情シスのスキルセットについて考えてみた


自分のスキルの棚卸を兼ねて、マインドマップで下図の通り整理してみた。

情シスのカバー範囲が広いことはしばしば語られるが、具体的に落とし込んでいくとキリがないw
なので、大まかには自身の経験をまとめているが、将来のことも考慮してAIやスマートスピーカなどを加えている。
要素技術的なことを項目として挙げているものの、これらは組み合わせ、掛け合わせで様々な仕事をこなすことを想定している。
例えば、事務所移転は、以下のようにほぼすべての要素の組み合わせと考えられる。

事務所移転のスキル:(予算管理+業務知識+外注管理)(プロジェクトマネジメント+インフラ+セキュリティ+BCP)
 
*、+は適当です。

マインドマップについての説明は以下の3つに分けて整理した。
それぞれ簡単に説明する。

・マインドセット
・技術(スキル)
・ビジネス(スキル・知識)

マインドセット

職業倫理

情シスに限らずの話ではあるが、高い職業倫理を求められる。こと情シスにおいて強調すべきは#池の水全部抜く的なIT にあげられるように、会社をぶっこわすことができてしまう。実際に事件は起きている*1ことから情シスにヤバイ奴いるとまー大変なことになる。
経営者においては情シスの取り扱いには十分注意されたい。

学び続ける力

これも情シスに限った話ではない。できる奴は成長し続ける奴。学歴だけで偉くなれる時代はとうの昔に過ぎ去った。広範な業務をこなすためには社内外、ネット、書物などいろんなところにアンテナを張り続け吸収し続ける必要がある。

変化を楽しむ

今や業務改善にITの力を借りないことはほぼない。業務効率化、コスト削減、事務所の移転そして此度のCOVID-19による働き方改革。その変化を自らが先導者となり旗を振り続ける気概が求められる。ときに破壊神と呼ばれようともいつか再生の女神となるよう人々に夢と希望を適度に与えられるように変化をマネジメントしたい。

技術

プロジェクトマネジメント

技術力はもちろんあったほうがいいに決まってる。
日本の大きな事業会社はSIerに依存する割合が多くなかなか自ら手を動かして新たなことをすることが少ないかもしれない。一人でできることは小さなことしかできない。しかし、内部、外部の力を借りて大きな変化を起こすことは可能だ。そのうえで必要なスキルはプロジェクトマネジメント。PM力は経験を重ねるほどに熟成することから早いうちに身につけたい。
一方、中小企業では冒頭に述べた通り、何でも屋になりがち。ということは仕事に追われやすい環境でもあるわけなので、自らの仕事を優先度をつけて円滑に遂行するセルフマネジメントがやはり必須。

インフラ

インフラとひとくくりにするのもおおざっぱだが、今や電気が通っているモノは情シスに聞けみたいな雰囲気がある。正直「知らんがな」という言いたくなることもしばしば。
ガジェット好きなら突き詰めるのもあり。

ヘルプデスク

正直なんやかんや言ってもメイン業務。人助けの精神。仏の心でお迎え。
業務時間の8割は使っちゃう。
そして、残業時間で自分の仕事するみたいな生活。
困っている人を助けるという世の中の仕事の基本はいつまでも大切にしたい。
けれども相手によってはそれなりの対応を。お客様は神様ではないし、受け止める我々もまた仏ではない。

「人間だもの」byみつお

セキュリティ

一般的には外部の悪意のあるものからの対策をメインに思われがち。でも統計上は内部のケアレスミス、情報持ち出しのほうが被害額が多い。そして対策は非常に難しい。内部不正による情報漏えいはついにIPAの10大脅威の第2位に。*2 いざことが発見されると仲間である社員を犯罪者のように扱うことも。秘密警察よろしく対応するのは嫌な役回りだけど会社を守るうえでは大事な任務。
そして成果は日の目を見ることはない。あー、無情。

BCP

これもいざという時の備えは大事ということで。でもなかなかお金をかけられないことも多い分野のため、ほどほどに。コストと効果のバランスを見極めることが大事。

プログラミング

自身の業務効率化のためにできたほうがいい。しかし、これは外部に委託することが可能なスキル。一昔前なら外注が当たり前だったが、SaaS時代においては内製化が前提(これは欧米が社内にエンジニアを擁する割合が高いためと思われる)なため、ちょっとしたスクリプトくらいはかけないと厳しい時代でもある。それに時代はno code.ロジックをきちんと整理できるスキルは今後ますます重要になることでしょう。
どの言語を扱うかは時代や環境によるので、一概に言えないが一つの言語で3年以上扱った経験はあるとほかの言語を扱うことになっても応用することが比較的容易と思われる。
私自身は、Shellから始まり、Perl,SQL,VBA,C#,ruby,php,Powershellなどなど扱ったがC#,perl,SQLの経験は役に立っている。

ビジネススキル

技術とビジネス(マネジメント)は二項対立ではなく相互補完のものという気持ちで対応したい。
会社のステージ(上場、非上場)や人員規模、関連する部署との関係性などに依存する部分があり一概に言えない。
ルールを補完するものとしてITがあるという考えのもと社内ルールや業界ルールなどをきちんと押さえたうえでいろんなIT施策に落としていくことが求められる。
たくさん書いてるけど、一番重要なのは事務処理能力と思う。書類仕事はどうしても後回しにしがちだけれど。。。

事務処理能力

さてこれらを支えるうえで高い事務処理能力がすべてのベースになると考える。社内規定に基づき手続きをきちんと行うという基本がしっかりできるかどうかは大事。
具体的にはどういうことかというと、稟議をわかりやすく書くとか、ファイリングをしっかりするとか、机の上(コンピュータの中のフォルダも含めて)はキレイにするとか。整理整頓大事。

参考URL
久松さんの講演内のスライドをもとにこの記事を書きました。ありがとうございます。
20200129コーポレートエンジニアとキャリアとマッチングと

いつも多くの気づきを与えてくれている情シスSlackの皆様にも感謝です。