2018年ウィキペディアタウン参加記録(後半)
2018年ウィキペディアタウン参加記録(前半)の続きです。
WikipediaTown 沼津 #11
2018年11月4日(日)開催
主催:Code for ふじのくに
会場:長浜城跡、沼津市立図書館(静岡県沼津市)
ウィキペディアの編集項目
当日の概要と感想
沼津市でのウィキペディアタウンは2017年に始まり、毎月のように開催してこのときまでに11回を重ねています。日本各地にCode for(コードフォー)1と呼ばれる、地域の市民や自治体と連携し、地域課題を解決するシビックテックのコミュニティ(「ブリゲード」ともいう)があるのですが、その一つであるCode for ふじのくに/Numazuのメンバーが主体となって開催しています。ほぼ毎回市文化財の学芸員・ウィキペディアの管理者が参加し、市の図書館も資料協力を行っています。
【参考】 第1回開催資料
「WikipdiaTown in 沼津 ~沼津の古墳をデータ化しよう~」
Hiryoki Ichikawa(2017年9月)
https://www.slideshare.net/HiroyukiIchikawa3/wikipedia-town1
Code for ふじのくに/Numazuはもともとオープンデータ活用の推進をされているだけあって、行政の公開している市文化財のオープンデータセットからウィキペディアタウンの実施を考えたとのこと。ウィキペディアの記事上に「史跡をコンプリートする」ことで「シビックプライドを育てる」という明確な目的があるのが特徴です。取材対象が明確であるということは、移動距離を気にせず目的地が決まるということで、沼津のシリーズは「現地集合」が多いようです。この回も沼津駅に集合してターゲットである長浜城跡に移動する参加者と、現地集合の参加者がいました。
現地で集合し、軽い自己紹介を行った後、長浜城跡を見学。市文化財の学芸員による解説をききながら、写真撮影等を行いました。
昼食後は、沼津市立図書館に各自車で大移動。
図書館ではまず主催のCode for ふじのくに/Numazuメンバーによるウィキペディアタウンについての説明があり、続いてウィキペディア日本語版管理者の方によるウィキペディアについての講義がありました。
編集対象が1つの項目だったため、「歴史」「地理」など担当を振り分け、文献調査と編集作業に取り組み、最後に全員で成果発表を行いました。
その他報告・レポート
ブラアカバネ〜街歩きで、赤羽根の魅力発見、発信!
2018年12月9日(日)開催
主催:田原市図書館
共催:Code for MIKAWA
会場:田原市赤羽根文化会館、田原市赤羽根地区(愛知県田原市)
ウィキペディアの編集項目
当日の概要と感想
田原市図書館でのウィキペディアタウンは、2017年1月の「ブラタハラ」、同年12月の「ブラアツミ」に次いで3度目の開催です。さらにいうと、協力となっているCode for MIKAWA主催で2016年に2回、「ブラトヨハシ」を開催しています。「ブラトヨハシ」および「ブラタハラ」では、OpenStreetMapのマッピングパーティも同時開催でした。
愛知県の渥美半島に所在する田原市は、平成の大合併時に旧田原町・旧渥美町・旧赤羽根町の3町が合併して誕生しました。3回の開催はそれぞれの旧町の特色を生かした項目を選んでいると感じます。
渥美半島は少々交通の便が不便なところです。市民でない参加者(私も含む)のためには、豊橋鉄道の三河田原駅から、市所有のマイクロバスで会場となる赤羽根文化会館までの送迎がありました。
主催者による開催趣旨とウィキペディアについての講義、市博物館職員の方による赤羽根地区の概要説明の後、前述のマイクロバスに乗り、編集対象に関連した場所を中心に赤羽根地区の見学をしました。
昼食後は、事前に編集項目まで決まっていた4つのグループに分かれて文献調査と編集を行いました。作業がやりやすくなるように、アイスブレイクタイムの設定や、グループごとの進行役、レファレンスをしやすくするためのシートなど、工夫がありました。
編集時間終了後は、各グループごとの振り返り、全体に向けての成果発表、博物館の方による講評がありました。
その他報告・レポート
まとめ
ウィキペディアタウンを同じ主催者でシリーズ化して月1回、年1回など継続して開催することで、主催者だけでなく巻き込まれる協力者の意識にも「自分ごと」となっていく変化があったように感じました。
各地でウィキペディアタウンが広まった結果、経験者やリピータ―も増えてきています。申し込み時に参加経験の有無を確認しておくと、バランスよくグループ分けできると思います。
ウィキペディアタウンは、「Wikipedia Town」「Wikipediaタウン」「ウィキペディア・タウン」など、開催地によって表記がまちまちです。それはよいとしても、同一シリーズの場合「表記ゆれ」は気になります。同一の主催者で連続開催する場合は、同じシリーズであることが分かるよう表記を統一したほうがよいのではないかと思います。
外国人の方の参加があると、他言語版の記事を加筆するということがありました。参加有無にかかわらず、対象項目の他言語版の内容について確認しておくことが必要かもしれないと思いました。
シビックテックの方が主催の場合は、各回の記事の完成度を一定保ったり、新着記事になることを目指したり、成果を重視し何かを「コンプリート」することを目的としてそこに向かっている感じがします。悩んで考えている暇があったら手を動かそう、という雰囲気があります。
