CODE for X のアーカイブ事情(SNSからWebサイトまで)
こちらは、Civic Tech Advent Calendar 2017の22日目(!?)の記事です。皆さまお疲れ様です。
こんにちは、CODE for GIFU のお手伝いをしている、古郡(@kupoyuki)です。
先月末、ひと月あるから参加余裕やろ、と思ってたら全然そんなことなかった…遅刻してすいません!
自分は普段デザイナー寄りのことをやっていて、全然エンジニアじゃないのですが、全国たくさんあるCODE for団体を見ていて、アーカイブ周りに興味持ったので、まとめておきます。
長くなったので結論を先に言っておくと、「CODE for GIFUも素敵なWebサイトが欲しい!!!」です。
よろしくお願いします
CODE for GIFUのアーカイブ事情
最初に自分が「CODE for GIFU」(以下CfG)のことを知ったのは、昨年5月頃。仕事でオープンデータにかかわることになったのがきっかけでした。
CfG…一体何者なんだ…。
そのとき、CfGを全く知らなかったので、Googleで検索しました。
自分がCfGについて知った2016年春頃検索して出てきたのは、CfG石井さんの初心表明プレゼン(懐かしいPrezi)。
で、FBページ。SNSは単体ではカテゴライズやグルーピングの機能に乏しく、物によっては検索性が高くないので、アーカイブとしては内部的にも外部的にもしんどいところがあります。(FBは特にイベント機能以外はありとあらゆる情報がタイムラインで一緒くただし文章を読ませるUIでないので、自分はじっくり見る気にならない)
それから、CfG代表の國枝さんが2014年末に書いた1年を振り返るQiita記事…。
正直、CfGのアーカイブは、外から検索できる形としては整備されてないと感じました。(実際ほとんどしてなかった)
結果、いまいちピンと来なくて(いろいろわかってる人向け)、「最近は何も開発してないんだな…」「なんかよくわかんないけどまちをあるくんだな…」的な感じでした。最初自分はCODE forの人たちは、アプリとか開発する人たちだと思ってたのです。
仲良くなって初めてわかる「シビックテック」
それから実際に、イベントを一緒にやったり、参加したりして、CfGの人たちの特性や目指していることがわかってはじめて「何もやってないわけではないんだな…」と思ったわけですが、同時に「中に入らんとわかんねーな」とも思いました。
何も知らない人間にとっては、検索して出て来る「アプリ」や「賞」や「展示」がやっぱりわかりやすい成果(例えば、「まちを良くしたい」という動機が見えやすい)なのですが、そういうモノを作っていないところでも、みんな、普及啓発やら対話やらWSやら、すぐには成果が見えづらいところにエネルギーを注いでることを知りました。そっちのが重要だと思っている様子もあります。
決してディスってるわけではなく、それは、例えば「多様性」を配慮した改善を行うために必要なことであり、市民活動のあるべき姿として、みんなが理想として捉えている、ということかと思います。
「わたしごと」は共有されて、周囲の共感を手に入れることで、それぞれの「じぶんごと」となる。そこで初めて解決する方法を考えるようになれる。「ひとごと」への対策は、本質的な解決にならないように感じています。
「みんなでやる」ということを理想とし、その方法を、シビックテックに関わる人達は、広める役割として自負している、ような印象。だからこそ、モチベーションを保つためにも、参加者の多様性を確保するためにも、それらの見えづらいところにかけられたエネルギーをアーカイブ化することの大切さを自分は感じます。
だから、岐阜でいえば、「まち歩き」を何のためにするのかまで、アーカイブを見て、きちんとその意義が理解できればめっちゃ良いなと思いました。(まち歩きは、まちへの愛着を鍛えるためにやっているという認識でいますが、ほかの言葉に引っ張られてその理解が遅れることがあります。そういう意味では、CfGでやってる天文部や手芸部もそれに近くて、誰かと一緒に何かをすることの楽しさを訴えるものであるはずです。CfGの絆を強くする活動…。多分……)
ちなみに、自分は「わかりやすい成果(があれば自然と人は寄ってくる)派」ですが、そのためにももちろんアーカイブは重要です。作っても、見てもらえないのはもったいないです。
アーカイブは大事
そもそも、「インターネットで出てこないものはこの世に存在してないのと同じ」ってくらいの時代なので、アーカイブが大事なのは自明なことですが…
なにを/なぜアーカイブをするか
そもそも、いろんな文脈で「アーカイブ」って使うと思うんですが、一般的な目的としては、自分や関係者が見返す用と、外部への布教やアピール用が主だと思います。
同じ組織の人間が見返すときのことを考えると、
- 写真
- 講演・発表資料
