OSI参照モデルに入門してみた。


背景

未経験者が転職活動する際、企業側からITの素養があるのか、技術に対して興味関心を持っているのかを問われることがあります。私は最近転職した身なのですが、面接でOSI参照モデルについて問われてうまく答えられなかったことがありました。最近になって「マスタリングTCP/IP 入門編」を購入し、少しだけ知識が増えたということで、改めてOSI参照モデルについてまとめてみます。稚拙な箇所が見受けられるかも知れませんが、どうか温かい目で見守っていただけると幸いです。

概要

  • OSI参照モデルとは、ISOによって定められた通信プロトコルを設計するための指標として策定された標準化規格。
  • 通信に必要な機能を7つの階層に分けて、ネットワークのプロトコルを単純化したもの。

それぞれについて、説明していきます。

物理層

送信されたデータを電気信号に変換し、ケーブルなどの物理的な電装媒体に流し込む機能を提供する。コンピュータを無線LANや有線LANでケーブルまで繋げる。またコンピュータのデータを電気信号に変え、ルータまで運び、光ファイバーケーブルを伝って通信を外部のネットワークまで繋げる。海外のインターネットには海底ケーブルで接続されており、まれにサメがケーブルを傷つける(シャークバイト)ことが深刻な問題になっている。

データリンク層

物理層で直接接続された機器間の通信を可能にする。LANボードなどの機器を制御・識別し、そのための伝送路を確保する。回線やネットワークで隣接した2台の機器の間でデータの受け渡しを担当する。

  • 通信相手の受け渡しや認識
  • 伝送路上の信号の衝突検知や回避
  • データの送受信単位(フレーム)への分割や組み立て
  • 伝送路上での誤りの検知・訂正

といった仕様を規定。

ネットワーク層

個々のコンピュータにIPアドレスを割り当てて識別する機能を提供する。IPアドレスを伝って通信相手までデータを転送する。具体的にはルータがこの役割を果たす。ルータはネットワーク同士を接続する機器で、バケツリレーの要領でデータを目的のコンピュータまで運ぶ。複数のネットワークを接続し、全体を1つのネットワークとして相互に通信可能な状態にする。

  • ネットワーク内のアドレスの形式や割り当ての方式
  • 伝送経路の選択

といった仕様を規定。

トランスポート層

仮想回線を作り出す。「確実に通信相手にデータを届けること」を役割とする。上位層のアプリケーション層のアプリケーションを識別し、決められたタイミングに従ってコネクションの確立や切断を行う。また、各コンピュータ間でデータが正しく届いたかを判断し、届かなかったデータを再送する。通信の信頼性を確保する。

  • 伝送路の確立・切断
  • データ圧縮
  • 誤り検出・訂正
  • 再送制御

といった仕様を規定。

セッション層

セッション(通信の確立・維持・終了)の管理を行う。利用者の認証やログイン、ログアウトなどの状態管理を行うことが可能。

プレゼンテーション層

アプリケーション間でやり取りされるデータの表現形式を定義する。

  • 通信に用いられるデータのファイル形式・データ形式
  • 暗号化や圧縮
  • 文字コードの定義や形式間の変換

といった仕様を規定。

アプリケーション層

実際にユーザが使うようなアプリケーションの種類やサービスに必要な機能を実装する。

  • 利用者が操作するソフトウェアが提供する具体的な機能や通信手段
  • データ形式

といった仕様を規定。

-- 以上 --