なぜ単純な増員は生産性の改善に直結しないのか?


はじめに

経営層が理解し易いように、製造業を例に纏めてみました。

前提

課題分析として、生産としての観点から開発者を 「自動化設備」 と想定し、評価を行ってみる。
自動化設備の評価方法としては、一般的な 「費用・便益分析法」 を利用する。

システム開発における「費用・便益分析法」の解釈

  1. 「作業時間の短縮」・・・指示・教育時間の短縮
  2. 「段取り替え時間の短縮」・・・調査・学習時間の短縮
  3. 「不良品の減少」・・・開発テストでの不具合発生数の減少
  4. 「製品事故の減少」・・・インシデント発生数の減少
  5. 「製品品質の向上」・・・機能性の向上

評価の実施

「単純な増員」は 「性能の低い生産設備」 と仮定をする。

(1)指示・教育時間の短縮

自走力が低く、上司や先輩社員の時間を多く必要とする

(2)調査・学習時間の短縮

学習度合いが低く、生産物が変わる毎に時間を多く必要とする

(3)開発テストでの不具合発生数の減少

技術力が低く、生産をする際に多くの不具合を発生させる

(4)インシデント発生数の減少

品質が低く、ユーザー利用時に頻繁に動作不具合を発生させる

(5)機能性の向上

機能性が低く、ユーザー利用時の業務遂行に問題を発生させる

評価結果のまとめ

  • 多くの不具合を発生させる(Quality)
  • 多くの工数を必要とする(Cost)
  • 長い期間を必要とする(Delivery)

評価結果の考察

資材や生産物の多様化品質に対する要求の高度化 に伴い「生産設備」に求められる性能が高くなった。
その為、「単純な増員」は生産性の向上に寄与せず、むしろ下げる傾向にあり、生産性の向上には 「良質な人員」 が必要となる。

評価結果による対策

開発者は 「学習型の生産設備」 であり、学習済み設備が調達できた場合でも、個社チューニングが必要となり、生産開始まである程度時間を必要となってしまう為、既存の「生産設備」のメンテナンスが重要となる。

さいごに

思ったほど分かり易くない気がしましたが、書いてしまったので、公開しておきます。