Unreal Engine 情報検索の極意


はじめに

Metasevenと申します。
Unreal Engineでゲーム開発をしている大学生です。

この前のアンリアルクエスト2に参加したときに「Unreal Engineを触ってみたはいいけど、どう調べればいいかわからない…」といった意見を聞いたので、私が普段行っているUnreal Engineの情報検索の方法について書いてみました。

1. Googleで検索する

1.1 日本語で検索する

誰もが一番最初にすることですね。
基本的なことは「ue4 ○○」で検索すれば大体出てきます。

最近では日本語の資料も増えてきてありがたい限りです。

1.2 英語で検索する

意外とやらない人が多い気がするのですが、英語の情報量は日本語に比べて圧倒的に多いので非常に有用です。
でも英語できないとダメ…というわけではなく、今回は英語をできるだけ読まずに英語の情報を得る方法を紹介します。

1.2.1 検索方法

日本語と同じく「ue4 ○○」でOKです。
○○はもちろん英語ですが、わからない場合はGoogle翻訳で対処しましょう。

○○がエディタ上で確認できるもの(エラーメッセージなど)であれば、エディタの言語を英語にして確認する方が確実です。
エディタの言語は、エディタの環境設定→地域&言語から変更できます。

ただし、英語で検索しても日本語のサイトばかり出てきてしまう場合があります。
これは日本からGoogleにアクセスすると、自動的に日本語版のGoogleになってしまうからです。
その場合は英語版のGoogleを使いましょう。

1.2.2 文章の場合

ブラウザがGoogle Chromeであれば、適当な場所で右クリックして出てきたメニューに「日本語に翻訳」という項目があるはずです(非対応のサイトもたまにあります)。

それをクリックすれば、あらなんと全部日本語に!
多少読みにくい日本語ではありますが、普通に理解できるレベルだと思います。

ただし専門用語や固有名詞は正しく翻訳されない場合が多いので、日本語がよくわからない場合はページ翻訳のオンオフを切り替えて原文を確認するとよいです。
例えば、皆さんおなじみ「Epic Games」は「壮大なゲーム」と訳されてしまうことがあります。
他にもよくあるのは「設計図 (Blueprint)」「文字 (Character)」とか。
繰り返していくうちに、日本語を逆翻訳して正しい日本語を推測するという謎スキルが身に付きます。

また、よくわからない部分だけDeepL翻訳にぶち込む方法もあります。
DeepL翻訳は「世界一高精度な翻訳ツール」と謳われるくらい、Google翻訳よりも自然に翻訳してくれるサイトです。

ちなみに、つい最近DeepL翻訳の拡張機能が出たので愛用しています。
ページ翻訳も実装予定らしいです(無料で使えるのかな?)。

なお、右クリックからのページ翻訳はMicrosoft Edgeでも可能ですが、Microsoft翻訳よりGoogle翻訳の方が翻訳精度が高い(と思う)ので、Chromeを使うことをおすすめします。
それでもEdgeを使いたい!という方は、Google翻訳の拡張機能を入れてそのページ翻訳機能を使うとよいでしょう。

EdgeはChromiumベースでChromeと内部構造がほぼ同じなので、Chromeの拡張機能が使えます(全て使えるかはわかりません)。

1.2.3 動画の場合

YouTubeであれば自動字幕機能があるので、ほとんどの動画に字幕が付いています。
動画の設定から字幕を日本語に翻訳するようすれば、全て日本語になります。

日本語の自動字幕は結構ひどいですが、英語の自動字幕はかなり精度が高いので日本語に翻訳しても大体読めます。
とはいえ、英語をある程度読める人は音声と合わせて英語の字幕を読む方がわかりやすいかと思います。

字幕が付いていない動画については、自動字幕起こし&翻訳等で対処できないことはないですが、手間がかかります。
どうしてもこの動画を見たい!という場合以外は諦めて、他の文献を探した方がいいかもしれません。

2. サンプルプロジェクトを見る

Epic Games Launcherのラーニングタブからは、豊富なサンプルプロジェクトを全て無料でダウンロードすることができます。
中にはプレイ可能なゲーム一式のサンプルもあります。

ブループリント等を自分で読んで理解する能力は必要ですが、実装方法を実際に確認できるのは大きなメリットです。
特に「機能別サンプル」にはエンジンのあらゆる機能のサンプルが入っているので、非常におすすめです。

