去できます。

あとは長いTRSケーブルと長いマイクロB USBケーブル。分離式はケーブルが長くないと取り回しが大変なので。TRSケーブルは1Mはあると幸せになれるんじゃないでしょうか。

なくてもよかったもの

ブレッドボードはなんやかや必要になるのであったほうがいいですが、Mint60のビルドだけのためだったら、ホットボンドで固定すればいけると思います。ホットボンドを持っていないなら100均で買うか、ブレッドボードを買いましょう。なんなら両方買いましょう。便利です。

オレオレキーマップ開陳

keymap.cは読みにくいので画像で。

上が標準、下がモディファイアキーであるFn同時押し時の入力。

UIOHJKLNのFn同時押しにアローキーやHome、Endなどが、EscのFn同時押しに半角/全角が割り当たっているのは市販の分割式キーボードMistel BAROCCOの設定を流用しています。そこに好みで右手SpaceキーにFnキーを割り当てています。これ、おすすめです。ホームポジションから手を離すことなくキー移動ができます。

以上でおしまいです。

(以上の記事はMint60で書きました)