Salome-Meca普及の課題

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salome-meca Code-Aster OpenCAE OpenCAE テキストリンク

はじめに

  • この記事は第62回関西CAE懇話会「OpenCAE研究会（1）活動報告」で発表した内容です。
  • 2018年の発表内容ですので、現在と状況が異なる内容もありますが、あえて誤字以外は、ほぼそのままにしています。
  • 実行できていない内容が多いですが、当時の思いはこうだったということで、あえて公開しました。

Salome-Mecaとは

  • EDF（フランス電力公社）が提供している、Linuxベースのオープンソース構造・熱解析ソフト
    • Code_Aster　　：　解析ソルバー
    • Salome-Meca　：　プリポストを中心とした統合プラットフォーム（SALOME Platform）に、Code_Asterをモジュールとして組み込んだもの
  • Code_Asterは、構造力学、熱力学を中心に非常に高度で多彩な機能と400を超える要素（1次元、2次元、3次元ほか）を有しています。また、2,000以上のテストケースと、13,000ページ以上のドキュメント（使用方法、テクニック、理論的背景）、公式フォーラムなどがあり、他のオープンソースCAEソフトと較べてサポート体制が充実しているのが特長です。
  • Code_Aster & Salome-Meca 日本語解説より

Salome-Mecaの過去の課題

No. 課題 現状
1 活用情報 日本語の活用情報が微小 各地でオープンCAE勉強会が発足、CAE懇話会でも日本Salome-Meca活用研究会（以後、JSWG）が発足
2 文書資料 フランス語 各地のオープンCAE勉強会、JSWGで日本語チュートリアルを作成
3 システム Linux Only 岐阜高専の柴田先生がAll in Oneの「DEXCS-SALOME」を公開
4 ソフトウェア・メニュー 英語 JSWGで日本語化を実施。本家EDF版にも採用

Salome-Mecaの現在の課題①

  • Salome-Meca 2017よりAsterモジュールが廃止1
ステップ Salome-Meca 2016（従来） Salome-Meca 2017～
ジオメトリ定義 SALOME(Geometry） SALOME(Geometry）
メッシュ生成 SALOME(Mesh) SALOME(Mesh)
データ設定 解析コマンドファイル雛形作成 SALOME(Aster)
- Wizard		 対応モジュールなし
解析コマンドファイル作成・編集 SALOME(Aster)
- Eficas		 SALOME(AsterStudy)
計算開始 Astk
結果分析 SALOME(ParaVis) SALOME(ParaVis)

Salome-Meca 2016（従来）

Asterモジュール

解析コマンドファイル雛形作成

Wizardで以下の設定

  • 静荷重弾性解析
  • 固有振動数解析
  • 熱伝導解析
  • 亀裂解析

解析コマンドファイル編集

Eficasを用いて目的に応じてコマンドファイルを編集

  • 複数材料
  • 接触
  • 材料非線形

Salome-Meca 2017～

AsterStudyモジュール

解析コード作成

新しいインターフェイスで、すべての解析コマンドファイル入力が必要

Salome-Mecaの現在の課題②

  • 最新のCode_Asterでは過去のチュートリアルの解析コマンドファイルが実施できないことが多い
  • Code_Asterにバージョンが存在し、バージョンアップとともに過去に設定した解析コマンドファイルが使えないことが多い
Salome-Meca stable testing
2009.1 9.4
2010.2 10.2
2011.2 10.5
2013.1 10.8 11.3
2014.1 11.5 12.1
2015.1 11.7 12.3
2016 12.6 13.2
2017 12.8
13.4
2018 13.6 14.2

Salome-Meca活用研究会の今後の活動①

Salome-Meca活用研究会の今後の活動②

  • 最新のCode_Asterでは過去のチュートリアルの解析コマンドファイルが実施できないことが多い
    • Open CAE Users WikiにあるFS氏資料について最新バージョンである2018で動く解析コマンドファイルを作成・公開予定（公開方法は未定）45
区分 No. 解析内容
線形 1 単一材料の構造解析（v2018、v2019）
2 特性が異なる複合材料の構造解析（節点を共有する、しない）
3 熱応力（線膨張係数が異なる材料で構成されたモデルが温度変化したときに発生する応力）
4 熱流解析（熱流速を与えたときの温度分布）
非線形 5 接触解析（摩擦あり、摩擦なし）
6 弾塑性解析
7 接触と弾塑性解析
8 非線形の熱応力（はんだの塑性ひずみ）
動解析 9 モーダル解析（共振周波数、共振モード）
10 周波数応答（減衰あり、なし）
11 過渡応答（時刻歴応答）
連成連携 12 熱-構造の連成解析
13 熱応力の結果（温度分布）をファイルに出力し、その結果を読み込んでの構造解析

参考文献

  1. EDF. Code_Aster training/Module 1/01-Presentation of code_aster and Salome-Meca,(accessed 2020-02-15).
  2. オープンCAE学会 資料翻訳委員会. Code_Aster training/Module 1/01-overview,(accessed 2020-02-15).
  3. オープンCAE学会. オープンCAEワークショップ2011「SalomeMecaによる構造解析（線形・非線形）の紹介」,(accessed 2020-02-15).

  1. Salome-Meca2019でAssistantと名前を変えてWizardが復活しました（2020年12月04日追記）。 ↩

  2. JSWGのHPにアクセスできなくなっています（2020年2月15日追記）  ↩

  3. Salome-Meca活用研究会を含めたOpenCAE研究会は今期、活動ができていません（2020年2月15日追記） ↩

  4. 公開の場がないため、今後はQiitaに公開します（2020年2月15日追記）。 ↩

  5. GitHub上で一部公開しています。 ↩