- アンケート・つぶやき(Togetter)など、参加者の反応
があれば十分ではないでしょうか。(他にも必要なものがあったらぜひコメントください)
さらに、CODE for同士の横展開や、オープンソースなどの文脈に配慮するなら、
- ソースコード
- アイデア
- 作法や手法(レギュレーションやメソッド)
も、アーカイブすべき対象であるはずです。
また、市民活動であれば、外の人をどんどん巻き込みたいものだと思うので、それらのコンテンツは同時に、分野に関わりのない人が見てもわかる資料としての役割を果たすべきだと考えます。
そうなると、以下のように編集し直す必要性が出てくると思います。
- 私たちが何者か、何を目指す集団であるか(思想・理念)
- 継続して何らかの活動をしており、何らかの目的を伴う(プロジェクト・アクティビティ)
- その活動は、魅力的である(人・モノ・環境)
今までしてきた活動や成果物を、プレゼンしやすいようになってると理想です。
正直、「シビックテック」は、自分たちから外にアピールしていかないと、外の世界から自然にアクセスしてくれることはほぼない分野だと感じます。現状、「シビックなんとか」や、「CODE for X」という検索ワードを直接入れないと、ヒットすらしないことが多いです。さらに言えば、「市民活動」はまだまだ「意識高い系」だ(と思われている)と、身の回りの人たちを見ていると思うことが多いです。そういう人たちに、わかりやすく魅力的に伝える工夫が必要です。
まとめると、アーカイブには「組織内向け」「関係者向け」「関係者以外向け」の3つのレイヤーがあり、できればそれぞれを意識しつつ編集しなおし、しかも有効に活用すべきだってことが言いたい。できたら苦労してない話ですね。
アーカイブはつらい
自分も今、少し広報に関わる仕事をしているので、写真とったり、Togetterまとめたり、Twitter実況したりって、くそめんどくさいなと思います。MashUpAwardの網羅感と物量はマジですごい。
たとえ仕事でも、実況したり、イベント終わったあとにレポートとか報告書書くの、かなり体力を使いますよね…? アーカイブするまでがイベント……。
どうやってアーカイブするか
そんな感じで、まずやる気を出すのが大変なんですが、
大変になる一つの要因として、複数のメディアに分散しているということが理由に挙げられると思います。
- 集客・拡散は「Facebook」
- 参加者管理は「チケット管理サービス(有料イベントならPeatix、無料ならconnpass)」
- イベント中は「Twitter」
- レポートは「FB」か「ブログ」か「Medium(意外と使ってるとこあって驚いた)」
- 資料管理は「SpeakerDeck」か「slideshare」
- アイデアは「Googleドライブ」
- データは「カタログサイト」や「Linkdata」とか…?
- 写真は「Flickr(CCだけど、重すぎると落とせなくなる)」や「Googleフォト」
- コードは「Github」
- ノウハウは「Qiita」
……例えばこんな感じでしょうか。(頭がおかしくなって死ぬ)
それぞれのサービスごとに得意分野があるので、併用が前提になっていると思います。そうしないと、やるべきことが成立しないし、でも増えれば増えるほど管理が大変だし、人がいなくなるとなおざりになるし…。
せっかく大変な思いをしていろんなところにログを残しているんだから、それをきちんと効果的なアーカイブとして整備したいはずです。
団体の性質に合わせて使い分ければいいと思うのですが、詳細なアーカイブを残そうとすると、どんどん細分化していく。その中で、特定の情報を整理し取り出しやすくするなら、「<プロジェクト/イベント/プロダクト>単位でまとめる」ことが必要だと思います。
そして、必要なはずです、それぞれのメディアをつなぎ合わせてアクセスするための、「Webサイト」という存在が!!
「CfGも、そろそろWebサイトを作るべきだと思うんですよ!」
アーカイブの話をしたのは、今CfGの石井さんが地域間連携に興味を持っていて、各CODE forの情報を人力クローリングしているのですが、それを少しお手伝いしたことも理由の一つです。
今、Code for Japanのサイトにのってる公認ブリゲードとそれ以外を合わせて、リンク切れやネット上で存在を確認できないところを除き、76団体あります。まだクローリング途中かつ、CfG調べなので、おそらく実態はもっと多いはず。
そのうち、Webサイトを所有しているのは、
公認 39団体中、31団体。
非公認 37団体中、18団体。
結構みんなWebサイトもってますね!
公認ブリゲードの条件に「連絡先や運営メンバーが分かる公式HPがある」って書いてありますからね!(CfG……?)
だから、CfGもWebサイト作ったほうがよくないですか?
