ライブマイグレーション


応用情報技術者平成30年秋期 午前問12

仮想サーバの運用サービスで使用するライブマイグレーションの概念を説明したものはどれか。

1、ライブマイグレーション(Live Migration)
"Migration"には「移動」や「移住」などの意味があり、"live"は「生で」「生の」と訳されるので、2つを繋げた"Live Migration"は、アプリケーションを実行状態のまま移動させる技術ということを表しています。
ライブマイグレーション(Live Migration)は、ある物理サーバ上で稼働している仮想マシンを、OSやソフトウェアを停止させることなく別の物理サーバに移し替え、処理を継続させる技術です。切り替えによるダウンタイムはほとんどゼロで、移動前の処理やセッションが全て引き継がれるため可用性を損なうことがありません。

2、ストレージ自動階層化の概念
データの利用目的や頻度などに応じて,データを格納するのに適したストレージヘ自動的に配置することによって,情報活用とストレージ活用を高める技術である。

「ストレージ階層化」とは、異なる性能のストレージ・デバイスを組み合わせ、利用頻度の高いデータを高速なデバイスへ、利用頻度の低いデータは安価で低速なデバイスに保存するという考え方です。
現在、主流のストレージ・デバイスとしては、高速なものから順に「SSD」、「SAS HDD」、「SATA HDD」などがあります。一般的に、高速になるほど、容量は小さくなり容量あたりの単価は高くなります(図1参照)。

・SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略で、HDDと同様の記憶装置です。半導体素子メモリを使ったドライブ(記憶媒体)のことを指します。

SSDに用いられている「フラッシュメモリ」のデータを記録する最小単位をセルと呼びますが、このセルは徐々に劣化を起こします。一般的な「NANDフラッシュメモリ」の場合、セルはおよそ1千~1万回程度の書き込みと消去で寿命に達します。 毎日頻繁に大量のデータを書き換える場合などはHDDを選択しましょう。

3、マルチテナントの概念
複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながら,利用者ごとにデータベースの内容を明確に分離する技術である。

4、リソースオンデマンドの概念

利用者の要求に応じてリソースを動的に割り当てたり,不要になったリソースを回収して別の利用者のために移し替えたりする技術である。

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補足

仮想サーバの運用サービスで使用するライブマイグレーションの概念を説明したものはどれか。

・データの利用目的や頻度などに応じて,データを格納するのに適したストレージヘ自動的に配置することによって,情報活用とストレージ活用を高める技術である。
 →×。ストレージ自動階層化の概念です。

・複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながら,利用者ごとにデータベースの内容を明確に分離する技術である。
 →×。マルチテナントの概念です。

・利用者の要求に応じてリソースを動的に割り当てたり,不要になったリソースを回収して別の利用者のために移し替えたりする技術である。
 →×。リソースオンデマンドの概念です。

参照:

ストレージ自動階層化とは
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/245/

SSD
https://www.pro.logitec.co.jp/about_hdd/hddssd/0718/

ハードディスク HDD(SAS、SATA)、SSD
HDD(hard disk drive)とSSD(solid state drive)
https://itskillmap.com/menu2_07/