システム開発業務自体の会計処理まとめ
会計回りのシステム開発とかだと簿記知識が必要になるけど、自分の開発業務が会社の財務会計にどう反映されているのかという意味で、システム開発自体の会計処理についてまとめてみる。
他にも色々仕訳のケースはありそうだけど、オーソドックスなものは多分こんな感じじゃないかと。
でてくる仕訳項目
- ソフトウェア仮勘定
- ソフトウェア
- 役務収益
- 役務原価
販売目的 or 自社利用目的でソフトウェアを開発している場合(資産計上可能なケース)
将来の利益獲得または費用削減が確実であると判断できるソフトウェアの開発の場合は、そのソフトウェアを資産扱いとする。
その場合、開発に関わる費用(人件費、光熱費、サーバやPC等の機器など)は完成するまでは全てソフトウェア仮勘定として計上する。
借方 | 貸方 |
---|---|
ソフトウェア仮勘定(500万) | 人件費(300万) |
水道・光熱費(50万) | |
機器(150万) |
そして開発が完了したら、ソフトウェア仮勘定をソフトウェアとして資産に振替える。
借方 | 貸方 |
---|---|
ソフトウェア(500万) | ソフトウェア仮勘定(500万) |
資産となったソフトウェアは、会計年度毎に減価償却費を計上し減価償却を行う。減価償却の期間は5年とかが多い(=年100万ずつ費用を計上する)
(1年目)
借方 | 貸方 |
---|---|
ソフトウェア償却(100万) | ソフトウェア(100万) |
=> この結果、ソフトウェアの資産価値は 500万 - 100万で 400万になる。
何がどうなの?
資産計上できる開発の場合、開発に掛かるコストをローンを組むように後払い+均一化することができる。通常費用が先行して発生し収益は後からついてくるのでそんな意味でも会社にとってありがたい。
販売目的 or 自社利用目的でソフトウェアを開発している場合(資産計上不可能なケース)
例えば、小規模な機能改善やバグフィックス、リファクタ等「保守・運用」と言われる様な開発案件は「将来の利益獲得または費用削減」ができると判断できないため、資産計上扱いにできない。その為発生する人件費などの開発に掛かる費用は全て費用として計上する。
借方 | 貸方 |
---|---|
人件費(300万) | 現金など(500万) |
水道・光熱費(50万) | |
機器(150万) |
何がどうなの?
要はその開発案件が資産計上できる内容を含むかどうかで、ローンにできるのか、短期的な費用がかさむのかが変わる。収益獲得or費用削減に繋がる開発にすることはそんな意味でも大切。
受託開発をしている場合
請負工事と同じ様に処理をする。処理上工事進行基準と工事完成基準の2つがあるが、検収タイミングで売上を計上する(=工事完成基準)会社が多いのではないかと思う。人件費等は売上原価になる。但し、決算期をまたぐ仕掛り開発がある場合は仕掛品として計上しておかなければならないっぽい。
(検収タイミング)
借方 | 貸方 |
---|---|
売掛金等 | 売上 |
売上原価 | 人件費 |
水道・光熱費 | |
機器 |
(決算整理)
借方 | 貸方 |
---|---|
仕掛品 | 人件費 |
水道・光熱費 | |
機器 |
(決算期をまたいだ検収の場合)
借方 | 貸方 |
---|---|
売掛金等 | 売上 |
売上原価 | 仕掛品 |
(+当期発生費用) |
役務形態で開発をしている場合
費用は事前計上する場合は仕掛品で一度計上した後、収益を計上するタイミングで役務原価に振替える。収益は役務収益で計上する。
借方 | 貸方 |
---|---|
仕掛品 | 人件費等 |
(サービス提供後)
借方 | 貸方 |
---|---|
売掛金等 | 役務収益 |
役務原価 | 仕掛品 |
Author And Source
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