Upverterで設計したガーバーデータに、Vカット指示を追加してFusionPCBに発注してみた


はじめに

  • 前回記事で、Upverterで設計したガーバーデータを面付けする方法をご紹介しました。
  • 基板分割を楽にするため、Vカットを入れようとしたところ、Upverter上では編集できなかったので、対処方法を探りました。

FusionPCBでのVカット指示とUpverterでの問題

  • FusionPCBでのVカット指示(面付けルール
    • 外形レイヤで、Vカット線(基板の端から端まで。途中で止まってはダメ)を直線で入れる。
    • Vカット線ごとに「V-CUT」という文字を記入する。
    • Vカット線の間隔は8mm以上。(カット後のサブ基板は、最小で8mm×8mmとなる)
  • Upverterの問題
    • 外形レイヤでの文字記入ができない。
    • 外形レイヤで線を描けない。
      • 基板の外形なので、四角形三角形以上の多角形しか描けない模様。(座標指定で三角形は描けることを確認。)

対処方法

  • PCBEを使う。
  • 編集手順

    1. ファイル - ガーバー入力で、外形レイヤ(xxx.gko)を読み込む。(Vカット線のガイドとして、シルクレイヤも一緒に読み込む)
      • ガーバー入力設定ダイアログが表示されるので、「外形」と「シルク-A」だけにチェックを入れ、それぞれファイルパスを指定する。
    2. シルク表示をガイドとして、Vカット線と「V-CUT」の文字を書き込んでいく。
    3. ファイル - ガーバー出力で、外形レイヤをファイル出力する。
      • ガーバー出力設定ダイアログが表示されるので、「外形」だけにチェックを入れ、ファイルパスを指定する。
    4. 確認として、gerbvに各層と合わせて読み込んでみる。
      • 他の層に対して、X方向に+2.0mm、Y方向に+13.0mmのずれがあった。
  • 最終状態

    • gerbv上のEdit Layerで、外形レイヤをX方向に-2.0mm、Y方向に-13.0mm補正した結果。

FusionPCBで発注する場合の注意

  • Vカット指示付きのガーバーデータをアップロードしたところ、基板外形が115.8mm×113.6mmと認識されてしまった。(「V-CUT」を外形レイヤに追加したため、全体サイズが大きくなってしまった)
    • この状態だと製造費用が4000円を超えてしまい、当方の意図(100mm×100mm以内で4.9ドル)と大きくずれてしまう。
    • 心配だったので、発注前にFusionPCBに問い合わせたところ、下記のような回答があった。
  • カット後のサブ基板サイズが15mm×15mmを下回る場合、16ドルの追加料金がかかる。
    • 注文ページでは16ドル追加されなかったので、こちらも発注前に問い合わせたところ、まだ対応できていないとのこと。
    • ガーバーファイルを確認後、追加支払いについてメールが来るらしい。(実際、翌日にメールが来ました)

基板、届いた。

  • 注文が5/13で手元に届いたのが5/24でした。前回は約1か月かかった(春節で2週間休まれた)ので、今回はすんなりでした。
  • 配送業者もDHLにしたので、早かったです。
  • Vカットも問題ありませんでした。(基板分割も楽々です)

  • 届いたのは11枚(10枚発注)で、1枚はオマケかなと思ったら、2枚は(一部が)製造不良でした。

    • 日本のメーカーでは考えられないな、という感じですね。
    • 面付けが1枚あたり42面、10枚で420面なので、その上では問題がない(2枚の基板不良も、大部分は使える状態)のですが。。