ハードウェア5大構成要素について


<目次>

・PCの処理のイメージ
・【1】制御装置
・【2】演算装置
・【3】記憶装置
・【4】入力装置
・【5】出力装置

◆ PCの処理のイメージ

PCが処理を行うイメージを以下のように捉えると

この人がPCの中にいるイメージです。
この人は我々が命じた処理(入力内容)を受けて机上で作業を行い、必要に応じて引き出しに保存(記憶)したり、我々に向けて結果を報告(出力)したりします。

参考:TECH CAMPブログ ” OSとは?機能・種類を解説!パソコン・スマホで使われているOSも紹介 ”
https://tech-camp.in/note/pickup/1013/

上記のPCの機能を詳細に説明すると、以下5つの要素で構成されています。

◆ 【1】制御装置

以下の4つの装置を制御する役割を担います。プログラムを実行する際にその内容を解読し、処理に必要な装置を制御して実行します。

◆ 【2】演算装置

加減乗除などの演算を行います。
制御装置と演算装置を合わせて中央処理装置(CPU)といい、1枚の半導体チップに集積したものがマイクロプロセッサ(MPU)と呼ばれるものです。IntelのCore iシリーズや、AMDのRyzenシリーズ、AppleのM1などがそれにあたります。
CPUの性能は主に以下の5項目によって決まります。

1.コア数

プロセッサの中で実際に処理を担っている場所を「コア」といいます。前掲の画像で例えると、作業している人数がコア数にあたり、「同時並行でプログラムを実行できる頭脳の数」といえます。
従来は1つのMPUに1つのコア(シングルコア)でしたが、2000年後半以降デュアルコアやマルチコア(クアッド、ヘキサ、オクタコアなど)が誕生して主流になっています。
私もパーマンのコピーロボットのように、もう一人の私が仕事をしてくれればその脇で別作業をして倍の仕事ができるのに、と思っています。(実際は2人とも相手がやってくれると思って寝てそう、、、)
関係ないですが、コピーロボットについて何となく調べていたらPAI (Personal Artificial Intelligence)という、個人に紐いた情報をもとにして一人一人の考え方や行動、嗜好などを分析・解析した人工知能が開発されていることを知りました。面白い記事だったので載せさせていただきます。
https://chizaizukan.com/property/220/

2.スレッド数

1つのCPUが同時に実行状態に置くことができるプログラムの数(担当できる仕事の数)をスレッド数といいます。
4コア4スレッドであれば、1つのコアあたり処理できる仕事の数は1つとなります(できないことはないですが、2つ同時にやろうとするとかなり重くなります)。4コア8スレッドなどのマルチスレッドでは最大2つの処理ができるため、1コアあたりの処理能力を効率よく使うことができます。
もう少し正確に言うと、スレッドはOS上で認識される(OS側から見た)コアの数です。CPUコアを物理コアというのに対して”疑似的な仮想コア”という意味で「論理コア」と言われたりもします(タスクマネージャーでスレッドは「論理プロセッサ数」と表記されています)
物理的には(CPU内部に実際に配置されているのは)4つのコアだけれども、OSから見て作業を任せられるコア数は8つですよ、ということですね。

3.クロック周波数

クロックとは「命令を実行すること」で、クロック数周波数は1秒間で1クロック(1回の命令を実行)が何回繰り返されたかを指します。CPUの処理速度とも言えますね。
単位は㎐で表され、例えば1秒間に10回クロックされるというのは10Hzと表されます。
CPUのメーカーが決めたクロックを定格クロック(単に定格とも言います)といい、安定して動作し寿命短縮しないと保証されている上限のクロックで、一般的にクロック周波数は定格クロックを指す場合が多いです。定格クロックを超えて動作すると消費電力や温度が上がり動作が不安定になったり、寿命が短くなる可能性があります(ブーストクロックや自動オーバークロック)。
CPUは定格クロックで動作するとは限らず、冷却性能が足りず異常に温度が高くなると、定格クロックよりも低いクロックで動作します。(タスクマネージャーで見ると定数クロックと基本速度に乖離があったりします)