またマーケットプレイスには無料のアセットが大量にあるので、そちらも参考になります。

一度アセットの中身を見ておくと、何か詰まったときに「そういえばあのアセットに実装されてたよな」と思い出して実装方法を確認しに行けるので、時間のあるときにマーケットプレイスの無料アセットを一通り見てみるのもおすすめです。

3. Discordを活用する

Discordはチャットや通話などができる無料のコミュニケーションツールです。
DiscordにはUnreal Engineのコミュニティが多数存在します。

その中でも日本最大のものが「UnrealEngine_JP_Community」です。
メンバー数は約1000人(2021年12月時点)。

そして世界最大のものが「Unreal Slackers」です。
メンバー数は約65000人(2021年12月時点)。

参加したら何かしないといけないなんてことは全くないので、とりあえず参加しておくとよいと思います。
もちろん、インターネット上のコミュニケーションおける一般的なマナーは守りましょう。

また、アセット制作者の方は自分のDiscordサーバーを持っていることがよくあります。
普段からよく使っているアセットがあれば、そのアセットのマーケットプレイスのページを見てサーバーがあるか確認してみるとよいです。
私はAdvanced Locomotion Systemのコミュニティをよく利用しています。

3.1 チャットのログを検索する

Discordでは、過去全てのチャットのログを検索して見ることができます。
つまり、今自分が知りたいことについて過去に質問している人がいれば、すぐに欲しい回答が得られる可能性があります。
検索はDiscordの右上にある検索バーから行えます。

知りたいことに関するキーワードをスペース区切りで入力すれば、大体ヒットします。
でもDiscordのアプリでページ翻訳使えないし、英語のサーバーなら結局英語読まないといけないのでは?と思ったあなた、安心してください。
ブラウザ版のDiscordを使えばOKです。

って、このサイト右クリックできないからページ翻訳できないじゃねーか!と思ったあなた、安心してください。
超裏技なのですが、各メッセージの右上に出る「その他」などのメニュー上では右クリックが可能です。

また、右クリックが無効化されたサイトで右クリックを有効化するChrome拡張機能を使う方法もあります。

もし上記の裏技が使えなくなったらこちらを使いましょう。

3.2 チャットで質問する

日本語の回答が欲しければ「UnrealEngine_JP_Community」で、英語でもよければ海外のサーバーで質問するのがよいでしょう。
ただし人口に圧倒的な差があるので、海外サーバーの方が回答を得られる確率は高いです。

海外のサーバーで質問する場合は、先述のDeepL翻訳を使うとよいです。
適当に日本語をぶっこんでも大体ちゃんとした英語になります。

ただし、日本語を英語に翻訳するときは「誰が(は)、何が(は)」といった主語を明確にすることに注意しましょう。
日本語は主語がなくても通じますが、それをそのまま翻訳にかけてしまうと翻訳サイト側で主語が自動補完され、意図と異なる英文になる可能性があります。

また、質問する場合はできるだけ以下の点を記載するようにしましょう。

  • どこまでわかっていて、どこからわからないのか
  • 問題が起きる前にしたこと
  • 問題を解決するために試したことやその結果
  • (あれば)エラーメッセージや画像

私もたまに回答していますが、これらが欠けていると原因が推測できなかったり、どこから説明すればよいかわからなかったりするので、回答を躊躇ってしまいます。

4. その他

4.1 UE4 AnswerHub

UE4 AnswerHubは公式の質問掲示板です。

公式ならこれでいいじゃんと思うかもしれませんが、質問が承認されるまでに時間がかかる(すぐに投稿されない)&人口が少ないという欠点があります。
そのため何年も放置された質問、結局解決できずに終わってしまった質問、「私も同じ問題を抱えています」という共感する回答だけが付いた質問が多かったりします。
時間がかかってもいいから少しでも解決できる確率を上げたい!という場合に使うとよいと思います。

4.2 Twitter

ハッシュタグ「#UE4Study」を付けてツイートすると、TwitterにいるUnreal Engineの猛者が回答してくれることがあります。
周りに軽く聞いてみたいときに使うとよいでしょう。

私のTwitterに返信やDM等で直接質問していただいてもいいですよ!
質問への回答を通じてこちらも学べるので、むしろありがたいです。
Metaseven (@suramaru517) · Twitter

おわりに

Unreal Engineの情報量の少なさに絶望していた方の助けとなれば幸いです。
誤字や間違った情報等あればご指摘ください。
それでは、よいUnreal Engineライフを!