#Nutanix で実現するハイブリッドクラウドな世界~その1


本記事はNutanix Advent Calendar 2019 #2 12/8 分の記事です。

今年のAdvent Calenderは4枚もあるというなかなかハードな状態ですけれども、
まだみんな生きてますね。

今回はハイブリッドクラウドなお話です。
まだ正式リリースでない情報も含むため、
非公式な情報という位置づけでお読みくださいませ~。

Nutanixでハイブリッドクラウドお話なんてあったっけ?

大事なことなんで最初にお伝えしておきますが、
Nutanixの変わらないビジョンとして、
ITインフラを意識させない世界を作るということがあります。

ストレージを仮想化するところから始め、
今ではクラウドまでもを対象とした、
ITインフラ全体をその範疇にいれたビジョンを示しています。

つまり、オンプレミスな環境だけでなく、
ハイブリッドクラウド・マルチクラウドも
実現していく世界のうち、ということになります。

ハイブリッドクラウド・マルチクラウドの言葉を整理しておく

ハイブリッドクラウドとマルチクラウドは言葉として使い分けています。
世の中的には色々定義があるかもしれませんが、
ここでは以下の通り定義します。

ハイブリッドクラウドは顧客が手元に持つプライベートクラウドと
サービス事業者が展開する共用型のクラウドの双方を接続し、
利用できる状態を指しています。

一方のマルチクラウドは、
サービス事業者が展開する共用型のクラウドを複数組み合わせて利用している状態です。
この時プライベートクラウドを含めるかは微妙な議論ですが、
個人的には含めてよいと思っています。

具体的なNutanixが実現するハイブリッドクラウドの世界

Nutanixとして、ハイブリッドクラウドを意識した話は、
2015年頃から始まっています。
AWSやAzure、GCPといった記述もそうですが、
独自ブランドとして展開するNutanix Xi Servicesも発表しています。

実際的には、
 1)HCI環境に提供される機能をさらにクラウドにも提供できる形に拡張
 2)IaaS的な部分→AWS、Azure、GCPといったメガクラウドを活用
 3)Xi Servicesで、メガクラウドだけでは実現できないより上位レイヤーの機能を提供
という考え方ですね。

3としては、個人的な言葉でまとめたひと言シリーズで紹介すると、
 ・マルチクラウド展開を可能にするDaaS「Xi Frame」
 ・マルチクラウドのコストとセキュリティ管理を「Xi Beam」
 ・DRを所有から利用へ「Xi Leap」
 ・IoTの運用を現実的なものへ「Xi IoT」
というあたりがあります。
それぞれの紹介は、別のブログ等々にお任せしますので、
ここでは割愛します。

一方で、1&2の要素としてハイブリッドクラウドを実現していこうという
製品開発も行われています。
ここでメインに取り上げる
 「Nutanix Clusters」
です。
2019年5月に開催された.NEXTのイベントで開発が発表されました。
※当時の発表名称は「Xi Clusters」でしたが、改称されてくる予定です

本記事執筆時点ではまだリリースされていないのですが、
今後登場してくるハイブリッドクラウドを実現するための
新たな製品となります。

ハイブリッドクラウドの現状と課題

日本国内でもパブリッククラウドの利用が本格化し始めてきまして、
メディアでも数多くの事例記事を見かけるようになりました。
多くの記事でもハイブリッドクラウドといったキーワードが
掲載されていますが、多くの実態は
「ネットワーク的につながっているだけ」という状態であろうと思われます。
(もちろん全部とは言いません)

これは仕方ない部分もあり、
プライベートクラウド側のテクノロジと
パブリッククラウドで用いられるテクノロジが明確に異なる為、
高度に連携した使い方ができず、
ネットワーク的につながって通信できるという程度に
とどまっている為です。
当然、システムが異なるクラウド間で行き来するということは、
テクノロジの観点で実現できていません。

つまり、現状ではプライベートクラウドと
パブリッククラウドをその特性に応じて、
上手く使い分けるということが現実的に難しいというのが実情です。

クラウドを上手く使い分ける必要性

使い分ける必要性を企業に提示したのが、
2019年8月のAWSの大規模障害でした。

[関連記事]
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/020600011/082900038/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49049320X20C19A8000000/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50293040X20C19A9910M00/

決してAWSさんを非難するわけではなく、
教訓として、止まらない仕組みはなく、その時にどうリスクヘッジを行って、
事業の継続性を担保するのかを知る機会であったということです。

製造業の方ならより詳しいと思いますが、
サプライチェーン断のリスクを想定して、
複数の調達先を確保しておくというのが常識的に
実施されていることだと思います。
ITの世界も供給されるものを使うので、
全く同じ考え方をすべきであるということです。

今回は障害という形でしたが、
例えば何らかの形で日本での提供が終了したり、
大幅な値上げが発生したり、
データの所有権を変更されてしまったり、
特定のサービスを利用する1本足でいることは、
企業経営において非常に重大なリスクをもたらします。

そういうリスクをしっかりと評価した上で、
何を用い、何を用いないのか、
ベンダーロックインしない必要性を考え、
世の中の流れに単純に流されない必要があるのです。

ハイブリッドクラウドを実現する"Nutanix Clusters"

Nutanixでは、ハイブリッドクラウドを実現するための製品として、
"Nutanix Clusters"が提供されます。(本記事執筆時点はまだ正式提供前です)

端的に言えば、Nutanix HCIをパブリッククラウド上で展開し、
オンプレミスと同じテクノロジの足回りを持つことで、
プライベートとパブリッククラウドの行き来を
スムーズにすることが可能となります。

スムーズというのは、つまり仮想マシンの変換など、
小難しいことをすることなく、
”そのまま”引っ越して持っていくことができるということです。
これを本格的に活用することで、
本当にプラットフォームとシステムを切り離すことができ、
プラットフォームにロックインされない、
可搬性のあるシステムを実現します。

他にもまだまだメリットがありますが・・・
記事も長くなってきたので、今回はここまで。
「Nutanix Clusters」がどういったものか、
明日の記事でより深堀していきたいと思います。

今回は以上です。