データ統合ソリューション: クラウドプラットフォーム間のデータ移動の自由度


今回のテーマはAWS、Azure、GCPが提供しているデータ統合ソリューションにおけるクラウドプラットフォーム間のデータ移動に関する制約についてです。

クラウド間のデータ統合ニーズを反映し、AWS、Azure、GCPの3者はそれぞれ対応するソリューションを提供しています。しかし、それらの統合ソリューションとそれ以外のXplentyをはじめとする専業ベンダーが提供するデータ移動の自由度には制約があります。今回はAmazon AppFlow、Alooma(Google)、Azure Data Factoryにおける制約について確認したいと思います。

Amazon AppFlow

最近TechCrunchにAmazon AppFlowの記事が掲載されましたが、記事にある通り、データのやり取りについて双方向性がサポートされているものではなく、あくまでAWSソリューションへのデータ移動という一方通行を目的としているようです。

しかし競合製品とやや違ってAWSはこのサービスを、ワークフローを自動化する方法としてよりもむしろ、データ伝送サービスと位置づけている。そしてデータフローは双方向が可能だが、AWSの発表は主に、SaaSアプリケーションからそのほかのAWSサービスにデータを送ってさらに分析する、という使い方にフォーカスしている。

Alooma(Google)

そしてGoogleもまた昨年Aloomaというクラウド上でデータ統合ソリューションを提供する企業を買収しましたが、TechCrunchの記事の中でも触れられている通り、

Aloomaは今後、Google Cloudのコンペティターへのデータ移行を求める新規の顧客は受け入れない。Aloomaの既存のユーザーもGoogle Cloudが引き継いで面倒見る、と考えれば、この方針は意外ではない。しかしAloomaでAWSやAzureを使っていたユーザーは、Googleが今後その部分のお世話も引き継ぐとは考えられないので、ほかのソリューションを探すべきだろう。

こちらも双方向というよりは、Google Cloudへの一方通行のデータ移行に重きを置いている部分が見て取れます。

Azure Data Factory(Microsoft)

Microsoftについては、Azure Data Factoryのコピーサービスについてサイトで確認したところ、GCP(Google BigqueryやGoogle Cloud Strage)やAWS(Redshift、S3)のような他社クラウドがデータ転送先としてサポートされていないのが確認できます。(2020年4月時点)

こうした3社のメガクラウドベンダーの方針を見ると、当たり前といえば当たり前なのですが、各社やはり自社のプラットフォームから他社への乗換を直接的にサポートする製品機能は提供しないということなのかもしれません。

それぞれのクラウドプラットフォームで完結した形でデータ基盤が作られていく中で、ベンダーロックインの流れを嫌い、マルチクラウドプラットフォームを採用しているお客様にとってはこういった制約を受けずにデータの移動を実現できる製品を検討する機会になるかもしれません。

データ移動の自由度以外にもデータ分析基盤にマルチクラウド戦略を採用する企業には多くのメリットがあります。もし興味のある方はこちらのブログもお読みください。
マルチクラウドデータアナリティクス: What, Why, and How

最後に

Xplentyは、上記3社のクラウド間のデータ統合について双方向でサポートしています。もしマルチクラウドを採用しており、今後もデータ移動の自由度を保証していきたいという方は、是非、この機会にクラウドETL:Xplentyの1ヶ月間無償トライアルで体験してみてください。