スタートアップでのマネージメントについて


スタートアップでのマネージメントについて

前書き

はじめまして!エンジニアリングマネージメントをしている鷹雄です。
Qiitaで初めてブログを書くのでドキドキしながら書いています。
マサカリ投げる場合は投げ方を気をつけてくださいw

エンジニアリングマネージャーを始めたのは2014年の頭くらいから。
大企業の1つの部署で共通組織としてインフラを管理する部署を立ち上げました。
私が部署を立ち上げたとき、メンバーはみんな私より年上で
最初はマネージメントするのがとても大変だった記憶があります。

最近以前の部署を卒業し、
今年の8月にBlockchainを活用したサービスを作る新しい部署を立ち上げました。

以前は共通組織としてしっかりした基盤を作ったり、
インフラのコスト削減とかをしていました。

コストセンターな部署だったのでもともとビジネスをしたいと思っていた私は
ブロックチェーンでなにかビジネスを作るという話が出たときに
すぐに飛びつきました。
しっかり引き継いでくれたメンバーには頭が下がる思いです。

今回、新しいスタートアップの部署で始めたエンジニアリングマネージメントについて
気をつけていることを書ければと思います。
前書きが長いですねw

ブロックチェーンを活用したサービスを作るスタートアップ

今の部署での目的はブロックチェーンで何かサービスを作ることです。
ものすごい数のICOを見ていたら、
ブロックチェーンを使ったビジネスって今後いろいろな
やりようがあるんだなぁと思っていたのですが
実際に仮想通貨以外でうまくいっているブロックチェーンビジネスが
現状ほとんど無いことに気づいたときは絶望しましたw

ですが、事業責任者の「この技術はすぐにはお金にならないことは分かっている。
目先のお金ではなく、何年後にしっかりしたビジネスを起こすために今から
投資していくことが重要なんだ」と言ってくれた言葉に助けられ、
また、優秀なメンバーが集まってくれたことにより
今ではブロックチェーンを活用したビジネスを研究し、
ブロックチェーンを活用したサービスを実際に作ってみたりしています。

スタートアップでマネージメントする際に気をつけたこと

入ってきたエンジニアはみんなとても優秀で、
みんな合理的な考えをしっかり持っているメンバーが集まってくれました。

そんな中で、入ってきたメンバーと今主流のSlackでのコミュニケーションや
GithubのPull Requestでの会話だけでモクモクと進めていたのですが、
1on1をしているときにあることに気づかされました。

それが「圧倒的なコミュニケーション不足による心理的安全性の欠如」です。

無駄な会議は不要ですし、
仲良く会話しながら開発する必要は無いと思っています。

ですが、すべてテキストのコミュニケーションだけでは
相手が何を考えているのかが分かりづらく、ミスコミニケーションが起き、
次第にプルリクを送るのですら恐怖を覚えるようになりました。

優秀なエンジニアであればあるだけ完璧を求めようとしますし、
細かくお互いにチェックしていたため、
キツい表現になってしまっていたり、
意見を言ったら何倍にもダメだしを食らうような環境に
いつの間にかになっていました。

そこで、みんなで相談した中で取り入れたことがいくつかあります。

1つめは寛容になることです。
お互いに寛容になることで、しっかり相手を尊重し、
コミニケーションを円滑にすることが、
実際に自分にも返ってくるんだという話をしました。
そもそも自分自身がもっと寛容にならないといけないんだというのも認識しましたし、
メンバーもしっかり理解してくれたように思います。

2つめに朝会です。
今までも朝会はやっていたのですが、Slackで今日やることを箇条書きに出すものでした。
すごく合理的な気もするのですが、心理的安全性が無いと
書いたテキストに突っ込みを入れるのも結構勇気がいるものです。
そこで、実際にディスプレイの前に集まって、
スプリント計画を見ながら今日やることを宣言するような形にしたら
その場でいろいろなディスカッションができ、
うまく回るようになってきました。

3つめはムービングモチベーターです。
ムービングモチベーターはManagement 3.0で出てくるトピックの1つで
仕事をする上でモチベーションになっているものに順番をつけ、
お互いに話し合うことです。
実際にムービングモチベーターをやってみたところ、
お互いに知らなかった価値観について共有でき、
今までに無いぐらいコミュニケーションが弾みました。
実際に、仕事をする上で何をモチベーションにしているかをお互いに知っておくことで、
コミュニケーションを円滑にしてくれます。

また、ムービングモチベーターは熟達、権力、名誉など、
仕事をする上での本当のモチベーションとは少し離れているんじゃ無いかという話が出て、
リアルムービングモチベーターもやってみました。

  • 元になったムービングモチベーター
    • 受容・好奇心・自由・地位・ゴール・名誉・秩序・熟達・権力・関係性
  • 自分たちで考えたムービングモチベーター
    • コミニケーション・お金・プライベート・仕事・技術力・ポジション・健康・働き方・労働環境

何かすごい現実的な感じがしますよねw
でも、これを実際にやってみようという話が出てくるあたり、
コミニケーションが以前よりも改善してきた証拠だと思います。

4つめはマインドマップです
https://coggle.it
メンバーの1人が見つけてきてくれたのですが、
ものすごく書きやすくてシンプル、綺麗なマインドマップ作成ツールです
元々は自分たちの技術情報のまとめを作ろうとして導入していたのですが、
個人のマインドマップを作ることによって自己紹介とかしやすそうだねという話になり、
実際に自分たちで作ってみました。

簡単な自己紹介になるのかな?と思っていたのですが、
みんな自分をどのように見せたいかこだわるんですね。
びっくりするほどマインドマップを埋めてくれて、
当初1時間のレビュー会を予定していたのですが、予定を大幅に超えてしまいました。
次に飲み会をするときにでも大きな酒の肴になりそうな気がしています。

コミニケーションが徐々に円滑になってくれば
次第に「 意見を出しやすい環境を作る 」が実現でき、
良いサービスも生まれやすくなるんじゃ無いかと思います。

何故すぐにコミニケーション改善に取り組めたか

今の部署にはゼミという何人かで集まって、業務時間の一部を使って
何かを研究してみる制度があるのですが、
その中でエンジニアリングマネージメントゼミというものがあります。
エンジニアリングマネージメントゼミでは
どのようにエンジニアリングマネージメントをしていったらいいかを考えるゼミで、
いろんな書籍を読んで話し合ってみたり、実際に自分たちの考える
エンジニアリングマネージメントについて社内向けの書籍を作って
配布したりしています。

ゼミのメンバーにコミュニケーションについて相談したところ、
ムービングモチベーターやマインドマップについて教えてもらいました。
実は私もManagement 3.0の研修を受けたことがあって、
「ああ、こういう時に使うのが効果的なんだな。」って納得しました。

エンジニアリングマネージメントとはとても孤独な役職ですが、
実際にエンジニアリングマネージメントをしている人同士で
意見交換をできる場があるのはとても重要なことだと思います。

まとめ

合理化も重要だけど、合理化しすぎてはいけないところもあるんだなと言うのが
今回あらためてわかりました。
人間と人間が関わって何かのプロダクトを作り出す以上、
コミュニケーションがしっかり重要だということを忘れないように
このブログ記事に残しておこうと思います。
ここまで見てくれてありがとうございました!