AUTOSARと国際規格


車載Ethernet

で触れました。

AUTOSARの弱点は、国際規格団体との連携を公式に持たず、
国際規格との差を必ずしも分かりやすく記述していないことがあるかもしれません。

自動車の電子制御を妨げないCANという国際規格の通信規約と、
自動車の電子制御を妨げず、CANを助けるOSであるOSEKという国際規格のOSを基にして、
AUTOSARの構造はできています。

国際規格が骨組みにあるが、かならずしも国際規格を改良するのではなく、
特定の企業間で、国際規格と違うことを決め、国際規格の改定に反映しようとしないのは、
社会的な団体としてどうよという意見をお聞きすることがあります。

例えば、車載Ethernetの Open Allianceは、IEEEというISO/IEC JTC1とAリエゾン関係にあり、IEEEで決めた内容を順次国際規格としてISO/IEC JTC1が採用しています。

例えば、車載LinuxのGrade Linuxは、Linux FoundationというISO/IEC JTC1のLinuxの国際規格制定に原案を提出している団体で協議しています。

国際規格が何でもいいというわけではなく、国際規格は技術的な仕様を記述する際の、
文化的な障壁にならないように差をしめすための物差しです。

国際規格に適合しているものがいいものだというのではなく、
国際規格は、国際規格と違う理由を説明する出発点として便利だということです。

メートルが決まっていても、メートルちょっきりの製品を出さなくてはいけないことがないように、国際規格が決まっていても、差が表示できて、その理由が説明できればいいということです。

適合している国際規格

CAN

基本部分が適合している国際規格

OSEK OS。OSEK OIL, OSEK COM, OSEK NMはAUTOSARで異なる仕様を定時している。

AUTOSARが始まった後で国際規格になった技術

LIN, FlexRay, UDS