PCBを3日間で作ろう!テキスト


https://atnd.org/events/102234/
のテキストです。

やること

  • KiCAD で設計
    • インストール
    • 回路図設計
    • アートワーク
    • ガーバー出力
  • 工場発注
  • BOM(部品一覧表)作成
  • 配置図作成
    • 深センのお店のガイダンス
    • PCBを依頼するところ
    • Arduinoだとかを売っているところ
    • 抵抗やコンデンサなどの1000個単位のもの
    • コネクタ類
  • 部品を調達する
    • お店を回って自分で買う
    • お店に依頼して集めてもらう
  • 部品を工場に引き渡し
  • PCBA完了品を受け取り
  • 動作チェック、仕上げ

スケジュール

日付 時間 内容 説明
1日目(金) 09:30 会場オープン
10:00 オープニング プログラム説明、自己紹介、インストール
11:00 KiCADトレーニング KiCADの操作に慣れます
12:00 回路図作成 KiCAD EESCHEMAを使って回路図を設計します
13:00 昼食etc 昼食および協力会社紹介 
14:00 パーツ選定etc アノテーション、ERC、CvPCBなどのツールを使っていきます。
15:00 アートワーク作成 KiCAD pcbnew を使って基板をデザインします
16:00 ガーバー作成 基板のパターンデーターを工場に提出します
17:00 工場オーダー ガーバーを持っていって評価してもらいます
18:00 ガーバー修正、補講
19:30 終了 夕食 、懇親会
2日目(土)
10:00 BOM作成 使用するパーツ一覧リストを作成します
11:00 BOM送信 BOMをメールで送信します
12:00 電子パーツ説明、買出し説明etc パーツ購入計画を立てます。また11/7に提出分のエラー修正
13:00 電気街ツアー 華強北電気街でパーツを買い集める 16:00までのPCBA用の部品を提出
15:00 (オプション) (深センツアー)
16:00 ソフトウェア説明 (希望者)作成した回路を活かすソフトウェアの準備を行います
3日目(土)
11:00 PCB注文分、基板受け取り
15:00 はんだづけ 動作確認
16:00 PCBA注文分、基板受取 仕上がった基板を受取、チェック、組立て遊びましょう
19:00 解散

作るもの

基板10枚をまとめてつくります。
10枚を作る理由

  • 1枚でも10枚でもほとんど変わりません。
  • 製造に不良品が混じるので、それをあらかじめ考慮します。
  • 動作確認のためには複数での比較が必要になることが多いです。
  • 設計ミスのリカバリーのためのカット&トライで何枚か必要となります。

用意するもの

PC Linux/Mac/Windows いずれもOKです。
マウス 必須です! マウス無いと時間内に終わりません!

インストールするもの

回路CAD,基板CAD,ライブラリエディタ、フットプリントエディタ、ガーバービューアなどが一体となっています。

  • LibreOffice https://www.libreoffice.org/ からダウンロードします。 ワープロソフト、表計算ソフト、ドローソフト、プレゼンソフトなどが一体となっています。 BOMを作るのに .xls ファイルを扱える表計算ソフト、配置図を作るのに .svg ファイルを扱えるドローソフトが必要です。 ExcelやInkscapeなどの使い慣れたソフトがある場合はLibreOfficeではなくそれを使っても構いません。

KiCADに慣れてみる

まずは、
「KiCad テキスト はじめて編」
https://qiita.com/nanbuwks/private/38e313614c537e9c04a0

を駆け足でやってみましょう。1時間ぐらいで最も簡単なものを作ってみます。

自分の作りたいものを決める

既に作りたいものが決まっている人はそれを、それでなければ以下のものなどを活用します。

  • Arduino互換機
    LIBLO AVR

  • BluePill アドオン
    STM32マイコンボードを利用したゲームボーイライクな基板です

  • アオノドン アドオン
    Bluetoothトレーニングボードアオノドンを利用した、ウェアラブル基板です

  • ESP32 基板
    WiFiとBluetoothが使える基板です

上記のものを元に、回路にアレンジを加えたり、サインを付け足したり、上記の基板などに追加するアドオン基板を作ったりします。

モジュールを使う

深センでは、いろんなモジュールが基板として売られています。
また、FABLIBでも、オープンソースのハードウェアとしてモジュールを公開してます。

これは、bluetooth基板のアオノドン、USBシリアル基板、加速度センサモジュール基板。

そういったモジュールを搭載して、新しい基板を作ると簡単に基板が設計できます。

センサモジュールやジョイスティックのモジュールなど集めたキット

これは、そういったモジュールを使ってウェアラブルにするための基板です。

組み立てたもの。

KiCAD で設計

パーツの選定

あまり細かいものは避ける必要があります。

KiCAD でアートワーク

ガーバーデータを出力して、工場へ持っていきます。

PCBの色、厚さ、接点の表面仕上げを指定します。

色は緑のみです(特急で作成するため)
厚さは1.6mmが標準です。
接点の表面仕上げは無鉛はんだ

BOM作成

部品リストを作成します。これを元に部品を調達します。

KiCad -> Pcbnew -> File -> Fablication Outputs -> BOM file...
でCSVファイルを出力し、それを加工してください。

上の図には入ってませんが、一番左に1,2,3....と通し番号をつけておいてください。

配置データ作成

原点を基板の角に設定します。画面が小さいとツールボタンが表示されていないので注意!

座標ファイル作成

部品をどこに配置するかの座標データを作成します。

Pcbnewから、File-Fablication Outputs-Footprint Position (.pos) File...を選び、csvファイルを出力します。

csvファイルを表計算ソフトで読み込み、xls形式で出力します。

座標出力されないパーツの対処

フットプリントのプロパティで、Placement File をチェック。

レイアウト図作成

人間が見てわかるデータも作成します。
まず、グラフィックソフト用に変換した時に Edge.Cuts が黄色だと視認性が悪いので、一時的に青などに変更します。

Pcbnewから、File-Export-SVG...で出力します。

出力オプションは

  • F.SilkS
  • F.Mask
  • Edge.Cuts
  • F.Fab

を選択し、「All layers in a single file」
を選択します。

上記は表面実装のみのデータなので、裏面実装もする場合は

  • B.SilkS
  • B.Mask
  • Edge.Cuts
  • B.Fab

のデータを選択してもう1つ出力します。

出力した SVG ファイルを、Inkscapeで読み込み加工します。

加工したら、pdf で保存します。

BOMデータなどを送信

メールで工場に送信します。

電気街買出し

部品を集めます。

一括で部品を購入してもらえるお店もあります。

部品を工場に受け渡します。

BOMで使った通し番号、

表面実装部品のテープなどには通し番号を丸付きで記入、説明 (「R4 330Ω」というような)と共にマジックで書き入れます。「④ R4 330Ω」というように記入します。
部品を通し番号別にビニール袋に入れて、丸付き数字をビニール袋に書き込みます。

3日目

受け取り、動作チェック、仕上げ

ピンや、配線などは自分ではんだづけしていきます。工場で全部やってもらうと値段や時間がかかってしまうためです。

動作確認していきます。