誰が作るの?誰が運営すんの?
何回か提案していると「だったら作ってよ」って言われるのは自然な流れ…。自分が作るとなると、確かに運用コストに見合わない、と思うのも事実……。FBは楽だし、いいかんじに機能がまとまってるし(嫌いだけど)。
そもそも、Webサイトに載せるコンテンツがないんじゃない的な指摘や、ドメイン料、サーバ代……うっ頭が
この記事を書くにあたって、今確認できる限りのCODE forのページを見たんですが、Webサイト上に、ブログ形式以外で最新の情報が反映されているところはそんなに多くないです。記事一つかくのもこんなに大変なんだから、Webサイトまで面倒見れるか!っていう気持ちもわかります。そうなってくるとWiki的なものがいいんじゃ?とか、新たな選択肢も生まれてきて悩みます。
でもやっぱり、個人的には、Code forは、エンジニアが力を発揮する場としての役割もあるはずなので、すごいWebサイトをつくってほしいという気持ちがある…。すごいWebサイトがほしい…!!!
とはいえ、見切り発車(※)するとその後放置されるパターンが目に浮かぶので、なるべくコストをかけずに、かつ気持ちよくまとまってくれる運用方法を今後も考えていきたいと思いました。
(※ Civic Tech Summit Kanazawa 2017で伴野さんに鼓舞されて「エンジニアじゃなくてもやればできるやろ!」と意気込んで、サーバ代やドメイン代がないなら、Github.ioとjekyllで試してみて、CfGへのクリスマスププレゼントにするで!と盛り上がったのですが、結局間に合いませんでした ところで、みんなのサーバやドメイン代のお金はどこから捻出しているんでしょうか??サーバもドメインも特定のメンバに依存する形だと困りますよね…)
まとめ
というわけで、普段やっている活動の一つを散らからないようにまとめて、プロジェクト単位でわかりやすく、かつ魅力的に見せる何かがほしい、という主張でした。
Knowledge Connecterは、アーカイブや再利用を想定した構成のはずで、思想としては共感できるんですが、散らかり感+無闇に重たいので…。大規模になるとこうなってしまう宿命なんでしょうか。
CODE forを運営するにあたって、コストをかけずに、外部の共感を得るために記載すべき情報や、プロジェクトのまとめ方などを、一度議論できればよいなと思ってこの記事を書きました。もし皆さんが興味あるなら、アーカイブの規約や雛形を考える機会を持てればいいなと思います。(すでにあるなら教えてください)
追記:
アーカイブ周りといえば、「LinkData.org」のことを忘れてました。(Knowledge Connecterの親)
オープンデータ関連のポータルになってると思うのですが、このあたりはもっと詳しい人にじっくり語ってもらいたい。オープンデータのカタログサイト周りの話も聞きたいですね。
おまけ:デザイナー的に参考にしたいWebサイト
クローリングしたCODE forのWebサイトの中に、デザインがきれいで、プロジェクト単位でわかりやすくアーカイブしてあって、デザイナー的にすきだな~と思ったところを紹介します。
Code for Hakodate https://codeforhakodate.org/
「イベント」「プロダクト」「プロジェクト」に分類してあるところはほかにもあったんですが、デザインも含め、見やすいな~と感じました。あと、イベントのサムネイルになってるFBイベントのヘッダ画像が凝ってて好きです。
Code for Ikoma https://www.code4ikoma.org/
親しみが持てるデザイン+プロジェクトの中身が非常に詳細で、気持ちいいです。トップにわかりやすく表示してあってアクセスしやすい。プロジェクト単位でまとめるのいいな~と思ったのは Ikomaのサイト見たからです。それから、「ストーリー」というコラム的なコンテンツの作り方がIkomaらしくて面白い。タイトルの付け方も大事ですね。
CODE for CAT http://code4cat.org/
モダンな感じでおしゃれです。コンテンツはまだ少ないですが、すごい興味をひきます。
おまけ2:写真やバナーはこだわりたい
これはデザイナーとしての意見なのですが、写真やサムネイルが良いだけでめっちゃコンテンツの質があがって訴求力が高まる感じがします。(この記事は文字ばっかですいませんw)
ぜひ状況記録のためだけでなく、楽しそうに見えてかつ、解像度が高くて、きれいな写真や画像のアーカイブをすすめていきましょう!
Author And Source
この問題について(CODE for X のアーカイブ事情(SNSからWebサイトまで)), 我々は、より多くの情報をここで見つけました https://qiita.com/kupoyuki/items/c488b65c96d74e0939f7著者帰属:元の著者の情報は、元のURLに含まれています。著作権は原作者に属する。
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