ウィキペディアタウンが始まった当初のころより「初心者へのケア」「ウィキペディアタウンにおける編集のメソッド化」が進んでいると思います。これはイベントとして一定の成果を上げるのに有効ですが、効率的な作業方法の習得だけではなく「自分で悩んで考える」ことの体験ができたらいいなと思います。
対象となる項目が「特筆性に値する」と、見学の時間も充実する気がします。見学後の編集時間にも「書きたい」気持ちが生まれ、そこに向かっての文献調査も熱が入ります。ただ、時間が足りなくなってまとめきれなくなることもあるので、主催者や講師が時間を区切ってある程度までの部分を書くという提案をした方が、項目としてまとまりますし、達成感があると思います。
イベント当日まで、インターネット上などでは編集項目については伏せておいた方がいいように思います。事前に参加者にのみメールで知らせるという開催地もあったようです。
地域の人に、イベントの趣旨を理解してもらい、説明などの時協力してもらえることは、「地域をひらく」という意味でとても良いなと思いました。
イベントの中で、来訪者でなく地元の人が「ずっと暮らしているけど15年ぶりにみた」「こんなことがあったと思い出した」と語っている姿が印象的でした。
学芸員の方など専門的な知識を持った方と、知識自体はないが文献のことに詳しい図書館司書の方が同じ場にいると、それぞれの観点で同じ対象について情報を提供してくださるので、とても面白いです。
その分野の専門家の方にお話を伺うことで、用意された文献の情報の古さや確かさについても一定の検証が必要だと感じました。
ウィキペディアタウンを同じ主催者でシリーズ化して月1回、年1回など継続して開催することで、主催者だけでなく巻き込まれる協力者の意識にも「自分ごと」となっていく変化があったように感じました。
各地でウィキペディアタウンが広まった結果、経験者やリピータ―も増えてきています。申し込み時に参加経験の有無を確認しておくと、バランスよくグループ分けできると思います。
ウィキペディアタウンは、「Wikipedia Town」「Wikipediaタウン」「ウィキペディア・タウン」など、開催地によって表記がまちまちです。それはよいとしても、同一シリーズの場合「表記ゆれ」は気になります。同一の主催者で連続開催する場合は、同じシリーズであることが分かるよう表記を統一したほうがよいのではないかと思います。
外国人の方の参加があると、他言語版の記事を加筆するということがありました。参加有無にかかわらず、対象項目の他言語版の内容について確認しておくことが必要かもしれないと思いました。
シビックテックの方が主催の場合は、各回の記事の完成度を一定保ったり、新着記事になることを目指したり、成果を重視し何かを「コンプリート」することを目的としてそこに向かっている感じがします。悩んで考えている暇があったら手を動かそう、という雰囲気があります。
ウィキペディアタウンが始まった当初のころより「初心者へのケア」「ウィキペディアタウンにおける編集のメソッド化」が進んでいると思います。これはイベントとして一定の成果を上げるのに有効ですが、効率的な作業方法の習得だけではなく「自分で悩んで考える」ことの体験ができたらいいなと思います。
対象となる項目が「特筆性に値する」と、見学の時間も充実する気がします。見学後の編集時間にも「書きたい」気持ちが生まれ、そこに向かっての文献調査も熱が入ります。ただ、時間が足りなくなってまとめきれなくなることもあるので、主催者や講師が時間を区切ってある程度までの部分を書くという提案をした方が、項目としてまとまりますし、達成感があると思います。
イベント当日まで、インターネット上などでは編集項目については伏せておいた方がいいように思います。事前に参加者にのみメールで知らせるという開催地もあったようです。
地域の人に、イベントの趣旨を理解してもらい、説明などの時協力してもらえることは、「地域をひらく」という意味でとても良いなと思いました。
イベントの中で、来訪者でなく地元の人が「ずっと暮らしているけど15年ぶりにみた」「こんなことがあったと思い出した」と語っている姿が印象的でした。
学芸員の方など専門的な知識を持った方と、知識自体はないが文献のことに詳しい図書館司書の方が同じ場にいると、それぞれの観点で同じ対象について情報を提供してくださるので、とても面白いです。
その分野の専門家の方にお話を伺うことで、用意された文献の情報の古さや確かさについても一定の検証が必要だと感じました。
以上、簡単に2018年に私が歩いたウィキペディアタウンを振り返ってみました。
2019年もさまざまなまちでウィキペディアタウンが開催されると思います。
どんな人たちが出会い、歩き、まちを知り、そしてウィキペディアを通じてまちを世の中にひらいていくのでしょうか。
画面の向こう側でウィキペディアを眺めているだけでは分からない、「まち」と「知」をめぐる一連の流れ、それらが「人」に及ぼす作用を、多くの方に体験してもらえたらと思っています。
Author And Source
この問題について(2018年ウィキペディアタウン参加記録(後半)), 我々は、より多くの情報をここで見つけました https://qiita.com/Unimoi/items/20719e07c1bcb727bfcf著者帰属:元の著者の情報は、元のURLに含まれています。著作権は原作者に属する。
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