Upverterで設計したガーバーデータを面付けする方法


はじめに

  • 普段、回路/基板設計ツールとして、Upverterを使っています。
  • PCにインストールする必要がない、WindowsでもMacでも関係なくブラウザさえあればよい、といった利点がありますが、PCBの面つけ機能がありません。
    • 他にも足りない機能があるかもしれませんが、当方が直面した課題はコレでした。
  • そこで、Upverterで出力したガーバーデータをベースに、他ツールを使って面付けしてみました。

用意するもの

  • gerbv
  • 作業用PC
    • 本記事は、Windowsマシンを使用しています。

面付け手順

  1. Upverterから、ガーバーデータ(Gerber Format (RS-274X extended))とドリルデータ(NC Drill (Excellon))をダウンロード。

    • この段階のガーバーデータには、面付けしたい回路(1つ分)が載っている状態。
    • 面付け後の全体サイズだけは、ここで決めておく。(下記画像の濃い水色の四角)
    • 本記事では、42回路分(横方向に7、縦方向に6)の面付けを行う想定。
      • 1つ分のサイズは、12.7mm×15.24mm。
      • 全体の基板サイズは、94.90mm×96.44mm。
        • カッターの刃厚を1mmとして、12.7×7+1×6=94.90、15.24×6+1×5=96.44。
  2. zip圧縮されているので、それぞれ解凍。

    • ガーバーデータ
    • ドリルデータ
  3. FusionPCB発注用にファイルを再構成。

    • 各ファイルのボディ部分(拡張子を除いた部分)は、基板名(LPC81Xto810R2)として統一しておく。
    • ガーバーデータから7種(gbl,gbo,gbs,gtl,gto,gts,gko)を拡張子そのまま、ドリルデータは拡張子をtxtに変更する。
  4. gerbvを使って、各ファイル(外形ファイルのgkoを除く)を面付け&更新。

    1. File - Open Layerで、ファイル読み込み。
    2. Edit Layerで、1基板分ずらす。(横方向には13.7mmずつ、縦方向には16.24mmずつ)
    3. 上記の2手順を面付け分繰り返す。
      • 下図の例では、42回繰り返すのは面倒なので、7回繰り返したものを一時保存して、それを6回繰り返しています。
    4. File - Export - RS-274X Merge(Gerber)で、面付け後のガーバーデータを出力。
      • ドリルデータ(拡張子txt)は、File - Export - Excellon Drill Merge。
      • くれぐれも、「RS-274X(Gerber)」や「Excellon Drill」と間違えないように。↑でやった作業がすべて無駄になります。

完成状態

  • 面付け後の各層を合わせると、このような形になります。

おわりに

  • 参考記事を書いた方も述べておられますが、かなり面倒ですね。
  • 実行環境を選ばずに回路/基板設計ができるのはいいんですが…(KiCadあたりに乗り換えようかと思っている今日この頃)