自由なソフトとオープンソース(FLOSS)のライセンススライドを翻訳してみた


はじめに

2017年の投稿だが、 The Free-Libre / Open Source Software (FLOSS) License Slide を翻訳してみた1

ライセンスの包含関係図がいい。

自由な/オープンソースなソフトウェア (FLOSS)のライセンスのスライド

Free-Libre / Open Source Software(FLOSS)ライセンスは多数ありますが、広く使用されているものはごくわずかです。
広く使用されているライセンスは互換性がある傾向があります。つまり、ソフトウェアを組み合わせてより大きな作品を作成できます。
次の「ライセンススライド」の図は、一般的なライセンスを組み合わせることができる場合を簡単に示しています。

この図で、青色の箱は、さまざまなFLOSSライセンスの名前です。

箱Aから箱Bへの矢印は、ソフトウェアをこれらのライセンスと組み合わせることができることを意味します。
組み合わされた結果には、実質的にBのライセンスが含まれ、おそらくAからの追加が含まれます。

ソフトウェアを組み合わせられるかどうかを確認するには、それぞれのライセンスから始めて、矢印に沿ってたどり着ける共通の箱を見つけてください。

たとえば、Apache 2.0でライセンスされたソフトウェアとGPLv2+でライセンスされたソフトウェアは、どちらも「GPLv3またはGPLv3+」に到達できますので、GPLv3またはGPLv3+を使って組み合わせることができます。

この図は注意深く作成されているため、パスをたどることで、2つのライセンスに互換性があるかどうかを判断できます。
詳細については、ライセンステキストを調べる必要がありますが、これにより基本的な答えがすばやく得られます。

左側にあるのは「寛容(permissive)」なライセンスで、ソフトウェアがプロプライエタリになることを許可するものです。

左上の「パブリックドメイン」は厳密にはライセンスではありませんが、実際にはライセンスのように機能します。
著作権法の意味で、パブリックドメインは、作品に著作権がまったくないことを意味します。
パブリックドメインのソフトウェアであれば著作権の意味で何でもできますが、それは稀です。
ソフトウェアが明示的にパブリックドメインにリリースされたものでなければなりません。

次に、いわゆる「MIT」または「X11」ライセンスですが、これは非常に寛容です。
MITライセンスに基づくソフトウェアは、最新の3条項BSDライセンスと簡単に組み合わせることができます。
3条項BSDライセンスは、MITライセンスと比較すると、著者名を使用して許可なしに製品を宣伝または販売促進することを禁止する条項が追加されます。

最後に、Apacheバージョン2.0のライセンスがあります。

右側にあるのは、ソフトウェアがプロプライエタリになるのを防ぐ「強く保護される(strongly protective)」(「強力なコピーレフト」)ライセンスです。
これには、最も一般的なFLOSSライセンスであるGNU General Public License(GPL)が含まれます。

GPLにはGPLv2とGPLv3があり、後の「+」は「バージョンX以降」を意味します。
GPLv2のみのライセンスは、ネットワーク保護のAffero GPLv3と組み合わせることができませんが、GPLv2+はGPLv3を介して組み合わせることができます。

真ん中にあるのは、「弱く保護される(weakly protective)」(「弱いコピーレフト」)ライセンスで、寛容なライセンスと強く保護されるライセンスの妥協点です。
これらは、ソフトウェアコンポーネント(多くの場合、ソフトウェアライブラリ)がプロプライエタリになるのを防ぎますが、プロプライエタリなプログラムの一部になることを許可します。

GNU Lesser General Public License(LGPL)は一般的な弱く保護された保護ライセンスであり、LGPLv2.1とLGPLv3があります。
LGPLv2.1は、GPLv2以降のGPLのどのバージョンでもコードを再ライセンスする許可を与えていることに注意してください。

このようなライセンスのもう1つはMozilla Public License 1.1(MPL 1.1)ですが、MPLには、広く普及しているGPLと互換性がないという欠点があります。
MPLモジュールをGPLのプログラムで使用することはできません。

この情報は正しいと思われますが、法律上のアドバイスではありません。正式な法律上のアドバイスは弁護士にご相談ください。

さいごに

日本のwikipediaは3箇所でこの図を使っているが、この投稿のように丁寧な説明がない。

このライセンスの包含関係図はライセンスを学ぶ上で役立つと思って翻訳してみた。

この図に書かれていないが、CC BY-SA 4.0からGPLv3に向かう矢印があると考えられる。
それから、CC BY-SA 2.0から2.0以降のバージョンのCC BY-SAに向かう矢印があると考えられる。2


  1. The Free-Libre / Open Source Software (FLOSS) License SlideはDavid A. Wheelerによる投稿でCC BY-SA 3.0かGFDLかGPL(v2 or later)の下で使用されている。「FLOSSのライセンスのスライド」の章はその日本語訳でCC BY-SA 4.0の下でライセンスする。「はじめに」と「さいごに」の章を追加。 

  2. https://creativecommons.org/share-your-work/licensing-considerations/compatible-licenseshttps://wiki.creativecommons.org/wiki/ShareAlike_compatibility