4.キャッシュメモリ

キャッシュメモリはCPUに内蔵されているメモリのことです。メモリについては以下「【3】記憶装置」にて説明しますが、簡潔に言うと、起動するプログラムを一時的に記憶しておく装置です。通常はRAMよと呼ばれるメインメモリに一時的保存したデータをCPUが受け取り処理を行いますが、CPU内部にキャッシュメモリがあることにより、RAMまでアクセスする手間が省ける(その分処理が速くなる)ということです。
キャッシュメモリーは1次、2次、3次キャッシュ(L1、L2、L3キャッシュ)というキャッシュレベルに分けられ、数字が小さいほど高速になります。タスクマネージャーではL1~L3で表記されており、私の場合はL1が320KB、L2が5.0MB、L3が12.0MBです。高速なL1の方が容量は小さく、下がるにつれて容量が大きくなっています。メインメモリの16GBに比べると少ないですね。キャッシュメモリーはあればあるだけ高性能、ということになります。

5.バススピード

バススピードは、CPU がそれ以外のパーツとデータをやり取りするスピードを指します。
PCはマザーボードと呼ばれる大きな基盤に電源やCPU、メモリやハードディスクなどの機器が載せられ、接続され組まれています。この上でCPUが他の機器とやり取りをする速さのことです。

◆ 【3】記憶装置

主記憶装置(メインメモリ)と補助記憶装置(ハードディスク)に分けられます。メモリはDRAMやSRAMなどのRAM、ハードディスクはHDDやSSDなどです。
主記憶装置は起動するプログラムを一時的に記憶しておく装置です。CPUが処理を行う際は、補助記憶装置に保存してあるプログラムを必ずメインメモリ上に記憶(読込み)して、メモリからデータを受け取り処理を行います。
この役割分担はメモリ、ハードディスクそれぞれの特徴によりなされています。メモリは処理速度(記憶の読込や出力)が速く、電源が供給されている時のみ記憶することができます(揮発性)。一方のハードディスクは処理速度はメインメモリに劣りますが、その分容量が大きいため、アプリケーションソフトを利用して作成したデータファイルやプログラムファイルを半永久的に保存しておくことが主目的となります。(私のPCは16GBメモリで、ストレージが512GBのSSDです)
機能的に言えばハードディスクから処理を行うこともできなくはないですが、処理速度が格段に落ちてしまいます。CPUの高速処理に対応できるのはメモリ、ということです。
以上のことを踏まえると、前掲した画像の「机上=メモリ:広いほどたくさんの作業が同時にできる」、「引き出し=ハードディスク:引き出しの容量が多ければたくさん保存できる」というイメージがより分かりやすいですね。机上は作業が終わればいったん片付けてしまうイメージが揮発性に繋がります。引き出しは机上より多くのものを置いておけますが、格納や取り出しには時間がかかりますよね。

1,2,3をざっくりまとめると、大きな引き出しで、机が広く、頭の回転が速いほど ⇒ 多くの情報を保存し、同時にたくさんの作業ができ、てきぱきと処理ができる、ということになります。

◆ 【4】入力装置

キーボードやマウス、タッチパネルなどのPC本体にデータや情報、指示などを与えるための装置を指します。

◆ 【5】出力装置

コンピュータや実行中のプログラムからデータを受け取って、人間に認識できる形で外部に物理的に提示する装置です。 ディスプレイやプロジェクタ、紙などに印字・印刷を行うプリンタや音声を発するスピーカーやイヤフォンなどがあたります。


参考文献
この記事は以下の情報を参考に執筆いたしました。
‐TECH CAMPブログ,” OSとは?機能・種類を解説!パソコン・スマホで使われているOSも紹介 ” ,株式会社div (2021-07-20)
https://tech-camp.in/note/pickup/1013/
-基礎からわかる!パソコン入門・再入門 ” 主記憶装置 ~ メモリとは ~ ” (2018-01-25)
https://www.yamanjo.net/knowledge/structure/structure_03.html
‐パソログ, ”CPUの性能はどうすればわかる?←具体的な見方を教えます【5項目をチェック】” (2021-07-14)
https://pasolog.com/choose/cpu/13330/