Windows10でTeXLive2017


十年ぶりくらいでTeX触ったらいろいろと変わっててびっくりしたよ。

インストール

いまどきはTeXLive

むかしはteTeXでしたね。Win32TeXもありました(今もある)。

インストーラをダウンロードして実施する。install-tl-advanced.batを利用して最低限の環境だけセットアップする(フルスキームのインストールとか言ったら、うちの型落ちの環境だと一日かかるよ無理だよ)。

  • 不可欠なプログラムとファイル
  • Windows限定サポートプログラム

インストール先も可搬設定にしておきましょう。トレイアイコンからしか使わないので。

日本語環境

大きく分けると2種類になると思う。

  • uplatex + dvipdfmx(従来資産活用型)
  • lualatex(グローバル追従型)

upLaTeX + dvipdfmx

日本で主流なplatex系列。従来資産が豊富。ネット上の情報だけでもノウハウが充実している。コンパイルが高速。フォントの設定は魔窟。でも最近はほんとに良しなにやってくれる。

インストールパッケージは大体以下を指定すればよい。

  • uplatex dvipdfmx
  • babel-japanese jsclasses japanese-otf-uptex
  • adobemapping updmap-map ptex-fontmaps

埋め込みフォントを指定する(ここでは小塚明朝、配布時はライセンス注意)。

luaLaTeX

海外で主流なpdfTeXの後継。pandocとか使うならこちらでないと連携できない。コンパイル遅い。とにかく遅い。

インストールパッケージは大体以下を指定すればよい。

  • luatex latex-bin
  • luatexbase luatexja luaotfload
  • ctablestack oberdiek ifluatex xkeyval etoolbox filehook
  • adobemapping ms lm ipaex amsfonts l3kernel l3packages fontspec

実例

和文縦書き

%% for lualatex
\documentclass{ltjtarticle}
\usepackage[kozuka-pr6n]{luatexja-preset}

%% for uplatex
% \documentclass{utarticle}
% \usepackage[expert]{otf}

\begin{document}
\part{幸田露伴「雲のいろ〳〵――卿雲」}
景雲といひ、卿雲といひ、慶雲といへる、しかと指し定められたる雲にはあらざるべし。
卿雲爛たり糺縵〻たり、といへる、煙にあらず雲にあらず紫を曳き光を流す、といへる、
大人作矣、五色氤氳、といへる、金柯初めて繞繚、玉葉漸く氤氳、といへる、
還つて九霄に入りて沆瀣を成し、夕嵐生ずる處鶴松に歸る、
といへる詩の句などによりて見れば、歸するところは美しき雲といふまでなり。
\end{document}

upLaTeX

luaLaTeX

euler フォント

%% for lualatex
\documentclass{ltjsarticle}
\usepackage[kozuka-pr6n]{luatexja-preset}
\usepackage{amsmath}
\usepackage{unicode-math}
\setmathfont{Neo Euler}[math-style=upright]
\usepackage{luatexja-ruby}

%% for uplatex
% \documentclass[uplatex]{jsarticle}
% \usepackage{mathptmx}
% \usepackage{euler}
% \usepackage{okumacro}

\title{ミルカさんとフィボナッチ数列\footnote{http://www.hyuki.com/story/genfunc.html}}
\author{結城浩\footnote{http://www.hyuki.com/\ Hiroshi Yuki \copyright\ 2005, All rights reserved.}}
\date{2005年10月}

\begin{document}
\maketitle

upLaTeX

TeXLiveにeulerパッケージを導入する。

luaLaTeX

OSにNeo Eulerフォントを導入する。

ちょっとΣの文字の大きさが違ってたりする。